学園祭[18]
「今日が学園祭最終日だ。だが、いつも通りやれば良い」
「長かった様な短かった様な....不思議な感じです」
「終わると思うと何だか寂しいですね」
「だね~」
「まぁ物事には必ず終わりが来る。問題はそれに後悔が残るかどうかだ」
「だから、今日出来る事を全てやって来い!」
「「はい!」」
「お~!」
「じゃあグラウィス、毎回悪いが準備頼んだ」
「分かってますよ。もう俺誰よりも準備早いんですからね?」
「ははっ、それは頼もしい。頼んだぞ」
「そしてクイナとロロ、ちょっとこっち来い」
「どうしました?」
「いや、今から面白いものが見れるからちょっとここに居てくれ」
「面白いもの~?」
「ああ。とても面白いものだよ」
ラズルは完全に悪人の顔をしながらニヤニヤと笑っている。
(あ、これろくな事じゃ無いですね)
「多分もうそろそろ......っと、噂をすれば」
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「いやー、店って楽だと思ってたけど意外と疲れるのねー」
「セロス様が人1倍頑張ったからですよ」
「当然ね!」
「....ただ1つ気に食わない事があるのよ」
「気に食わない事ですか?」
「昨日それぞれのクラスの売り上げを見に行ったんだけど....」
「何で飲食店売り上げが私達よりもあいつらのクラスの方が上なのよ?!」
「店の見た目も内容もこっちの方が明らかに良い筈なのに何でよ?!」
「そ、そう言われましても....」
「絶対何かあるに違いないわ!」
「だから今日も偵察としてうちの騎士があいつらの店に行って、クレームを付ける事になってるわ!」
(うわぁ...やり口が汚いですね....)
「1日目の料理の中に髪の毛作戦は何故だか失敗に終わり、2日目の接客がなってない作戦も何故だか失敗に終わった....」
「だから今日は本気で潰しに掛かるわ!」
ラズル達1年Aクラスに入ったクレームは全てセロスの息が掛かった者の仕業であり、1日目の髪の毛作戦はとある生徒のお陰で失敗に終わり、2日目の接客作戦は接客しているのがドラゴンの子供で態度が悪いも何も無かった為、何も言えずに失敗に終わった。
「あんた達!絶対に今日はあいつらの売り上げを越すわよ!」
『お....』
セロスの声掛けにより、気合いを入れようと雄叫びを上げようとしたその瞬間……
ドゴォォォン!!!
「..........へ?」
セロス達2年Bクラスの店が崩れ落ちた。
「な、何?!何が起きたの?!」
「わ、分かりません!....突然お店が崩れました!」
「んな事ある訳無いでしょ?!誰?!誰がやったの?!」
「ほ、本当に突然なんですってぇ....」
セロスが近くに居た女子生徒に掴み掛かりながら怒鳴り散らしている。
その光景を少し離れた所で見ていた者が3人。
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「「................」」
「はっはっは!ざまぁねぇなぁ!」
クイナとロロはその光景をただ唖然として見ており、一方ラズルの中では何かのスイッチが入った様だ。
「え、あれラズルさんがやったんですか?!」
「その通りよぉ!今我輩がぶち壊してやったわい!」
「口調何があったんですか?!」
「おっと、少しテンションがおかしくなってたな」
「まさかこの間言ってた陥れる策ってこの事ですか?」
「いや、あれはついでだ」
「ついでの被害が大き過ぎる?!」
「ふふふふふ、私達の店に手を出すからこうなるのだ~」
「ロロさん、台詞と口調が噛み合っていません」
「まぁこっちも向こうと同じ事しただけだし」
「確かにそうですけど...学園祭最終日って壊すタイミングに悪意しか感じませんね....」
「どうせ壊し返すなら壊されて1番嫌なタイミングで壊した方が良いだろ?」
「少し可哀想な気もするね~」
「自業自得だな。まぁ向こうの出方によっては直してやらん事も無いが......駄目そうだな」
ラズルが苦笑いで見た方向には明らかに怒りの色を表しながらこちらへ向かって来るセロスの姿であった。
「ちょっとあんた!」
「はーい!セロス先輩!どうされましたかぁ?」
ラズルはわざとらしく明るくセロスへ話し掛ける。
「あれやったのあんたでしょ?!」
「あれですか?....えぇー!一体どうしたんですかぁ?学園祭最終日だというのにお店が崩れちゃってるじゃないですかぁ!」
「ふざけないで!どうしてくれるのよ?!」
「えぇー!僕何もしてませんよー!」
ラズルのふざけた態度に怒りで顔を真っ赤にさせるセロス。
「ふざけんなっつってんの!!」
「はぁ?どこがふざけてんだよ?」
ラズルは急にわざとらしい口調を止め、今度は喧嘩腰の口調へと変わる。
「あんたあれ何とかしなさいよ!」
「はぁ...何とかって何だ?直せってのか?」
「当たり前でしょ?!早くしなさいよ!!」
「そもそも何で俺がやったみたいになってんの?」
「あんた以外あんな事する奴いないでしょ?!」
「証拠は?」
「はぁ?」
「証拠はあんのかっつってんだよ」
「そんなの無いわよ!」
「お前この間俺達の店が壊れた時に同じ事言ってたよな?」
「...私がそうって言ったらそうなの!あれはあんたがやったの!!」
「"いい加減しろ"」
「ひっ...!な、何よ?!」
突然ラズルから放たれた殺気に当てられたセロスは怯えて一歩後ろへ下がり、今にも逃げたい気持ちであったがプライドが邪魔をしていた。
「いい加減にしろっつってんだよ」
「お前は一体何がしてぇんだ?あぁん?」
「..........」
「そんでもって自分の立場が悪くなったら直ぐに黙る...か」
「もう良い、帰れ。店は直してやるからもう俺達に関わんな。良いな?」
「...わ、分かれば良いのよ」
セロスはそのまま逃げる様に自分達のクラスの元へと戻って行った。
「はぁ....本当にどうしようもねぇな」
ラズルは呆れた表情で殺気を解く。
「ほ、本当に直ってます」
セロスが帰った後に2年Bクラスの店は綺麗に元通りになっていた。
「あ、この間の幻覚~?」
「そうだ。流石に俺もあんなガキに本気でムキにはなんねぇって....」
「ふふっ、優しいんだね~」
「まぁあれで反省してくれると良いですね!」
「........そうだな」




