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学園祭[16]

クレームも無事に対応され、次々と入店してくる客に対し食材が尽き掛けていた。


「ラズルさん不味いです!もう食材が切れ掛けてます!」


「何?!分かった。俺が買って来よう!」


「お願いします!」


~~~~~~~~~~5分後~~~~~~~~~~


「買って来たぞ!」


「早っ?!まだ5分位しか経ってませんよ?!」


「口ばっかり動かしてないで手を動かせ!」


「いや、ちゃんと説明して下さ....」


「スキル!」


「成る程!」


ラズルが【転移】(テレポート)で買いに行った食材により、何とかピークを乗り切る事が出来た。


「ふぅ....ようやく客足が落ち着いてきたな」


「思ってたよりお客さん来ましたね」


「途中から一気に客が来たからな。たこ焼きを頼む客が多かったし、恐らくロロのたこ焼きの噂が広まったんだろうな」


「あれは本当に美味しかったですもんねー」


「人気過ぎて店の中に客が入り切らなかったからな。持ち歩きしやすい物を多くしたのは正解だったな」


「それにしても途中のクレーム酷かったですね....」


「ああ。自分で髪の毛を入れて文句言って来やがったからな」


「まあ飲食店では良くある事みたいですけど」


「その時の焼きそば担当が禿げてて助かったよ。そいつが焼きそばを作って運んでる光景を見せたお陰で向こうも何も言えなくなってたしな」


「そのクレームに対してカール君も若干涙目になりながら対応してましたね....」


「あいつが『その焼きそばは俺が作って俺がお持ちした筈なのですが....こんな長い髪の毛が入ってたんですか?』って真顔で言ってるのを見て思わず笑っちまったよ」


「それ以上傷付けないで上げて下さい?!」


「さて、時間的に今日はそろそろ終わりだな」


「こんなに料理を作ったのは初めてなので疲れちゃいました....」


「俺も慣れない事をしたせいか疲れちまったよ」


「あ!そう言えばラズルさん昨日私とロロさんに頼みたい事があるって言ってましたよね?」


「あー、そうそう1つ頼みたい事があるんだよ」


「私達に出来る事ならば何でもしますよ!」


「じゃあ店の片付け終わったらロロと一緒に俺の部屋に来てくれ」


「えっ...///ラ、ラズルさんの部屋にですか?」


「ん?ああ」


「わ、分かりました!後でロロさんと一緒に行きます!」


「おう」


(ど、どうしましょう...//でもラズルさんなら....しかもロロさんと2人でだなんて///)


(あー、凄っげぇ肩凝ったなぁ)


(や、やっぱりも、()()()()()するんでしょうか///)


(肩のここら辺()()()()()か)


(やっぱり男の人が()()ものなんですかね...?)


(あ、2人に背中に()()()()()のも良いな)


(うぅ...緊張します)


(眠い....)


学園祭も1日目が終わり、約束通りクイナとロロはラズルの部屋の前へと来ていた。


「ロロさん...!入りますよ!」


「何でこれから戦場に向かうみたいな顔してんの~?」


「だって緊張するじゃないですか//」


「クイナもララと一緒だね~」


「え?何がです?」


「何でもないよ~。早く入ろ~」


「は、はい!」


ガチャリ....


「おー来たか」


中には眠たそうに目を(こす)るラズルと既に眠っているネラが居た。


「頼みたい事って何~?」


「じゃあ取り敢えずベッドに来てくれ」


「......っ//」


クイナは顔を真っ赤にさせながら、ロロは表情を変えずにラズルのベッドへと向かう。


「よいしょっと....」


ラズルもベッドの上でうつ伏せになる。


「じゃあ2人でマッサージを頼む」


「え?」


「分かった~」


「いやー、最近肩が凝っててな?今日の学園祭で更に凝っちまったんだよ」


「マッサージは得意だよ~」


「お、じゃあまず肩を揉んでその後に2人で背中に乗ってくれ」


「....ラズルさん()揉むんですか?」


「ん?ああ」


「ラズルさん()乗るんですか?」


「そうだが....」


「いや、そうですよね...ラズルさんですもんね....」


「?」


「初めてで下手かもしれないですけど精一杯マッサージしますね!」


「おー頼む」


(今日の事もあり少し舞い上がり過ぎちゃいました....冷静に考えたら凄く恥ずかしいです//)


「じゃあいくよ~」


ロロは手慣れた動きでラズルの肩や背中を揉んでいき、クイナは最初はぎこちなかったがロロの動きを真似ながら上達させていった。


最初は雑談を交わしながらマッサージをしていたが、段々とラズルから返事が無くなり、代わりに静かな寝息が聞こえてきた。


「すぅー...すぅー....」


「あれ、ラズル寝ちゃったの~?」


「ふふっ、そんなに気持ち良かったんですかね」


「寝顔は子供みたいで可愛いんだね~」


「分かります!普段はあんなんなのに寝てる時は本当に子供みたいで....」


ラズルが寝た後も2人はしばらく女子会を開いていた。


「あ!もうこんな時間です!」


「本当だ~」


「いつの間にか消灯時間過ぎてます....」


「もう外には警備員が沢山居るよ~」


「ど、どうしましょう」


「今から出たら怒られるし私はこのまま泊まらせて貰う~」


「ええ?!」


「そんな大きな声出したら2人共起きちゃうよ~」


「す、すみません...それでと、泊まるってどういう事ですか?」


「?そのままの意味だよ~」


「いやでも流石に...//」


「でもベッドもう1つあるよ~?」


「あっ」


「....まさかラズルと一緒に寝る気だったの~?」


ロロがニヤニヤしながらクイナへと詰め寄る。


「ち、違います!///」


「本当かな~?」


「本当です!も、もうこんな時間ですし、仕方が無いので泊まらせて貰いましょう!」


「そうこなくっちゃ~」


いつものクイナであればこの様な行動はしなかったが、ロロの冷やかしや先程の勘違い、昼間の出来事からの恥ずかしさにより冷静な判断が出来なくなっていた。


2人はラズルが寝ているベッドとは違うもう1つのベッドで寝る事にした。


「お休み~」


「お、お休みなさい」


学園祭での沢山のトラブルや慣れない事により疲れた2人は直ぐに眠りに落ちてしまい、雑音1つ無い静かな夜に3人と1匹の寝息だけが微かに聞こえていた。

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