学園祭[15]
何とか髪の毛を守り切ったラズルは正座を辞め、逆に今度はクイナを正座させていた。
「お前は一体何を考えているの?!」
「だってロロさんがラズルさんにくっ付いてるから離さないとって....」
「もっと他にやり方があんだろ?!何だ無理矢理引き剥がすって?!禿げるわ!禿げてまうわ!」
「....すみません」
「いや、逆にそんな反省されると困るっていうか....別にそんな怒ってないし」
「....ちょっとムキになっちゃって」
「ムキ?」
「クイナはラズルを独り占めされたく無かったんだよね~」
「....///」
「ん?....ふっ、あはははは!」
「な、何で笑うんですか!」
「ふふっ、お前は普段は大人ぶってるけどやっぱりまだまだ子供なんだなぁと思ってな」
「私はもう成人です!」
「良いじゃねぇか。成人でも」
「え?」
「成人だろうが何だろうが甘えたい時は子供みたいに甘えて良いだろ」
「........」
「ほら、ロロを見習えよ」
「....ロロさんを?」
「さっきあんな事があったのにまだ背中からよじ登って来てるぞ」
「このタイミングで何してんですか?!」
「ラズル~おんぶ~」
「お前の場合本当に子供みたいだな」
「むぅ~、私は18歳だよ~」
「「年上だった?!」」
「ま、まあそれは置いといてだな?」
「成人だってこんなにも甘えてくるんだ。別に何もおかしい事じゃないぞ?ほーれよちよち」
「....じゃ、じゃあ///」
「おう」
クイナは顔を赤くさせながら全力でラズルへと飛び付いた。
「でも甘え方は考えて欲しいかなぁ?!」
ロロをおんぶしていたラズルは対処出来ずにそのまま後ろに吹き飛ばされそうになったが、身体を仰け反らせながら踏ん張り、何とか耐えた。
「何してるんですか....」
「お、おうグラウィス。準備は終わったか?」
「はい。ラズルがそんな事をしている間に皆で終わらせました」
「くっ...!ご、ご苦労」
「今の所そっちの方が苦労してそうですね」
「そう思うなら助けろ!」
「いやー良いトレーニングですね!3人共仲が良さそうで何よりです!」
「グラウィス貴様ぁ!!」
その後しばらく耐えていたラズルだが、限界そうだった為ロロとクイナが手を離した。
「ふぅ...危ねぇ」
「すみません....少しはしゃぎ過ぎました///」
「ごめんね~」
「いや、甘え方さえ考えてくれれば全然構わん」
「き、気を付けます//」
「ふふっ、おう」
「さて、もうグラウィス達が準備も終わらせてくれたみたいだし、俺達も中に入って準備するか」
「はい!」
「任せろ~」
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「....ねぇ」
「は、はい」
「何であいつらの店が直ってんのよ」
「わ、分からないです....」
「はぁ?!」
「しかも見なさいよ!私達2年Bクラスの看板が何故か3年Bクラスになってるし!」
「その他にも引きドアが押しドアになってたり、中の飾り付けの場所がバラバラになってたり....」
「そして何よりもムカつくのがこの鼻くそよ!!」
「しかも店の所々に付いてるってどんだけ鼻くそ生成してんのよ?!汚過ぎるわ!」
「これはちょっと心配するレベルですね....」
「心配してる場合じゃないわよ?!」
「ひぃっ...!ごめんなさい!」
「あいつだわ...!良くも私達の店にこんな事を!」
「絶対に...絶対に許さないんだから....!」
セロスはまだ知らない。ラズルという男がこの程度の嫌がらせで済ます程甘い男では無い事に....
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「さーて、今頃あいつはどんな顔をしているかなぁ~」
「え?何の事です?」
「いいや、こっちの話だ。早く準備しようぜ!」
「?は、はい」
「ラズル~こっちはもう準備出来たよ~」
「分かった。もうそろそろ一般公開の時間だからお前ら気合い入れていけよ!」
「はい!」
「お~!」
そして、ついに一般公開の時間となった。
沢山の人々が次々と学園内に入って来る。
「おっしゃ!やりますか!」
『おー!』
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「次!3番テーブルたこ焼きとお好み焼きとビール2本入りましたー!」
「あいよー!」
「1番テーブルたこ焼き3個と綿菓子3個とラムネ3本入りましたー!」
「あいよー!」
「2番テーブルから焼きそばに髪の毛が入ってるというクレーム入りましたー!」
「あい....じゃねぇよ?!しっかり対応して?!」
多少のトラブルはありつつも、ラズル達1年Aクラスの飲食店はとてつもない人気を誇っていた。




