学園祭[14]
~~~~~~~~~学園祭当日~~~~~~~~~
毎度恒例ガウのホームルームを終え、気合い十分の生徒達。しかし、店の惨状を知っているクイナとロロだけが不安そうな表情をしていた。
「じゃあそろそろ自分達の持ち場に移動しろ」
ガウの一声により生徒達は移動を開始していく。
「ラズル!飲食店の方は大丈夫そう?」
「ああ。俺達の店見たら驚くぞ?」
「おー!それは楽しみだね!」
「そっちの演劇も大丈夫なのか?」
「勿論!皆今日の為にいっぱいララ監督にしごかれ....指導して貰ったんだもん!........いや、本当に大変だったよ....うん」
「....お疲れ」
「でも間違いなく演劇は完璧だよ!」
「そりゃ頼もしいな」
「フランさーん。そろそろホールに行って演劇の準備しないと間に合いませんよー」
「おっと、じゃあ僕はもう行くね!」
「おう。頑張れよ!」
「アリアー待ってー!」
「うん。元気そうで何よりだ」
「ラズルさん、お店....どうなりました?」
フランがホールへ向かったのを見計らってクイナとロロが近付いて来た。
「それは見てからのお楽しみだ」
「分かった~。じゃあ私達もホールに行こ~」
3人はホールへと向かい、ホールの扉の前へと着いた。
「じゃあちょっと驚かせたいから目を瞑っててくれ」
「分かりました」
「分かった~」
クイナとロロはラズルに言われた通りしっかりと目を瞑り、ラズルに手を引かれ店があった場所の前へと連れてこられた。
「良し、目を開けて良いぞ」
「........っ!こ、これは?!」
目を開けた2人の前に広がっていた光景は..........
昨日と何も変わっていない見るに堪えない店の姿であった。
「...やっぱりラズルさんでも駄目でしたか....」
「....いや、これは仕方無い。ラズルは何も悪くない」
2人は少なからずラズルなら何とかしてくれるのではないかと期待していた分、ラズルでもどうにも出来なかったと知った際のショックが大きかった。
「おいおいまだまだお楽しみはこっからだぜ?」
「「?....っ?!」」
突然2人の脳内に謎の音楽とラズルのナレーションが流れた。
「何者かによって荒らされ~、見るも無惨な姿であったお店~。」
「屋根は崩れ落ち~、床には穴が開き~、壁は粉々~、とてもお店として機能出来る物では無かったお店が~」
ラズルがそこまで言うと目の前に広がっていた店の残骸が突如消え、代わりに皆で協力して建てた店そのままの姿で建っていた。
「何と言う事でしょう!匠の手によって以前の美しさ姿を取り戻したではありませんか!」
「どうだ?驚いたか?」
「「......何コレ」」
ラズルはしばらく色々と2人へ問い詰められ、少し困りつつも嬉しそうに答えていた。
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「じゃあ私達が最初に見た光景はラズルさんが見せた幻覚って事ですか?」
「はい」
「で、今はこの通り元通りになっていると」
「はい....ていうか何で俺正座させられてんの?!」
「私達を驚かせた罰です」
「お前はサプライズってもんが分からないのか?!」
「それはそれ。これはこれです」
「あぁ、出会った当初の俺に尊敬の眼差しを向けていたクイナはどこに....」
「....ラズル、これどうやったの~?」
ロロは幻覚やラズルの謎のナレーションよりもたった1日で店を元通りにした方法が気になっている様だ。
「いや、ロロに教わった通りに建ててみたんだが....出来はどうだ?」
「....完璧。嫉妬しちゃう位上手だよ~」
「お!本当か?!いやー、苦労した甲斐があったな~」
「で、どうやって1日で建てられたの~?」
ロロは目を輝かせながらラズルへ詰め寄る。
「えーっと....き、企業秘密?」
「むぅ~....教えろ~!」
ロロは小さな身体を活かし、未だ正座をしているラズルへ飛び付いた。
小柄ではあるが力は強いドワーフを引き剥がすのは中々に困難であり、ラズルは無抵抗であったがクイナが必死に引き剥がそうとしていた。
ラズルが何故無抵抗だったかというと......
「ちょ?!痛い痛い痛い!髪掴んでるのに無理矢理引っ張るんじゃねぇよ?!禿げる禿げる禿げるって!」
抵抗すれば犠牲が出てしまう恐れがあった為、手が出せなかったのである。
しかしクイナはその事に気付かす馬鹿力でロロを引き剥がそうとし、ラズルの毛根へ甚大なダメージを負わせたのであった。




