学園祭[12]
「まずはこれを何とかしないといけないが....」
ラズルは店だった物を見てそう呟く。
「いや....でも人目が多過ぎるな」
「今は店を直しながら夜まで待つか」
「...ははっ、材料余分に買っといて正解だな」
ラズルは目の前の残骸を全て【収納箱】へ入れ、代わりに新しい材料を取り出しロロに教わった通りに店を造り始める。
しばらくただ黙々と店を直していくラズル。しかし、当然ながら1人で直していても明日までに間に合うペースではない。
結局ラズルは最後の学園祭準備時間を全て店を直す時間に使い、その日の授業は終わりとなった。
当然、店は全くと言って良い程完成していない。
「....こりゃ1人でやるのは大変だな」
チラリとセロス達の方を見ると......
セロス達がホールへ来た時には既に店を建てるスペースは無かったのにも関わらず、とても大きな立派な店が建っていた。
「本当に懲りない奴だな」
ラズルが見ている事に気付いたのかセロスが再び近寄って来た。
「あらあら1人で随分と頑張ってるのねー。他の子はどうしたのかしら?」
「あいつらは明日の学園祭の為に休憩中だ」
「あらそうなの!何てったって明日は学園祭ですものね!気合いが入るのも分かるわ」
「そちらさんはもう準備は終わったのか?」
「ええ。見ての通り完璧よ!」
「確かに立派な店だなぁ」
「私のクラスの店よ?当然じゃない!」
「....でもあれだけ立派だとどこか欠陥があるんじゃないか?」
「...あはははは!何を言い出すかと思えば....」
「欠陥なんてある訳無いでしょ?あなた達とは違って当然全て問題無いか確認済みよ!」
「......それなら安心だな!」
「ええ。じゃあもうホールから出る時間よ?早く出ないと!」
「そうだな。仕事は後でするとしよう」
「残念ながらこのホールは時間を過ぎると鍵を閉められて入れない様になっているのよ!」
「何?!」
「あらぁ?知らなかったのー?」
セロスはここぞとばかりにラズルを挑発していく。
「..........」
「もしかして私達が全員出てから何かしようと思ってたのかしら?」
「..........」
「それは残念だったわね!」
「じゃあ私達はこれで失礼させて貰うわ」
「明日はお互いに頑張りましょうね!」
セロスはわざとらしくそう言い残すとホールから出て行った。
その際にセロスの後ろに居た女子生徒がラズルの方をとても申し訳無さそうに見て何かを言おうとしていたが、そのまま顔を伏せながらホールを出て行った。
ラズルもセロス達と同時にホールを出る。全員がホールから出るとガチャリと鍵が閉まる音がした。ホールから出ていたセロスはその事を確認すると、ニヤニヤしながら自分達の教室へと去って行った。
「.....ふぅ..危ねぇ危ねぇ、相変わらず俺は演技が下手だな........今度練習するか」
「さて、俺も教室へ戻るとするか」
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教室へ戻ると皆は明るく明日の学園祭について話していたが、クイナとロロの2人だけが暗い雰囲気を放っていた。
「あ、ラズルさんお帰りなさい....」
「お帰り~....」
「おう。この様子だと皆には言ってない様だな」
「はい....皆さんの空気を壊したく無いので」
「...でも明日になったら皆分かっちゃう....」
「ああ。俺達の店を見て皆分かるだろうな」
「俺達1年Aクラスが最も人気が出ると!」
「「え?」」
「「え?」じゃねぇよ。あんだけ皆頑張って造ってロロが設計した店だぞ?人気が出ない訳ねぇ」
「いやでもお店はもう....」
「確かにまだ店は壊れたままだ」
「じゃあもう....」
「....まだってどういう事?」
ラズルはロロの質問に言葉ではなく笑顔で答える。
「....直るの?」
「まぁ明日へのお楽しみとしか言い様は無いが、1つだけ言うとするならば....」
「俺に任せろ。必ず直してみせる」
「....何か手伝える事は」
「すまない。これは俺1人じゃないと出来ない事なんだ」
「分かった.....ラズルに任せるよ~」
「おう!」
「ラズルさん、前にも言いましたが1人だけで無理をしないで下さい....」
「大丈夫だ。今回は楽な仕事さ」
「....分かりました!もし何か手伝える事があったら言って下さいね!」
「じゃあ明日になったら1つ頼むとしよう」
「はい!任せて下さい!」
「私は~?」
「そうだな。じゃあ2人でやって貰うとしよう」
その後ホームルームを終え、いつも通り皆で明るく夕食を食べ、そのまま解散となった。
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自室へと戻って来たラズルはネラと遊ぶ。もはやこれはラズルの日課となっていた。
あれだけ外へ出たがっていたネラも前の騒動により、あまり外へ出たがらなくなった。
ラズルはそのまま1時間程ネラと遊び、ネラも疲れ果てて寝てしまった。
「....ふふっ」
ラズルはネラを撫でると髪の一部を漆黒に染める。
「最高破壊神の俺が今やこんな平和な仕事はをしてるとはな....神生どうなるか分からんもんだ」
「だが....悪くねぇ」
「....さてと、じゃあ平和な仕事といきますか」




