破壊神の仕事[4]
「最高破壊神であるあなた様が仕事....ですか。という事はやはり僕を破壊する気で来られたんですね」
「ですが、今の僕はもう何の罪も無い。今の僕を破壊したら逆にラズル様が不味い事になるんじゃないですか?」
「ああ。当然無罪の者を殺す事もまた重罪だ」
「ははははは!そうでしょう!もしそんな事をすれば自分の管理世界権限を失ってしまいますからね!だから私を破壊する事は出来ない!」
「確かにお前は神界のルールで裁かれ今や無罪となったのだろう。だが....」
「"裁くのは俺だ"」
「は?」
「今からお前を裁くのは俺だ。ならば俺がルールだ」
「何を馬鹿な事を言ってるんですか....」
「いくらあなたが最高破壊神と言えども神界のルールは破れば重罪!管理世界権限を失いますよ!」
「生憎俺は管理世界があるにはあるが機能してないんでね。例え破ろうとも失うものが無い」
「管理世界が...無い?!」
「そんな馬鹿な!あなた程の神が管理世界を持っていない筈がない!」
「まぁ少し考えてたんだけどな。でも最近はもっと面白い事を見つけたからもう要らん」
「さて、無駄話ももう終わりにしよう」
「なっ...や、辞めろ!無罪の僕にこんなことして良いと思ってるのか!」
「【破壊】」
「辞めろぉぉぉぉぉ!!!」
トイフェルは全力で逃げようとするが、当然ラズルから逃げられる訳もなく、あっけなく存在そのものを破壊された。
「ふむ。やはり上級神の中でも底辺といえどもやはり上級神、中々神力を使うな」
「....さてと、帰るか」
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ラズルがマギアを転移させた後、転移してきたマギアからは何も感じられず、ただ呆然と立ち尽くしているだけだった。
「........」
「えーっと...マギア君、ラズは?」
現在ルチェスの部屋にはルチェスとマギアの2人だけであり、とても気まずい雰囲気が漂っていた。
「....まだお父さんの管理世界に居ます」
「ふぅー良かった...流石にマギア君まで巻き込む様な事はしなかったか」
「....お父さんにとって僕はどうやら期待外れの出来損ないだそうです。優しくしてくれたのは全て利用する為だけ....」
「....」
「....ラズル様は巻き込まれない様にと言っていましたが、本当は僕にそれ以上何も聞かせない為にここに転移させてくれたんだと思います」
「大好きだったお父さんやお母さんはもう居ない...僕はもうこれからどうしたら良いか分かりません....」
「....」
「あー、疲れた」
すると、ラズルが仕事を終え戻って来た。
「終えてきたの?」
「ああ」
「....お父さんは...?」
「もう居ない」
「......ラズル様、1つ教えて下さい」
「何だ?」
「....僕には生きる意味も理由もありません。これから僕は..どうしたら良いんでしょう...」
「そんなもん知るか」
「....」
「ちょっとラズ!」
「マギア、ちょっと来い」
「...?」
「早くしろ」
「....うん」
「ラズ、何処に行く気?」
「俺の管理世界だ」
「成る程...分かったわ」
「すまないな、ルチェ。助かったよ」
「ええ。今度は厄介事を持って来ないでくれると助かるわ」
「それはどうかな?」
「【転移】」
「..ったく、本当に世話が焼けるわ....」
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「ここが俺の管理世界だ」
「ここが...?」
2人の目の前に広がるのは限り無く続いている真っ白な空間。今はラズルとマギアしか存在しない世界。そしてラズルにとってそこは見慣れた場であった。
「どうだ?何も無いだろ?」
「....うん」
「以前俺はここに3000年居た」
「3000年...?!」
「その長い間俺は一体何をしていたと思う?」
「....」
「....何もする事が無かった」
「その時の俺は生きる意味も理由も無かった。お前と同じでな」
「....」
「でもな、途中ふと思ったんだよ」
「生きる意味も理由も無いのなら、生きる意味と理由を見つける事を生きる意味と理由にすれば良いんじゃないか..ってな」
「それから俺は毎日生きる意味と理由を探していた」
「結果どうなったと思う?」
「....分からない」
「無駄だと思った」
「なっ?!」
「生きる意味や理由なんて誰にも分かんねぇよ。そんな一生分かんねぇもの探す事自体意味が無ぇと思ってな」
「結果俺はこう思った。例え生きる意味や理由を見つけてもそれはいつか絶対に無くなっちまうもんだ。だったら探すんじゃなくて自分で作れば良い。何回見失っても見失った分だけまた作れば良い」
「....そんな簡単に作れないよ」
「良いんだよそんなん適当で。どうせいつかまた作るはめになんだから」
「現にこの最高破壊神が作ったものなんて『楽しむ事』だぞ!」
「....ふふふ、何それ」
(良し!俺の破壊神ジョークで笑わせられたぞ!)
「...適当過ぎて笑っちゃうよ」
(笑い所そこじゃねぇよ?!)
「でも...良いね..それ」
「ははっ!そうだろ?」
「じゃあ僕も適当に作るとするよ」
「うんうん」
「あ、それと....」
「ん?」
「さっきのって...ギャグ?」
「今更になって掘り返すんじゃねえ!」
最高破壊神ラズルは失われたマギアの笑顔を作る事に成功した。




