破壊神の仕事[2]
闘技場を抜けた2人はラズルの部屋へと向かった。
「良し、念の為結界をっと」
「....大事な話って?」
「ああ。さっきの話で気になる点があったってのとお前にも言っといた方が良いと思ってな」
「もう一度確認だがお前の父親は転移について反対して母親は賛成してたんだよな?」
「....うん」
「だが結果としてお前はこの世界に転移していると」
「となるとだ。まず1つ目はお前の母親が父親の意見を聞かずに勝手にお前を転移させたか」
「....」
「2つ目はお前の父親も結局賛成したか。この2択になる」
「....そんな訳無い」
「ああ。俺もそう思う」
「....え?」
「まずお前の母親が勝手に転移させたって考えだが、他の神に何かをするって時、許可無しだと自然と抵抗されるからかなりの神力を使うんだよ」
「出来るとしても自分よりも階級の低い神を転移させるので精一杯ってとこだろうな」
「お前の母親は中級神だろ?」
「....そうだけど...僕は下級神だよ?」
「え?」
「...え?」
「お前が下級神?」
「うん。お父さんにそう言われた」
「...じゃあ俺が訂正しよう。お前は中級神だ」
「....本当?」
「ああ。俺が保証する」
「....うん」
「いや、もっと驚けよ....」
「....別にどっちでも良い」
「....そうか」
(どうも調子狂うな....)
「とまあそんな訳で1つ目は無いという事だ」
「次にお前の父親も結局賛成したという考えだが....これも無いな」
「....」
「何でその時の会話の...しかも途中から記憶が無いと思う?」
「....お母さんが僕に気が付いて消したんだと思う」
「いいや、さっきも言ったが基本的に許可無しに他の神に何かする時は自分よりも階級が低くなければ出来ない」
「なのにお前の記憶が無い....」
「つまりお前の父親が消したって事になる」
「........」
「そしてその時のお前の最後の記憶は?」
「....お父さんが僕を異世界に飛ばすのを反対している所」
「もしお前の父親がその時既に賛成していたとしたら記憶が消えててもおかしくは無い。その方が都合が良いからな。だが、父親は反対している」
「まぁ何が言いたいかっていうと....」
「始めっからお前を異世界へ転移させようとしたのも転移させたのもお前の父親って事だ」
「?!そ、そんな訳無い!!」
「確かにあくまでこれは予想に過ぎない。だからこれから確認しに行く」
「確...認?」
「今からお前の父親と母親に会いに行く。そこで自分の目でちゃんと確かめろ」
「......分かった」
「良し、ならば今すぐ行くぞ」
するとラズルの金色の目と純白の髪が完全に漆黒に染まった。
「?!?!」
「おー、凄い懐かしい感じだ」
マギアはラズルの目に見える程の圧倒的神力によって立つことも出来ずに腰を抜かしてしまった。
「おいおい...何やってんだよ」
「....神力が大き過ぎて身体が動かない」
「うーん、結構抑えてるんだけどな....」
「こんなんでどうだ?」
するとラズルから溢れ出していた神力が収まりマギアの身体が何とか動く様になった。
「うん...動け..ます」
「急に固っ苦しくなるなよ」
「でも....」
「俺が良いって言ってんだから良いだろ?」
「....分かった」
「良し、じゃあまずとある奴にお前の両親の場所を聞きに行くからな」
「....とある奴?」
「よーし、じゃあ俺に掴まってろよ」
「....ん」
「【転移】」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ん?」
「どうされました?ルチェス様?」
「いや....もう直ぐ分かるわ」
「よっルチェ。久し振りだな」
ラズル達が転移した先にはラズルの漆黒の髪とは真逆の純白の髪を腰まで伸ばしたあり得ない程美しい女性ルチェスと、その隣にルチェスには劣るもののかなりの美貌を持つ水色の髪に眼鏡を掛けた女性が居た。
「やっぱあんただったか....」
「これはラズル様。お久し振りです」
「おう。フルスタ、お前も元気そうで何よりだ」
「それで?あんたが来たって事はろくな事じゃ無いでしょ?」
「おいおいそりゃねぇだろ」
「....あんたが来て面倒事に巻き込まれなかった事が無いから言ってんのよ」
「まぁまぁその話は置いといてだ。1つ頼みがある」
「っ!ええ、何かしら?」
「トイフェルという上級魔神とアンジェという中級天神の場所を教えて欲しい」
「その子と何か関係があるの?」
「ああ。実は………」
ラズルがルチェスにマギアについて説明をする。
「成る程...事情は分かったわ。少し待っててね」
「【世界眼】」
「ル、ルチェス様は一体何を?」
「あれはルチェだけが使える技でな、あいつは全ての世界の全情報を見る事が出来る」
「当然それだけの力だから消費神力は凄まじいがな」
「....流石最高創造神様ですね」
「だからあいつには秘密も何も関係無いから常にプライベートを覗かれてるんだ」
「そんな事してないわよ!これ凄い疲れんだからね?!」
「お、見つかったか?」
「....ええ、見つかったわ」
「何処だ?」
「まずトイフェルは自分の管理する世界に居るわ」
「分かった。後で座標を頼む」
「アンジェは....」
「....もう亡くなってるわ」
「?!」
「....そうか」
「..ごめんなさいね」
「....いえ、ルチェス様がお気になさる事ではありませんので」
「ならばルチェ、トイフェルの管理世界の座標を頼む」
「67494よ」
「分かった。ありがとな」
「仕事しに行くの?」
「ああ。もう確信した」
「そう」
「マギア、行くぞ」
「........うん」
「それじゃあルチェ、フルスタ、邪魔したな」
「いつもの事でしょ」
「お気を付けて行ってらっしゃいませ」
「【転移】」
そうしてラズルはルチェスとフルスタに別れを告げ、マギアと共にトイフェルの管理世界へと転移した。
「はぁ...全くあいつは何やってんだか」
「ラズル様が動かれるなんて珍しいですね」
「久し振りにあんな怒ったラズを見たわ」
「え?怒っていましたか?」
「ええ。結構キテるみたいね。神力が暴れていたもの」
「私には分かりませんでしたが....」
「まぁ昔に比べたらもはや別神だもん。怒ってるって言ってもかなり抑えてるみたいだし」
「昔のラズル様....少し気になりますね」
「あはは...知らない方が良いわよ」
「私ですら思い出したくないわ....」
「そ、そこまでですか」
「はぁー...【世界眼】を2神にも使っちゃったから疲れたわね....私は少し寝させて貰うわ」
「はい。ごゆっくり」
「ラズの奴何もしでかさなきゃ良いけど....」




