クラス対抗戦[5]
「「「ええぇぇぇぇぇ!!!フラン・シュバルツ様?!」」」
「いやだってフラン・シュバルツ様って言ったらシュバルツ家の長男のはずだろ?!」
「えーっとね、本当は女の子でした!えへへ」
(((何あれ超可愛い....)))
フランはクラス中の男子生徒の心を一瞬にして射止めてしまった。
「僕は皆と仲良くしたいと思ってるから気軽に声を掛けてね!」
そう言うとフランはラズルの方を向いてウインクをする。
(((今の俺か?!俺だよな?!)))
その行動がとある男子生徒を勘違いさせてしまったのはまた別のお話。
「良し、では転入生の紹介も終わった所で皆席に付け!」
「昨日も言った通り今日からクラス対抗戦の練習へ入る。それぞれの競技によって練習場所が違うから気を付けろよー」
「あ、それとクラス対抗戦の練習は他クラスと合同でやるからくれぐれも問題を起こさないようにな」
「では各自練習場所へ行け!」
ガウが教室を出ると先程までネラに群がっていた生徒達が今度はフランの元へ群がり始めた。
「ねえねえ!フランさんって何で男のふりなんかしてたの?!」
「前から思ってたけど女の子の格好するともっと可愛くなるね!」
「俺と付き合って下さい!」
それぞれ様々な質問をする中フランは嬉しさもあったが、急な質問攻めに対する困惑の方が大きかった。
「ええっと....」
「ラズルー!助けてー!」
「フランも人気者だなぁ。あいつも皆と仲良くしたいって言ってたし楽しそうだな」
「良し、ここは邪魔をしないように俺達はオブジェクト破壊の練習場所に行くとするか」
「フランさん...ごめんなさい」
「本当に放っておいて良いんですか?」
「大丈夫大丈夫ほら、あんな嬉しそうな顔でこっち見てるぞ」
「ラズルゥゥゥ!!」
フランは生徒達に囲まれながらラズル達に助けを求める。もはや嬉しさは無くなり恐怖が勝っているようだ。
「........行くか」
「「....はい」」
ラズル達はそんなフランを見捨ててオブジェクト破壊の練習場所へと向かった。
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オブジェクト破壊の練習場所は様々なオブジェクトがあり、固さもそれぞれ違う物が揃っている。
そんなオブジェクトよりも目立っていたのが、身体の何処を見ても筋肉としか言えないムキムキの男の集団であった。
「何あれ強そう」
「まさにこの競技の為の様な身体ですね」
「おお!中々に良い身体をしていますね!」
「おっと!君達もオブジェクト破壊の出場者かね?」
筋肉集団の1人がラズル達の元へ近付いて来た。
「ああ、そうだ」
「はっはっは!そんな筋肉じゃ私達には勝てないぜ!」
そう言うと男は自分の筋肉を強調する。胸がピクピクと動いており、何とも言えない光景を生み出していた。
「まあお互いに頑張ろうじゃないか!」
「はあ...そうだな」
「はっはっは!」
男はそれだけ言い残すと筋肉集団の元へと帰って行った。
「うちのクラス大丈夫か?」
「私もあの人達に勝てる気がしないんですけど....」
「あ、それは大丈夫」
「.....その信頼なんか嫌です」
「グラウィスも大丈夫だろ?」
「当然!確かに手強そうですが負ける気はありません!」
「その意気だ!」
「じゃあ、俺達も練習に....」
「おい、そこのお前」
筋肉集団の次は女子生徒に囲まれた男子生徒が近付いて来た。
「あぁん?」
「違う!お前じゃない。そこの獣人だ」
「え?私ですか?」
「そうだ。お前気に入ったぞ!」
「はい?」
「分からないの?貴方をユウト様の女の1人にして上げるって言ってるの」
「はあ....」
「お前名前は?」
「クイナですけど....あなたは?」
「俺は四十川悠斗だ」
(...ん?四十川悠斗?)
「そうか、クイナ。俺の女になれ!」
(なーんで私にはこういう人達ばっかり近付いて来るのでしょうか....)
「どうだ?この俺はこの学園最強の男だぞ?」
(ほー、最強..か)
「あなたがこの学園最強?」
「ああそうだ!何とこの俺の闘力は10000を越える!」
「い、10000?!」
「そうよ!ユウト様がこの学園最強なのよ!」
周りの女子生徒も悠斗を褒め称える。
「で、どうだ?」
「はぁ...お断りさせて頂きます」
「なっ?!」
「貴方自分が何を言っているのか分かっているの?!」
「はい、勿論です」
「俺の闘力は10000を越えているんだぞ?」
「確かにそれはとても凄い事です。ですけどそれとあなたの女になるのとは話が違います」
「それに....私には他に好きな人が居るので」
「っ....!」
「分かった。ではこうしよう」
「このオブジェクト破壊で勝った方の言う事を何でも1つ聞く」
「嫌ですよ」
「もしもお前が断った場合....お前の身の回りの人がどうなるかな?」
「なっ...?!ふざけないで下さい!」
「俺にはそう出来るだけの力がある」
「っ....」
「はいストップ」
「あ?」
「その勝負俺がやっても良いか?」
「は?何言ってんだ?」
「ラズルさん...?」
「クイナ、お前俺の事信じられるか?」
「当然です」
クイナはラズルの事を己の身を賭けても良い程に信頼していた。
「良し、じゃあ悠斗とやら、もしも俺に勝ったとしたら好きにすると良い」
「....お前とか?」
「ああ」
「ふーん?....!分かった!良いだろう!」
「じゃあお前も10番目でエントリーしろ。そこで勝負だ」
「良いだろう。この俺に勝負を挑んだ事を後悔させてやる!」
悠斗はとても満足そうに戻って行った。
「ラズルさん...すみません、変な事に巻き込んでしまって」
「気にすんな。お前とあいつとじゃ確かに力の差があったからな。何とか俺との勝負に持ち込めて良かった」
「何であの人はラズルさんとの勝負を受け入れたんでしょう?それ程自信があるのでしょうか?」
「あいつは俺の闘力を見たんだよ」
「?!」
「俺の闘力を見て勝てると判断したんだろうな」
「でも私より闘力が高いラズルさんを選ぶって危険じゃないですか?」
「わざと闘力を低くしてあいつに見せたんだよ」
「え?」
「あいつは俺の闘力を3000程度だと思っている」
「そんな事出来るんですか?!」
「まあな。馬鹿で助かったよ」
(まさか転移者と会うとはな....あの自信だと神から力を貰ったんだろう)
「楽しみだなぁ」
「....?」
「いや、何でも無い。クイナは何の心配もしなくて良いぞ。ほらっ、俺らも練習始めようぜ」
「はい!」




