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学園[13]

「さて、フランについては学園の方に後日連絡をするから少し待ってくれ」


「うん!分かった!」


「そしてラズル君、ちょっと」


ルークはラズルを手招きする。


「ん?」


「君のあの力の事なんだが....あまり使わない方が良い。強い力は他の者に狙われやすいからな」


「成る程な。確かに目立ち過ぎてからまれるのも面倒だ」


「忠告ありがとさん。気を付けるぜ」


「そしてもう1つ」


「まだあんのか?」


「家の娘を宜しく頼むよ?」


「何だそんな事か。任せときな!」


「もう外も暗くなって来た頃だろう。ラズル君が居れば大丈夫だとは思うが気を付けて帰りなさい」


「うん!また来るね!」


ラズルとフランはルークと別れ、来た時と同じ様にラズルがフランを抱き抱え夜の街の屋根を駆けていく。


「風が気持ち良いね」


「そうだな。こんな良い夜なんだからちょっとだけ寄り道でもするか!」


「そうだな~....あ!そういえばあそこがあったな」


「良しフラン、俺が目を開けろと言うまで絶対に開けるなよ?」


「え?うん」


フランは言われた通りに目を瞑る。


「上へ参りまーす」


「な、何か凄い浮遊感があるんだけど何をしているの?!」


「................」


「ちょっと何で黙ってるの?!不安なんだけど?!」


「................」


「これ何処に向かってるの?」


「それは着いてからのお楽しみだ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「良し。もう目を開けても良いぞ」


しばらく待っているとラズルから目を開けて良いと声が掛かる。


「一体何処に....うわぁ...!!」


目を開けるとそこには夜の暗闇の中、まばゆい光に包まれた王都のとても幻想的で美しい光景が広がっていた。


「綺麗....!」


「だろ?俺が適当に散歩してる時に見つけたんだ」


「こんな綺麗な景色僕初めて見たよ!」


「そりゃ良かった。ここは俺のお気に入りの場所でな?誰かを連れてきたのはお前が初めてだ」


「初めて...僕が初めて....えへへ~」


フランは自分が初めてという事を聞いて嬉しそうに顔を緩ませる。


「ここは誰も来ないから凄い落ち着くんだ。落ち込んだ時や悩み事がある時なんかに来ると綺麗さっぱり無くなっちまいそうだろ?」


「うん...」


しばらくラズルとフランは王都の夜景を黙って見ていた。


「ねぇ...ラズル」


「ん?どうした?」


「君は今まで僕がずっと悩み続けてきた事を綺麗さっぱり解決してくれた。改めて礼を言わせて貰うよ」


「....僕を助けてくれて本当にありがとう」


「もしもラズルに出会っていなかったら僕はこのまま1人で抱え込んで一生男として生きていってたと思う。でも、君は僕に手を差し伸べてくれた....」


「今まで誰かを頼るなんて考えもしなかったからラズルに頼れと言われた時は本当に嬉しかった....もう僕1人で抱え込まなくて良いんだって思った」


「そして君はまだ出会って間もない僕を助ける為にあそこまで無理をしてまで戦ってくれた....」


「君のそんな姿を見た僕はもう完全に女の子にされちゃったよ」


「........ラズル、僕は君が好きだ」


「....すまない、さっきも言ったが俺には恋愛感情というものが分からない」


「だからお前の気持ちに答える事は出来ない」


「うん、分かってる。だから答えてくれなくても大丈夫だよ」


「........」


「でも!いつか君に僕が恋愛感情というものを分からせてあげよう!」


「?!」


「もう分かってる思うけど僕は本気でやると決めた事はとことん諦めが悪いよ!」


「君が何と言おうが僕は絶対に諦めない」


「....そうか」


「うん。確かにお前は諦めが悪かったな」


「好きにしろ」


「お?言ったね?後悔しても知らないからね!」


「いつか絶対に振り向かせてやるさ!」


「楽しみにしておくとするよ」


「........」


フランはラズルを見つめ、しばらくすると決意を決めた様にラズルへと近付きそして....


「んっ?!」


フランはラズルの唇へ己の唇を重ね、ゆっくりと離す。


「えへへ、僕のファーストキスなんだけど....迷惑だったかな?」


「いいや、そんな貴重なものを俺なんかにくれてありがとな」


「俺は願いを叶えた時はその相手にも何か対価を払って貰うんだが....こんなもん受け取っちまったら逆にこっちがお釣出さないとな」


「そ、そんな重く受け取られたら逆に恥ずかしいよ///」


「良し、ならばこうしよう。これからまたお前が何か困った時、俺がまた必ず助けてやろう」


「どうだ?お釣は足りたか?」


「ふふふ何それ。十分過ぎるよ」


2人はそんな会話を交わしながら笑い合い、少し寄り道する予定のはずが朝日が出るまで王都の景色を眺めていた。

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