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学園[12]

今回は特に意味は無いのですが少しだけ長めです!

「おー、言うだけの事はあるな!」


ラズルの1撃はルークによって簡単に止められてしまった。


「それはこっちの台詞だ。久し振りにまともな戦闘が出来そうだぜ!」


「はっはっは!良いねぇ!じゃあ今度はこちらから行かせて貰うよ!」


その瞬間、ラズルの目の前に居たはずのルークの姿が消える。


「?!」


「ふんっ!」


「おっと?!」


ラズルは突如後ろに現れたルークの攻撃を何とか躱す。


「おー、良く避けたな!私の攻撃を避けたというだけで相当な力の持ち主だって事が分かるよ」


「だが、まだ足りない」


「その程度では駄目だ」


「へっ!言ってくれんじゃねぇか!」


「安心しな!まだ本気じゃねぇ」


「ほう、それは良かった。この程度で私以上などとほざいたのかと思ったよ」


「見とけ!こっからどんどん上げていくからよ!」


【付与魔法】(エンチャント)フレイム」


「おお!それはフランが作ってた魔法ではないか!」


「ああ。フランから色々と学ばせて貰ったよ」


「まぁ....私も期待しているよ」


ルークは誰にも聞こえない様な小声でそう呟いた。


「【炎刃】!」


「はぁ!」


ラズルが放った炎の刃はルークの振るった刀によって掻き消されてしまう。


「はっ!」


ラズルは直ぐ様ルークへと斬りかかり、ルークもそれに応じる。


しばらく互いに斬り合っていると、ラズルがしびれを切らしルークから距離を取る。


「ん?どうした?もう疲れて来たのか?」


「馬鹿言ってんじゃねぇよ。このまま斬り合っても時間の無駄だと判断しただけだ」


「そうか...ならどうする?」


「今から俺が出せる全力の1撃をあんたに叩き込む」


「良いねぇ!それは楽しみだ!」


【付与魔法】(エンチャント)フレイム、ボルト」


ラズルの剣を炎、雷が纏う。


「ほぅ....」


「?!」


それを見たルークは感心する様に、フランは驚愕の目で見ていた。


【炎雷竜の息吹】(ドラゴンズ・ブレス)!!」


ラズルの剣から炎と雷で出来た竜が放たれる。


「?!くっ....!」


ドゴオォォォォォォォォン!!!!!


その1撃は間違い無くルークへと直撃し、とてつもない威力の大爆発を起こし、闘技場内は巻き起こった砂埃により何も見えなくなっていた。


「な、何て威力の魔法だ...お父さんもあんなのまともに食らったら....」


そんなラズルの大技を見ていたフランが父の心配をし始めた所で砂埃は段々と晴れ始め、闘技場の様子も少しずつ見える様になってきた。


「お父さんとラズルは....?!」


砂埃も完全に晴れ、完全に闘技場の様子が完全に見える様になった時フランが目にしたものは....


ボロボロとなりもう使いものにならないラズルの剣、同じくボロボロとなってはいるがまだ余裕が残っていそうな父が刀を鞘へ()()()()()姿。


そして........












左腕を失い地面に倒れ込んでいるラズルの姿だった。


「くっ....!」


「ラズル!!!!!」


「お父さん何をしているの!!!!」


「ん?言ったろ、殺す気で行くと」


「そんな...?!」


「お父さん結界を解いて!今すぐ手当てをしないと!」


「駄目だ」


「?!何言ってるんだよ!!!」


「この勝負の決着はどちらかが死ぬか負けを認めた時のみ」


「まだどちらも条件を満たしていないだろう?」


「そして私は殺す気で行くと言った。彼が負けを認めない限り私は彼を殺すしか他ならない」


「...!ラズル!もう良いよ!僕の事なんかもうどうでも良いから早く負けを認めて!!」


「がはっ...はっ....馬鹿..言ってんじゃねぇよ.....」


「俺はな...約束は絶対に守る」


「1度お前を女として生かしてやると言った以上....俺に負けるという選択肢は無い」


「だから...お前はそこで黙って見てな」


「?!」


「その心意気、見事!!」


「私も君に敬意を払い、全力を持って仕留めよう」


「ははっ、容赦ねぇなぁ....」


「正直、ここまでやるとは思ってもいなかったよ。君を甘く見ていた」


「まさか私にここまでのダメージを与えるとはね....言うだけの事はあったよ」


「では、これで最後だ。さらばだ強き少年よ!」


ルークは最後にそう言い残すとラズルへ向けて鞘から全力で刀を抜き放つ。


「ラズルゥゥ!!!!!」


キィィィィィン!!!


「?!」


ルークは己が放った1撃を防がれたと即座に判断し、瞬時にラズルから距離を取る。次の瞬間ルークが立っていた地面が抉られていた。


「あーあ、外しちまったか」


「何だ...お前は?」


先程まで左腕を失い倒れていた筈のラズルは()()()()で立っていた。


……純白の髪のごく一部を漆黒に染めて。


「何だって...そんな化け物みたいに....」


「っ....」


ルークの額から汗が流れ始める。


「ラズル!良かった!!無事だったんだね!!」


「言ったろ?約束は守るって」


「あ、この剣もう使い物にならないな....」


「うーん、まあ力使わなければ良いか」


そう呟くとラズルは【収納箱】(アイテムボックス)から【破壊神剣デストルクシオン】…通称ルーちゃんを取り出す。


「まあ力使わなければ大丈夫だよな」


そう言いながらラズルがルーちゃんを軽く振るうと()()が切れた。


「........良し、ルーちゃん退場!」


またもや登場1分足らずで【破壊神剣デストルクシオン】は【収納箱】(アイテムボックス)へ退場していった。


今度こそ出番かと思っていたルーちゃんはまた即退場となり、剣なのに心無しか悲しそうに見えた。


「じゃあ、続きやろうか?」


「.....私の負けだ」


「は?」


「貴様の様な得体も知れない奴に敵うとは思えん。私もまだ死ぬ訳にはいかないんでね」


「なっ..!やるだけやっといて負けを認めるってずるいぞ!俺にもやらせろ!」


「お前なんぞに殴られでもしたら頭粉々になるわ!」


「ちぇ...折角楽しくなってきたのに....」


ラズルは残念そうに漆黒となった部分の髪を純白に戻す。


「勿論、私の負けは負けなのだが2つだけ聞いても良いかな?」


「ん?良い..ですよ」


ラズルは今となって敬意を払う事を思い出し、無理矢理敬語を使う。


「はは!今さら私に敬語なんて必要無いよ」


「ふぅー、なら遠慮無く」


「んで?聞きたい事って?」


「まず1つ目だが....」


「先程の力は何かね?」


「あー、あれな?あれは....そう!スキルだ!」


「成る程な...あんな圧倒的な力を感じさせられたのは初めてだよ。正直何をしても勝てる気がしなかった」


「はは...まあ俺だからな」


(あれ、この世界何でもスキルのせいにすれば何とかなるんじゃね?)


ラズルはこの世界においての最強の言い訳を見つけたのであった。


「じゃあ2つ目だ」


「君はどうしてそこまでしてフランを女として生きさせてやりたかったんだね?」


「さっきも言った通り、俺は1度した約束は絶対に守る」


「あいつは俺に女として生きたいから助けてくれっつったんだ」


「ならば、俺はその願いを叶えるまでだ」


「それに....」


「あいつは元気なのが1番。だろ?」


「..!はははっ!その為にあそこまでするか!」


「どうやらフランはとても良い友達を持ったようだな」


「.....私も親として当然あの子にはこんな道は進めさせたくは無かった...自分の道を進んで欲しかった....」


「しかし、こうするしか道は無かった」


「だが!もうあの子にこんな道を進ませる必要は無くなった!」


ルークはそう言うと結界を解き、フランを呼びつける。


「フラン、お前は今からシュバルツ家の()()だ」


「?!...お父さん..!」


「今まで辛い思いをさせて本当にすまない!父である私が娘であるお前をこんな目に合わせてしまった....」


「ううん、大丈夫だよ。お父さんがどれだけ苦しんで僕を男として生きさせるという決断をしたのか僕は知ってるから」


「大好きだよ。お父さん!」


「?!...ああ。私もだ」


フランとルークはしばらく抱き合う。


...が、直ぐ様ラズルの腕が心配となりルークから離れる。ルークは心無しか少し寂しそうであった。


「あっそうだ!ラズル腕はどうしたの?!」


「スキルだ!」


「何だスキルかぁ...」

 

「ってそれどんなスキル?!」


「スキルだ!!」


「いやでも腕が...」


「スキルだ!!!」


「うぅ、本当に無事で良かった...」


突然フランは泣き出してしまい、今度はラズルへ抱き着く。


「っとと、良かったな、これで女として生きられるぞ」


「うん!ラズルのお陰だよ。本当に..本当にありがとう!」


フランは出会ってから今までの中で1番の笑顔を浮かべ、ラズルへお礼を言う。


「おーおー、これは孫の顔を見る日も近いかもなぁ」


その言葉を聞いたフランは顔を真っ赤にさせてラズルから離れる。


「なっなな何を言ってんのさ!」


「それはそうとラズル君」


「ん?」


「君は家の戦力として他の貴族の抑えとなってくれると言ってくれたが....」


「家の何として戦力となってくれるんだい?」


「あー、フランの護衛とか?」


「成る程、それもありだが....」


「いっその事フランの夫としてどうだい?」


「お父さん?!」


フランはその言葉を聞いて驚愕の表情を浮かべる。


「悪いが俺には恋愛感情というものが分からなくてな、そんな奴に結婚する資格など無い」


「ふむ」


「............」


「まぁ、ならば時が来たらフランの護衛となって貰おう」


「ああ。任せとけ」


「そしてフラン。ちょっと来なさい」


ルークはどこか落ち込んだ様子のフランを呼ぶ。


(「ラズル君は恋愛感情が()()()()()と言ったんだ。無いとは一言も言ってないだろう?ならばお前がラズル君に恋愛感情というものを分からせてやれば良い」)


「?!....そう..だよね」


「うん!僕は諦めない!」


「?」


ラズルは父娘の秘密の会話の内容が全く分からなかったが、仲良さそうに話しているので良しとした。

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