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学園[5]

「【風刃】!!!」


「【雷刃】!」


お互いの放った風と雷の刃が衝突し、嵐の様な暴風が起こる。


「やあぁぁぁ!!!」


直ぐ様少年が斬り掛かり、ラズルがそれを受け流していく。お互いの速さはほぼ互角だった為決め手に欠けていた。


「はぁ...はぁ...やっぱり強いね....」


「そっちもな、正直ここまでとは思わなかったぞ」


「流石にお互いに疲れてきた頃だろう。次で終わりとしよう」


「ははは、お互い...ね」


「じゃあ!次が僕の全力の攻撃だ!」


すると、少年の剣を纏っていた風がどんどんと強くなっていき、闘技場内に砂嵐が巻き起こる。


それに応じる様にラズルの剣を纏う雷もバチバチとその電力を上げていく。


【暴風の一撃】(ミストラル・ワン)!!!」


【雷神の怒り】(トール・ラス)!」


お互いの最後の一撃が衝突し、雷を纏った嵐が起こる。ステージの床を抉り、あまりの風に観客席で観戦していたほとんどの者が目も開けられない状況となっていた。


しばらく経つと嵐が消え、残ったのはラズルが放った【雷神の怒り】(トール・ラス)だけであり、無慈悲にも力を使い切った少年へと向かっていく。


(ふふっ、これは完敗だな....)


ズガァァァァァン!!!!!


凄まじい音と共にやってくる衝撃波、砂埃によってステージは完全に見えなくなっていた。


(ちょっとラズルさん?!それ相手死にますよ?!)


何とか目を開けてラズルの技を見ていたクイナは相手の生存を心配していた。


砂埃が段々と薄れていき、ステージの様子が見え始めると、そこには少年を抱き抱えたラズルが原型を留めていないステージへ立っていた。


「な...何してんのさ?!」


少年は恥ずかしさから顔を赤らめ、ラズルの腕から逃れようとするが、もはや抜け出す力も残っていなかった。


「な、何で僕を助けたの?!」


「いや何でってお前...お前が死んじまったら俺が困るだろうが」


「なっ....!」


「それに、あれに当たらなくても試合はもう決着つくって分かってたしな」


「まだ!まだ僕はやれる!」


「嘘つけ、ほとんど力入って無いじゃねぇか」


「ぐぅぅぅ!」


必死に力を込めるものの、全くと言って良いほど力は入っていない。


「はぁ...諦めの悪い奴だな。負けを認めないってのか?」


「まだだ..!まだ僕はやれる!」


「仕方無い、この手は使いたく無かったんだが....」


コチョコチョコチョコチョ


「..!あはははは!辞めて!辞めてって!」


「君が負けを認めるまで、俺はくすぐるのを辞めない」


「そんっなぁ..あっ!はははは!」


先程までとてつもない戦いをしていた2人を見ていた観客達は皆ポカンとしてその光景を眺めていた。


「何やってんですかあの人は....」


その中でクイナだけは呆れていた。


「もうっ...本当に..辞めっ...!」


「負けを認めるか?」


ラズルは一旦手を止め、少年に問う。


「はぁ....はぁ....はぁ.....」


少年は顔をさらに真っ赤にさせながら息を乱していたが、良く見ると中性的な顔のせいか色っぽさが滲み出ていた。


「はぁ...はぁ...わ、分かったよ..僕の負けだ....」


「良し!」


「しょ、勝負あり!」


先程のクイナ同様に審判は若干引きながらラズルの勝利を宣言する。


観客席で観戦していた者達は皆同じ事を思っていた。


(((あいつらには関わらないでおこう)))


「あはは...負けちゃったか....」


少年はステージへ横になったまま天井を見上げなからそう呟いた。


「まぁ、仕方無いかな」


「えっとラズル...だよね?」


「ああ」


「今回は負けちゃったけど、次やる時は絶対に勝つからね!」


「おう、楽しみにしてるぜ!」


「そうだ、僕の名前はフラン、宜しくね!」


「宜しくな。早速だがフラン、歩けるか?」


「うーん、もうちょっと待たないと厳しいかな?」


「そうか」


ラズルは再びフランを抱き抱え上げると、治療班の元へと向かう。


「ちょっ!待って大丈夫!やっぱ歩ける!」


「もう逆に降ろすの面倒だからこのまま行く」


「そ、そんなぁ..」


フランは残念そうな声を上げるがどこか嬉しそうな表情をしていた。


フランの治療を終え、ラズルはフランと共にクイナの元へ戻る。


「よっ!ただいま!」


「何が「よっ!」ですか!あれを見て下さいよ!」


「ん?あれ、ステージってあんな散らかってたっけな?」


「惚けないで下さい?!」


「あれは仕方無いだろ。試合でああなっちゃったんだから」


「それは...そうですけど」


「しかもあれ俺だけのせいじゃ無いしな」


そう言ってフランを見るラズル。


「えっ?あ、あはは」


「あれ?ラズルさんの対戦相手さんじゃないですか」


「あっ、どうも僕はフラン!宜しくね!」


「私はクイナです!怪我はもう大丈夫なんですか?」


「うん。治療班の人が治療してくれたからもう大丈夫だよ!今ならもう一回ラズルと試合出来るかもね!」


「お?やるか?」


「今度は闘技場が崩れそうなので辞めて下さい....」


「それもそうだ」


「ちぇ、リベンジ出来ると思ったのに」


「それにしても次の試験の質問ってのは何なんだろうな」


「さぁ?実技試験に落ちてしまった人も受けるそうですが....」


「僕みたいに試験に落ちた人にも質問するってどういう事だろう?」


「お?案内人が出て来たぞ」


「実技試験に見事合格した方、おめでとうございます!」


「実技試験に合格した方はもう入学試験見事合格となります!」


「「「え?」」」


「そして残念ながら実技試験に落ちてしまった皆さん、これから()()()()()1つ質問をします」


「恐らく落ちてしまった方々は、また来年の入学試験で頑張ろうと張り切っている方が多い事かと思います」


「しかし、この質問に答えて見事合格した者は入学試験合格とします!」


『?!?!?!』


会場から驚愕の声が上がる。


「では、質問です」


「今、実技試験で戦って貰った相手ともう1度戦いますか?」


「なっ!」


フランは思わぬ質問に驚き、ラズルの方へ1度視線を移してから、また案内人へと視線を戻す。


「もしもう1度戦って見事勝利した場合は入学試験合格とします!」


「な、何ですかそれ?!そんなの皆受けるに決まってるじゃないですか!」


「そんなの皆受けるに決まってますよね?」


「ですがもし、再び負けてしまった場合は....」













「もう2度とこの学園へ入学出来ません」

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