学園[4]
「次!100と505前へ!」
「さーってと、次は俺だな。この試験最後の試合だから盛り上げないとな」
他の試合はもう全て終わり、次のラズルの試合が最後の試合であった。
ラズルがステージへ上がると、少し遅れて短めの青い髪に同じく青いの目を持った小柄な少年もステージへ上がって来た。
「宜しくお願いします!」
「ああ、宜しく頼む」
「あ!君はさっき筆記試験の時に凄い速さで案内人さんを助けた人!」
「おお、あの時の動きが見えたのか。こいつは手強そうだな」
「正直見えたってだけで対応出来るかはやってみなきゃ分からないけどね」
(『身体強化』と『瞬速』を使った俺の動きが見える時点でただ者じゃねぇんだけどな)
「どんな結果になったとしても、お互い全力でやろうね!」
「ああ、当然だ」
そう言うとラズルと少年は握手を交わす。
(ん?こいつ....)
「あれ、どうかしたの?」
「ん?いや、何でも無い。早速試合といこうぜ」
「?うん」
「それでは、両者準備は良いですね」
ラズルは自分の武器をまだ持っていない為、学園に貸し出しをして貰った頑丈さだけが取り柄の剣を構え、少年が構えた剣は先程のクイナの対戦相手の貴族程豪華な剣では無いものの、見ただけでしっかりと手入れが施されている事が分かる良い剣であった。
「…始め!」
合図が掛かった瞬間、ラズルと少年の姿が消え、いつの間にかステージの中央で2人は剣を交わらせていた。
「やっぱりいきなり仕掛けただけじゃ駄目か~」
「いや、正直思ってたより速くて驚いたぞ」
「うーん、本当かなぁ?」
「まぁ、ここからはスキルも使っていくからっ...ね!」
少年の動きが急に素早くなる。恐らく『身体強化』を使ったのだろうと判断し、ラズルも『身体強化』を使い応戦する。
しばらく打ち合っていると、少年はこの位は当然だといった表情でラズルを見ていた。
「まあ、あの速さで動けるならこれ位は付いて来るよね」
「まあな、結構キツいがまだいけるぜ」
「あはは、冗談キツいよ」
「ははっ、どうだろうなっ!」
「ぐっ..!」
ラズルの回し蹴りが少年の横腹に当たり、小柄な少年はステージの端まで吹き飛ばされる。
「これは....ちょっと出し惜しみしてる場合じゃないね」
「出せるもんは全部出してみせろ」
「じゃあ遠慮無く!」
「風よ我に力を与えたまえ【付与魔法】ウインド!」
そう唱えると少年が持っていた剣が風を纏う。
「うおっ!マジか!」
「ふっふっふ、これは僕が思い付いた魔法でね、剣に風の魔力を付与しているんだ!」
「この状態だと剣の切れ味は今までとは段違いだし、他にも色々な事が出来るんだよ!」
「うわぁ.....」
「この魔法を人に使ったのは君が初めてだよ」
「それじゃあ、行くy..」
「待て待て、お前の魔法も待ったんだから俺の魔法も待ってくれよ。面白いもん見せてやるからよ」
「それもそうだね。良いよ」
「いや、正直俺もちょっとショックだなぁ...俺が初めてだと思ったんだが....」
「【付与魔法】フレイム」
少年とは違い、ラズルの剣を炎が纏う。
「まさか先客が居るとはな」
「........」
少年はその光景を見て、唖然としていた。
「良し、じゃあ再開するか」
「いや、ちょっと待って?!何で君が【付与魔法】を使えてるの?!しかも今無詠唱で発動してなかった?!」
「何でって..俺もちょっと前に思い付いたからだよ。無詠唱については感覚」
「嘘、誰も出来ないと思っていたのに...しかもさりげなくとんでもない発言してるし....」
「あー、何かごめんな?」
「そ、それでもちょっと前に思い付いたのなら、僕の方が早く思い付いたって事だから発案者は僕だからね!」
「お、おう」
「もー、それじゃ始めるよ!」
「良し来い!」
「【風刃】!」
少年の剣から風の刃が飛んでくる。
「おおっ!そんな事も出来るのか!」
ラズルは自分の剣で風の刃を受ける。
ボワァァァ!!!
「熱っ!熱い熱い!」
するとラズルの剣に纏われた炎が勢い良く燃え上がり、その燃え上がった炎がラズルへと直撃した。
「この野郎!良くもやりやがったな!」
「いや..風の刃を炎で受けたらそれは燃えるよ....」
「........」
「........」
「【炎刃】!!」
ラズルは少年の技を真似て炎の刃を飛ばす。
「うわっ!危な!」
少年は当然それを躱す。
「そこはその剣で受けろよ!」
「嫌だよ?!僕も燃えちゃうじゃん!」
「うん」
「「うん」じゃないよ?!それに僕は炎を風で受けるなんて馬鹿な事しないよ!」
「あー、今馬鹿つった。あー、怒った。ラズルさんおこですよ」
「えぇ....」
すると、ラズルの剣に纏っていた炎が消える。
「【付与魔法】ボルト」
そして入れ替わる様に今度は雷が剣を纏う。
「さあ、第2ラウンドだ」
「2種類も...いや、もう驚く事無いね」
「そうだね。そろそろ終わらせるとするよ!」




