学園[1]
ラズル達は入学試験を受ける為に、〈学園エスクエラ〉へと来ていた。
「おお!でっけぇなぁ!」
「流石王都1の学園ですね!」
「試験ってどうやったら受けられるんだ?」
「えーっと、どこかに受付が...あ!ありました!あそこで受付をして中に入るみたいですね」
「早速受付と行きますか!」
ラズルとクイナは受付へ向かい、名前・年齢などの個人情報を記入し、試験を受ける為に中へ入る。
中へ入ると、広場の様な所に沢山の人が集まっていた。この学園は2部に別れており、1部は10歳から14歳までの成人未満の子供達が通う。2部は15歳から20歳までの成人を越えた者が通っている。
ラズルとクイナは成人なので、試験に合格すれば2部へ通う事となる。
しばらく待っていると、突然台の上に若い男が現れ、試験についての説明を始めた。
「ようこそ、〈学園エスクエラ〉へ、これから入学試験についての説明を行う」
?!?!
会場から驚きの声が上がるが、直ぐ様説明を聞く為に静まる。
「今から君達には入学試験を受けて貰う」
「試験内容は3つ。まず筆記試験、次に実技試験、最後に1つ質問を受けて貰う」
「まずは筆記試験についてだが、これはただ知識を確かめるだけのものだ。点数が合格点を越えなかった場合はその時点で不合格とする」
「次に実技試験、これはこちらがランダムで選んだ受験者同士で戦って貰う」
「だがもし、その試合で負けたとしたら....」
「即刻不合格とする」
『?!?!?!』
試験会場に居た受験者のほとんどが取り乱す。
「何、勝てば良いだけだ。簡単な事だろう?」
「そして最後に質問だが....これはこの場では一切の説明をしない」
「まぁ、精々頑張ってくれたまえ」
そう言い残すと男は姿を消した。
会場はまだざわついているが、ラズルは落ち着いていた。例え負けたら不合格だとしてもラズルには負ける気などさらさら無いのだ。
(この程度で取り乱す奴等は大したことねぇな)
「ラ、ラズルさん?!どうしましょう負けたら不合格ですって!」
(....取り乱してる奴等も一応警戒しておくか)
「馬鹿野郎、さっきの奴も言ってたろ。勝てば良いだけだって」
「で、でもラズルさんみたいな人と当たったら絶対不合格じゃないですか?!」
「大丈夫だ、自覚は無いかもしれないがお前もかなり強くなっている。そう簡単には負けないだろう」
「ラズルさんがそう言うなら....」
「正直俺は筆記の方が心配だがな」
「ラズルさん何も知りませんもんね」
「うるせぇ」
「ラズルさんだけ筆記試験の時点で落ちるとか辞めて下さいよ?!」
「大丈夫だ。少なくとも俺は落ちる事は無い」
「?何だか凄い自信ですね」
「おう、俺は絶対に大丈夫だからお前は自分の心配をしてろ」
「わ、分かりました!」
「受験者の方はこちらへ来て下さーい」
どうやら案内の人が来た様で、受験者はぞろぞろ案内人へ付いていく。
受験者全員が入る広い部屋へと連れてこられ、それぞれ指定された席へと座っていく。
「んじゃ、頑張れよ」
「はい!ラズルさんも頑張って下さい!」
ラズルとクイナもそれぞれ指定された席へと座る。
ネラはラズルの使い魔となった事により、召喚したい時は自由に出来て、それ以外の時は使い魔専用の異空間へと入る事が出来る様になったので、今は異空間へと入って貰っている。
「それでは、筆記試験の制限時間は1時間です。」
「全ての問題が基本的な問題ではありますが、最後の問題だけ傾向が違っておりますがお気になさらず」
「カンニングなどの不正行為が発覚した場合、即刻不合格となりますのでお気を付けて下さい」
そこまで説明を終えると案内人のお姉さんは満面の笑みではあるものの、どこか見るものを畏怖させる顔でこう言った。
「バレないなどと思わない方が身の為ですよ?」
そう考えていた受験者はその笑顔を見ると不正行為をする気は無くなった様だ。
「それでは....筆記試験、開始!」
開始の合図が掛かると同時に受験者は一斉に紙をめくり、問題を解き始める。
問題は最初の説明通り基本的な知識を問われるものだった。
(うーん、さっぱり分からん)
ラズルはこの世界に来てまだ間もない為、基本的な知識といえども分からない事だらけだ。
(まぁ、なんとなくこうなることは分かってたがな)
(これは仕方無いな)
「【千里眼】」
ラズルの神力の力による技の1つで、その名の通りただ遠くを見る事が出来るだけの技だ。
(おーおー、良く見える)
ラズルが見ている物は当然他の受験者の回答である。全て受験者の回答を一通り見て、その中から正解だと思うものを解答欄へと書き進めていった。
試験会場には何人もの監督が居るが、当然ラズルのそんな出鱈目なカンニングに気付く者など1人も居なかった。
書き写していくと、気付いた時には最後の問題まで来ていた。
(....ん?)
【千里眼】で見るものの、未だに解答している者は居なかった。
(まぁ、最後は問題の傾向が違うって言ってたし難しいのかもな)
(....最後位自分で解いてみるか)
ラズルは【千里眼】を解除し、問題へと目を通す。
「どれどれ....ん?何だこれ簡単じゃねぇか」




