王都[6]
これから毎日0時に1本投稿する事に決まりました!時間の都合上投稿されなかったり、短かったりする事もあるかもしれませんが、そこはご了承して下されば幸いです。今後とも宜しくお願い致します!m(_ _)m
ラズルとクイナはしばらく言い争いをしていた。
「ラズルさんはいつもそうです!私をいっつもからかって!」
「失敬な!俺はお前をからかった事なんて一度も無いぞ」
「?!クイナ!後ろに何か居るぞ!」
「ふぇっ?!どこです?!」
クイナは直ぐ様後ろを振り向くが、何も見えなかった為、またラズルの方を向く。
プニッ
振り向くとラズルの指がクイナの頬へと刺さっていた
「はい、引っ掛かった~」
「ラズルさん!!」
クイナは恥ずかしさと多少の怒りから顔を赤くさせラズルへと迫る。
「ははは、お前は本当にからかいがいがあるな」
「そんな事言われても嬉しくありません!」
「まぁそう言うなっ....て」
「クイナ後ろぉぉぉ!!」
「ラズルさん...流石に同じ手には掛かりませんよ」
「いや、今度はマジ!マジだって!」
「はっ、もうネタ切れですかって....え?」
クイナがまた後ろを振り向くと、そこには先程振り向いた際には居なかったゴブリンの群れが居た。……何故かまた全員全裸で。
「いや、何のホラーですかぁぁぁ?!?!」
「ダッシュ!これはある意味勝てる気がしねぇ!」
ラズルとクイナはこれまでで一番の走りを見せつけ、ゴブリンの群れから逃げる。
ラズル達は何とかゴブリン達を振り切る事が出来た。
「はぁ..はぁ...あれは本気でヤバかった....」
「はぁ..はぁ...今まで16年生きてきた中でも1、2位を争う程の危機でしたよ....」
「ちょっとあれは精神的にくるな..まさかこの俺に精神攻撃出来る奴が存在するとは...ゴブリンめ中々にやりおる」
ラズルは先程の光景を思い出し、身体を震えさせる。
「それにしても、何でここのゴブリンは全員全裸なんでしょうか...」
「....お陰で今日だけで何回もアレを見せつけられましたよ」
「今日は良い夢見られそうだな」
「辞めてください?!」
「あと薬草8本とゴブリン6体どうするよ?」
「正直薬草採取はまだ良いとして、ここのゴブリン討伐はやりたく無いのですが...」
「いや、依頼なんだから仕方無いだろ。初めての依頼が失敗とか格好つかねぇし」
「じゃあ、私は残りの薬草採取しとくんで、ゴブリン討伐はラズルさんがやって下さいよー」
「私あんなもん見せられたらろくに戦えませんし」
「えぇー...俺があいつらの相手すんの?」
「ラズルさんは男なんですからまだましじゃないですか」
「はぁ...こればっかりは仕方無ぇ。じゃあゴブリンは俺が片付けるから、お前は残りの薬草しっかり取ってこい」
「はい、またここで合流しましょう!頑張って下さいね!」
そう言い残すと、クイナは森の奥の方へと走って行った。
「ったく、随分と他人事だな」
ラズルは【捜索】を使い、残り6体のゴブリンを探す。
「ん、8体か。少し多いがまぁ良いだろ」
ラズルもゴブリンの元へと走る。
「うん、知ってた」
当然の如くゴブリン達は全裸であった。8本のブツがブラブラと揺れていて、決して見ていて気持ちの良い光景では無い。
「あれが薬草だったら丁度良いんだがなぁ」
そんな下らない事を呟きつつ、ラズルは魔法の用意をする。わざわざ魔力を使う魔法を使うのは当然近付きたく無いからである。
「火だと燃え移ったら面倒だな...良し」
「【雷槍】」
ラズルの頭上に雷で出来た槍が8本出現する。それらは的確にゴブリンの心臓部を貫いていき、一撃で8体のゴブリンは息絶える。
「おー、成る程な、同時に展開する事も可能か」
ラズルは倒した8体のゴブリンから右耳を剥ぎ取る。
「良し!これでゴブリン討伐の依頼は達成っと」
「クイナの奴ちゃんと薬草取って来んだろうなぁ...」
ラズルはクイナがしっかりと薬草を8本取って来られるかだけが心配であった。
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「ふぅ...これで7本目っと!」
「あと1本は....」
「おっ!少し離れた所に発見!そんな所に隠れても私の目は誤魔化せませんよ!」
「これで8本目です!」
「ふっふっふ、見事薬草採取の依頼達成してしまいましたね」
「ラズルさんの事だからゴブリンは心配要りませんね」
「....寧ろ私が心配されてそうですね」
「まぁ、ラズルさんにちゃんと薬草を見せ付けて、私に心配なんて要らなかったって事を教えてやります!」
「ん?まだ薬草がありますね...」
「まぁ、これ以上は要らないですし早くラズルに見せに行きましょう!」
クイナはラズルに薬草を見せる事が楽しみで急いで先程別れた場所へと戻る。
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「お、やっと来たか」
「お待たせしました!」
「その様子だとちゃんと薬草は取れたみたいだな。正直心配してたんだがな」
「当然です!この程度の事心配無用です!」
「俺も少し多いがゴブリン8体狩ってきたからこれで依頼達成だな」
ラズルは【収納箱】ゴブリンの右耳を12個と、最初に取った薬草12本を取り出し並べる。
「私は8本ぴったり取って来たので薬草は20本ですね」
クイナも【収納袋】から薬草を7本取り出す。
「クイナさんや、生憎俺の目には7本しか見えんのだが?」
「え!どうしましょう!」
クイナは少しだけニヤけながらわざとらしく言う。当然こういう事には敏感なラズルはその事に気付いている。
「ああもう、絶対何かやらかすと思ってたよ!」
「ふっふっふ、騙されましたねラズルさん!実はまだもう1本あるんですよ!」
「な、何だってぇ!!」
ラズルもわざとらしく言う。当然クイナは気付いていない。
「ほらっ!」
ドヤ顔で薬草を取り出すクイナ。しかし、ラズルは何となく分かってしまっていた。
クイナが取り出した1本は確かに薬草に見える。普通だったら見分けが付かない程激似している為、薬草に詳しく無いラズルが分かるはずも無いのだが、念のため薬草を対象に【捜索】をしてみると見事に反応しなかったのだ。
「はぁ...本当にお前って奴は....」
「褒めてくれても良いんですよ!」
「馬鹿野郎っ!」
「へ?」
「これは薬草じゃねぇ!ただ薬草に似ているだけの雑草だ!」
「ええっ?!そんなはず無いですよ」
「お前これちゃんと他の薬草が生えてた所に一緒に生えてたか?」
「........」
「うん分かった!もう何も言うな」
「うぅ...ごめんなさい....」
「まぁ、俺も薬草採取も出来ないのかと言いたい所ではあるが、これは流石に見分けが付かないのも分かる」
「ラズルさん...!」
「まぁ、仮に近くに薬草がまだ生えていたのだとしたら念のため余分に取って来ないのはただの馬鹿だか、流石にそんな事はしてないだろうしな」
「....アタリマエジャナイデスカ」
「あと1本どうしたもんか...」
「キュイィィ!!」
「うおっ!おかえりネラ、いっぱい遊べたか?」
「キュイ!」
「ん?何だこれ」
ネラは口に咥えていた何かをラズルへと渡す。
「ってこれ薬草じゃねぇか?!」
「キュイ!」
「褒めて!」と言わんばかりにラズルに甘えるネラ。
「でかしたぞネラ!流石俺の使い魔!どっかの狐娘とは違うな!」
「キュウゥゥ♪」
ネラはラズルに撫で回され、嬉しそうな声を上げる。
「私も頑張ったのに....」
「キュッ」
ネラはクイナにドヤ顔をかましながら鼻で笑う。
「?!...この子ドラゴン今私の事鼻で笑いましたね?!」
「例え子供だろうと容赦しませんよ!」
「キュウゥ...」
ネラはラズルに助けを求めるかの様に胸へとすり寄る。
「なっ!卑怯ですよ!」
「何やってんだお前らは....」
「取り敢えずこれで依頼は達成なんだからギルドに戻って報告するぞ」
「ぐぬぬ...覚えといて下さい!」
「キュウ!」
冒険者ギルドへと戻る道中、クイナとネラはお互いに睨み合いながら挑発をし合っていた。




