王都[3]
「クイナ...お前....」
「そっ、そんな可哀想な人を見るみたいな目で見ないで下さい!」
「こ、これは凄い闘力ですね。武力と魔力の差を見ると近接戦が得意なのが凄く伝わってくる数値です」
「獣人だからです!獣人だから仕方ないんです!」
「失礼ですが、クイナさんは狐族でしょうか?」
「はい、そうですが..それが何か?」
「...狐族は獣人の中でも魔力が高くなる珍しい種族でして、少なくとも武力と同等以上になる筈なのですが....」
「クイナ...お前....」
「えぇ?!な、何で私はこんな武力に偏ってるんですか!」
「恐らく生活環境が一番の原因かと」
他の狐族は親から魔法の使い方を教わり、幼少の時から魔力を使い狩りを行う為魔力が高くなるのだが、クイナは魔法を教えてくれる人が居なかった為、近接戦のみで狩りを行っていたので魔力が上がらず武力のみが上がっていった。
「心当たりあるんだな」
「...はい」
「いや、でも別に武力が高くても悪いって訳では全然無いから良いだろ?」
「ラズルさん...!」
「ただ脳筋ってだけだ」
「なっ!それならラズルさんだって十分に脳筋だったじゃないですか!」
「まぁ見とけって、次は俺がやる」
ラズルもクイナ同様水晶へ手をかざし、闘力が浮かび上がってくる。
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『ラズル』種族…『人間』
闘力…6570
武力…4230 魔力…2340
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「おっ!魔力もかなり上がったし、バランスも中々だな」
「ラ、ラズルさんが比較的脳筋じゃなくなってる?!」
「これは...!何という闘力....」
「そういえば、これはスキルは出ないのか?」
「....はっ!えっと、はい、スキルはあまり人に知られたくないという方が多いのでスキルは確認しません」
「そうか、じゃあこれで終わりか?」
「いえ、最後にお名前、年齢、種族などの軽い個人情報をこの紙に記入して頂いて終了です」
「分かった」
「脳筋...私が脳筋....」
ラズルとクイナは個人情報を記入し、受付の女性へと渡す。
個人情報の記入欄に使い魔を書く欄があったのでドラゴンと書いた所、案の定驚かれてしばらく落ち着くのを待った。
「し、失礼致しました。これが冒険者カードです。無くされた場合にはもう一度最初から冒険者登録を行って貰いますのでくれぐれも無くさない様にお願いします」
ラズル達はFと書かれたカードを受け取る。
「このFってのは何かの目安か?」
「はっ!すみません、説明するのを忘れていました...」
どうやら本当に忘れていた様で、申し訳無さそうに頭を下げる。
「ごめんなさい...まだ慣れてなくて....」
色々と衝撃的な事が多かったというのと、受付がまだ新人だったというのも忘れてしまった理由の1つであった。
「良いよ良いよ、誰にだってミスはあるさ」
「あ、ありがとうございます!」
「....ごほん、では改めてご説明させて頂きます」
受付の女性の話によると冒険者のランクは7段階あり、下から順にF、E、D、C、B、A、Sとなっている。
依頼をこなしていきギルドマスターが昇格しても良いと判断した場合に昇格試験が行われ、それに見事合格出来ればランクが上がるとの事。
依頼は1ランク上までなら受ける事ができ、依頼を連続で3回失敗するか、何か問題を起こした場合、ギルドマスターの判断でランクが下がったり、酷い時は冒険者カードを剥奪される。
「一先ずはこんな所です。何かご質問がありましたらどうぞ」
「ギルドで色々と対応して貰う時って受付を指名とかって出来るのか?」
「はい、指名する受付が了承すれば出来ます」
「そっか、じゃあ姉ちゃん俺らの対応頼めるか?」
「....ふぇ?」
あまりにも突然なラズルの発言により、変な声が漏れてしまう。
「いや、だからこれからの対応を頼めるか?勿論無理なら構わない」
「いえ!是非っ!是非ともお願いします!」
「そうか、宜しくな!」
「紹介が遅れたな、俺はラズル。こいつは俺の使い魔のネラだ」
「キュウ!」
ネラがラズルの服の中から出てきて挨拶をする。
「私はクイナです。これから宜しくお願いします!」
「私はリタと申しましゅ!まだまだ未熟ですが、精一杯頑張りますのでこれから宜しくお願いします!」
ラズルもクイナも盛大に噛んだ事に気が付いてはいたが、ここらスルーしてあげるのが優しさであると2人は黙っていた。
「宜しくなリタ!」
「は、はい!」
リタはラズルの笑顔に完全にやられてしまっており、それを横で頬を膨らませながら見るクイナ。当然ラズルは両方気付いていない。
「じゃあ早速何か依頼をっと...!」
ラズルが依頼が貼ってある掲示板へと進もうとすると、先程までずっと酒を飲んでいたおっさんの内の1人がラズル達へと近付いてきた。




