王都[2]
冒険者ギルドがあるという方へ歩いていると、〈冒険者ギルド〉と書かれた看板が飾ってある分かりやすい建物を見つけた。
「絶対ここだな。逆にここじゃなかったらクレームもんだ」
「意外と綺麗な建物ですね。もっとヤバいのを想像してましたよ」
「取り敢えず中へ入るか」
扉を開けるとそこには酒の匂いが漂い、見渡す限りおっさんで埋め尽くされていた。昼間から酒を浴びるほど飲んでいる様で顔を真っ赤して騒いでいる。
今までの王都の雰囲気と打って変わり、どこかの魔界に来てしまったのかと錯覚させる程のおぞましい光景が広がっていた。
ラズルは何事も無かったかの様にゆっくりと扉を閉める。
「ここじゃないみたいだな、後でクレームを入れておこう」
「入りたくない気持ちは分かりますが現実を見て下さい」
「....行くの?」
「そもそもラズルさんが行きたいって言ったんじゃないですか!」
「いや、気が変わった。他のもっと綺麗な所回ろうぜ」
「段々お金も無くなってきたんですから、どの道お金を稼がなくちゃなんですよ」
「さっ、諦めて入りますよ!」
「えぇ...」
クイナに手を引かれ、もう一度扉を開け中に入らされるラズル。一度こちらに視線が集まるが、おっさん達は直ぐに興味を無くして再び酒を飲み始める。
「受付は...あそこですね」
受付には20代程の綺麗な黒髪に黒目を持つ若い女性が立っていた。
「良かったぁ、受付の人はまともな人みたいだな」
「じゃあ早速冒険者登録しちゃいましょうか」
「すみません、冒険者登録をしたいのですが」
「ん?あー、ごめんね!冒険者は成人になってからなの。もう少し大きくなってからまた来てね!」
「なっ?!私はもう成人です!」
「え?ええっと...」
「受付さん...分かるぜ、どう見ても成人には見えんよな」
「ただ、生憎本当に成人みたいだから登録させてやってくれ。あ、俺も頼むぜ」
「あ....はい、かしこまりました」
受付の女性はラズルの人間とは思えない程の整った顔を見て顔を赤くさせる。
「むうぅ...」
「何むくれてんだよ。間違えられても仕方ないって」
「それもありますが...何でもないです!」
「何怒ってんだか....姉ちゃん、冒険者登録とやらはどうやんだ?」
「は、はい!まずはこの水晶に手をかざして頂いて、犯罪履歴を拝見させて貰います」
お姉さんが出したのは門で見た物と同じ水晶だった。どうやら犯罪を犯したかを確認するための道具のようだ。
ラズルとクイナは水晶に手をかざすが当然門での時と同じ反応である。
「はい、大丈夫ですね」
「これってどうなったら駄目なんだ?」
「はい、この水晶は犯罪を犯した者が手をかざすと赤く光ります。犯罪を犯していない者が手をかざすと白く光るんです」
「成る程な、でもここに来る前に人殺してきたんだがそれは大丈夫なのか?」
「それは正当防衛、もしくはその方達が犯罪者だったという事なので水晶は反応しません」
「そうか、ありがとな」
ラズルに面と向かってお礼を言われ照れる受付の受付。
「っ!つ、次は闘力を調べさせて頂きます」
そう言うとこれまた別の水晶を持って来た。
(この世界の水晶優秀!)
「今度はこちらの水晶に手をかざして頂きしばらくお待ち下さい」
「あ、じゃあ先私やりますね」
クイナが水晶に手をかざし、しばらく待つとクイナの闘力が浮かび上がってきた。
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『クイナ』種族…『獣人』
闘力…3620
武力…3310 魔力…310
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「........」
「........」
「........」
受付のお姉さんは純粋に闘力の高さに驚いて声が出なかった。
クイナは前に見た時よりもかなり闘力が上がっていたので驚いて声が出なかった。
ラズルは....
クイナの脳筋がさらに増している事に驚いて声が出なかった。




