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本性[6]

「大体1時間位だな」


「あんれ?思ってたより寝てねぇだなぁ」


「じゃあ永眠でもしてみるか?」


「ははは!相変わらずラズルゥはおらの扱いが酷ぇなぁ!ま、最近は他の皆もだけんどな!」


「「はっはっは!!」」


(こ、これが本性を表す呪いの仮面!なんて面白....恐ろしい仮面...!)


(被ったのがグラウィスで良かった...!!)


(あらあら、グラウィス君も随分と分厚い仮面を被ってたものですね)


(あれを被っても何も変わらない妹は一体....)


(さっき何か気になってた気がするけど何だっけ~?)


「まぁ取り敢えず仮面の効果はこんな感じだ」


「これをラズルさんが持ってると思うと恐ろし過ぎますね....」


「いやいや、流石の俺も勝手に付けたりはしねぇって」


「目の前に被害者が居るのですが?!」


「実験に犠牲はつきものなんだろ?」


「うっ...!と、とにかくここままだと流石のグラウィスさんでも可哀想なのでもう外してあげましょうよ!」


「本当はもう少しこのままにしたいが仕方ないな」


「?....あっ!」


グラウィス(本性)は目の前で行われてる会話が理解出来なかったが、そんな事は気にせずに何かを思い出したのかポンと手を叩いた。


「そういや皆に言いてぇ事があったんだけんど、今度の職場た....」


「ほいっ」


グラウィスが何かを話そうとした瞬間、ラズルが仮面を取った事により仮面を付ける前の状態となる。


「ぃ......」












ドサッ…


よって再び意識が無くなる。


「もの凄い罪悪感の残る外し方しましたね?!」


「お前最後なんて言い掛けたんだ?!倒れるのは構わないが最後まで言ってから倒れろやぁぁぁ!!」


「ラズルさんストップ!もう休ませてあげて下さい!ってちょっと皆さんも笑ってないで止めて下さいよぉぉぉ?!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「はぁ..はぁ...私達よりあの2人の方がよっぽど盛り上がる戦いを繰り広げてるわよ」


「あはは!でも皆はちゃんと僕達を見てくれてるよ?いやぁ、最初の自己紹介が嘘の様だなぁ....」


「はっ...!随分と余裕そうじゃない!」


1時間も戦い続け、身体能力では圧倒的に勝っているレギナは既に息が上がっていたが、対するランヴェは多少汗をかいている程度であった。


「いや?僕ももう倒れそうだよ」


「だったら早く倒れなさい....よっ!」


レギナの細剣によるスピード重視の攻撃はランヴェに最小の動きで全て躱されているが、そんなランヴェは攻撃する様子が一切無かった。


「そうはいかないよ。僕だって勝ちたいし!」


「っ....!じゃあ何で攻撃して来ないの?!私が王女だから?!」


「勝ちたい」。その言葉に疑問を持ったレギナは攻撃を1度中断すると、身体を震わせながら声を上げた。


「....ふふっ、違うよ」


そんなレギナを見たランヴェは一瞬目を見開いたが、軽い笑みをこぼすと構えを解いてゆっくりとレギナへ歩み始めた。


「じゃあ何で?!言ってみなさいよ!!」


「そんなのレギナが()()()だからだよ。僕は女の子には絶対に手を上げない!!」


「なっ....//」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


レギナは今まで何処へ行こうと家族以外には『第3王女』として見られて来た。それは大人であろうと同い年の子供であろうと同じであり、関わる者は皆自分の機嫌を損ねない様に常に顔色を伺って来るが、()()()()()()は1度たりとも無い。


そんなレギナは学園に入れば自分を見てくれる人が1人は居るのではないかと多少の希望を抱いていたが、そんな希望は学園の門をくぐって直ぐに打ち砕かれた。


「それで昨日ね!」


「ちょ、ちょっと待ってあそこ!」


今の今まで仲良く話していた生徒は、自分の姿を見るなり即座に会話を中断して頭を下げて来た。


(......でしょうね)


そんな光景を見たレギナは一刻も早くその場を離れる為、周りの視線を集めながら1人で教室へ向かおうとすると....












「ねぇねぇ、君名前なんていうの?!」


1人の男子生徒が話し掛けて来た。


「..........」


「ちょっと待ってって!」


「....え、私?」


「いやいや、君以外周りに誰も居ないでしょ....あれ?でも何か凄い見られてる」


「......誰も()()()()わよ」


「え、どういう事?...まぁ良いや!実は僕誰も知り合い居なくってさ、君も何だか1人っぽかったから仲良くなりたいなって!」


(この男は何が目的なの....?まぁ、何だって良いわ)


「そう、取り敢えず知らない様だから教えてあげるわ。私の名前はレギナ・バシレウス。じゃあね」


「え?!名字があるって事は貴族なんだ!..ってか何で何処か行こうとするの?!」


「....ふぇ?」


自分の名前を聞いても尚引き下らず、それどころか教室へ向かおうとする自身の手を引っ張っるという想定外の行動を取られ、レギナは思わず変な声が上げてしまう。


「......ぷっ、あはは!何今の変な声?!貴族の人ってもっと怖いイメージだったけど、少なくともレギナは大丈夫そうだ!」


「....っっ!!!」


それが今まで夢見て来た、初めて自分を見てくれた人との出会いであった。

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