本性[5]
「さ、流石にそんな状態のグラウィスさんにそんな危なそうな物を被せるのは....」
「じゃあグラウィスの代わりに自分で付けてみるか?」
「あっ、それは遠慮しておきます」
グラウィスの身の安全は多少心配ではあったが、自分の身の安全には到底敵わなかった。
「それって呪いの仮面なんだよね?て事は何か悪い事が起きるの?」
「いや?別に死ぬ訳でもないしそんな危ないもんじゃないぞ」
「じゃあ僕が付けてみるよ!そんな放心状態のグラウィスに勝手にそんなの付けるだなんて僕には出来ないからね!」
「良し!じゃあじっとしてろよ?ただちょっと本性をさらけ出して自分の身体が制御出来なくなって付けてる間の記憶が曖昧になるだけだからさ!」
「あっ、やっぱ僕も遠慮しておくよ」
「となると次は....」
クイナに続きフランまでもがグラウィスよりも自分の身の安全、そして仮面の効果への好奇心が勝ったと証明された中、ラズルが次に目を向けたのはアリアであった。
「本性をさらけ出す....ですか、ちょっと前の私には必要な物でしたが、もう私に仮面は必要ないので是非グラウィス君に付けてあげましょう」
「流石アリアさん迷う素振りも見せない。因みにララとロロは?」
「私は別に良いよ?自分で付けるのは嫌だけどどんな物かは気になるし!」
ラズルは勿論の事、信じていた女子陣でさえ誰も自分の身を案じてくれないという扱いの酷さ。これには放心状態であるグラウィスの目元も心なしか湿っている。
「勿論ロロも良いよな?!じゃあ早速付け....!」
「面白そうだから私が付けても良い~?」
「ここは流れに乗れよ?!一応お前らを同罪にする為に許可取ってるだけであって、俺はもう早く付けたくて仕方ねぇんだって!」
「私達を巻き込まないで下さいよ?!」
「じゃあ付けなくて良いのか?」
「......実験に多少の犠牲はつきものです」
「良し!じゃあ改めて....ってあれー?ロロさんいつの間に取ったんですかね?」
「装着~!!」
「「「「「っっ......!!」」」」」
この中で1番何を考えているのか分からないロロが本性をさらけ出させるという仮面被り、どんな感じになるのか想像も付かない出来事に全員の目が釘付けとなった。
「ううっ...!」
しかし、仮面を付けた途端ロロは頭を抱えて苦しみ始めた。
「ロロさん大丈夫ですか?!」
「は、早くそれ取った方が良いよ!!」
「その仮面を直ぐにグラウィス君に移して下さい!!」
「ロロ?!ねぇどうしたの?!」
「ラ...ラズル....」
「ど、どうした?!まさか他に俺の知らない効果が....?!」
「やっぱ気になるんだけどさっき言ってたうん....」
「何か色々な意味で安心したわ」
何を言いたいのか即座に察したラズルはロロから仮面を剥ぎ取り、改めて危険な物ではないと確認出来ると躊躇なくグラウィスに取り付けた。
「っっ....!!」
仮面を取り付けられたグラウィスは、ハッと目を覚ますと身体を起こし辺りを見渡した。
「ラズルゥ、おらどれくれぇ寝てただ?」




