本性[4]
ラズルから逃げて来た5人は、先程座っていた場所とはほぼ真逆の位置で試合を観戦していた。
「ラズルの担当の子凄いね!もう1時間位ずっと避けてるよ!」
「確かにあの子も凄い身のこなしですが、1時間攻撃を仕掛けられるレギナ様も凄い体力ですね」
「そう言えば私達逃げて来ちゃったけどラズル大丈夫だったのかな?」
「さっきの面白かったな~。突然大声でうん....」
「こらこら、こんな公の場所でそんな下品な事言っちゃ駄目だろ」
ガウが諦めて何処かへ消えるまで【気配遮断】を使いずっと5人の背後に居たラズルが姿を現した。
「あっラズル無事だったんだ!それよりもあの子一体どうやっ....」
「ラズルさん一体何したんですか?!」
フランがランヴェをどうやって鍛え上げたのか聞こうとすると、ずっと2人の試合を黙って見ていたクイナが真っ先に食い付いて来た。
「何って見りゃ分かんだろ?相手の攻撃を避けるコツを(ルーちゃんが)教えてやったんだよ」
「攻撃を避けるコツ....ですか」
「何それ気になる!」
「え~、私はそれよりもさっきのうん....」
「ロロさんそれは一旦水に流して下さい!それよりもそのコツって何なんですか?!いくら何でもアレはおかしいですよ!」
「あー、この中だとそうだな....例えばフランは相手が攻撃を仕掛け来て避けるとしたらどうする?」
「どうするってそんなの普通に攻撃の軌道を見て避けるよ。勿論武器の形状とかフェイントとかの事もあるから良く見てないとね!」
「まぁ殆どがそうだろうな。でもクイナはちょっと違うだろ?」
「確かに私は見て避けるというよりも何かこう..."来る!"って時に避けてますけど....」
((((何その達人の業))))
「だろ?ランヴェもそれと似たようなもんだよ」
「で、でもあれはいくら何でも反応が早過ぎますって!まるで予知じゃないですか?!」
「ちょっとお2人共私達にも分かる様に説明して貰えませんか?」
「そうだよ!僕達全然付いていけてないよ?!」
2人が何を言っているのか良く分からなかったアリアとフランはラズルへと詰め寄るが、当の本人は困った様に頭を掻いていた。
「つっても言葉で説明するの難しいんだよなぁ....じゃあ簡単に説明するとだな」
「さっき言ってたフランの避け方は順番で言うと『見て予測する』、『避け方を考える』、『実行する』っていう流れなんだが....これだと時間が掛かるんだよ。それでもお前らは反射神経と身体能力でごり押してるけどな」
「そんでクイナの避け方は相手が攻撃を仕掛ける際に発する気配を感じて避ける方法。この場合『避け方を考える』、『実行する』っていうさっきより短い流れな訳だ」
「な、成る程。何か凄そうですね....!」
「ねぇねぇ!それって僕達も出来るの?!」
「これはやろうと思って出来るもんじゃないんだが、要するに勘みたいなもんだからお前らも相手の攻撃を受けまくればその内出来ると思うぞ」
「じゃあ明日から特訓付き合ってよ!」
「では私もお願いします」
「じゃあ私も~」
「ん?え?じゃあ私も」
「あっ、じゃあ私も...ってその前にあの子の説明して下さい!」
「いやいや、この話の流れで察しろよ」
「......え?という事はまさか...!!」
「そうだ、あいつのコマンドは1つだけ....」
「『実行する』。以上!」
「本当にあの子どんな特訓したんですか?!」
「1ヶ月間ルーちゃんに攻撃されただけ」
「親御さん学園に乗り込んで来ますよ?!」
「後はこれを使って弱気になってたあいつを元に戻した位だな」
そう言うとラズルは【収納箱】から呪いの仮面を取り出した。
「あっ、それってあのお店で買った仮面じゃないですか?」
「いやー、実はこれの効果が気になって使ってみたらランヴェにピッタリだったんだよ」
「...あれ?それ確か呪いの仮面じゃ....」
「呪いの仮面?それ被ると何かあるの?」
「まぁ待て待て、説明するより見た方が早いだろうと思ったから....」
「取り敢えずグラウィス連れて来た」




