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変化[5]

「....ん?ちょっと待って下さい無傷って何ですか無傷って」


「いや、ルーちゃんの訓練をさせた奴の中で今まで無傷で帰って来た奴なんて居なかったから....」


「僕にそんな危険なものやらせようとしたんですか?!」


「まぁまぁ無事に帰って来たんだから良いじゃねぇか!後一応確認なんだが...お前どんな訓練して来た?」


その質問を聞いたランヴェの表情は再び曇り始めたが、その表情は先程までの卑屈なものではなく、どこか疑念を抱いているものであった。


「えっと...実は何故か最初の方の記憶は無くて、記憶がある時にはもうルー先生に「もう良いです。後は適当に筋トレでもしておいて下さい」って言われてて...これってやっぱ僕なんかじゃ駄目だったって事なんですかね....?」


(いや良く最初の方だけで済んだな...普通神ですら頭おかしくなって全部忘れるか、忘れたくても忘れられなくて毎晩(うな)されるかのどっちかなんだが....確かにこりゃある意味()()だな)


「ははっ、それにしてもお前ほとんど記憶無い癖にあんな目に遭っただとか、あれだけやっても駄目だったとか言ってんのか!」


「それはほとんど何も覚えてなくて不安だったからそれっぽい事言ったんですよ...現に1ヶ月も訓練した筈なのに闘力全然上がってないですし....」


「そう心配するな、ルーちゃんに任せた訓練は闘力を上げるものじゃねぇ。あいつをぶちのめす為のものだ」


「でも....」


ラズルはそれでも尚自分を信じようとしないランヴェの頭にそっと手を置き、目線をしっかりと合わせて優しく微笑みながら、そしてランヴェを励ます様に力強く言葉を掛けた....












「"良いからさっさとあの糞ガキぶちのめしに行くぞ"」


「分っかりましたぁ!!」


「良し!じゃあ早く行くぞ!」


「あっ!ラズル先輩!」


改めて向かおうとした瞬間に呼び止められ、また何か言い出すのではないかとひやひやしながら振り返った。


「......どうした?」


「え、えっと...もう1度だけ聞きたくて....」


「僕は強く...いや、何か()()()()()()()?!」


「はぁ...お前もしつこいな。何度も言ってんだろうが、あの3人の中で1番変わったのはお前だ。次また同じ様なこと言ったらぶん殴るぞ?」


「っ....はい!分かりました!」


ランヴェはラズルの答えを聞いて1度目を見る為視線を上へ向けようとしたが、もはやそれが本気かどうかなど確認するまでもなく、口元を緩ませながら前を向いた。












「そう言えば筋トレしたって事は武力が少しは上がったんじゃないか?」


「いえ!魔力が1だけ上がってました!」


「お前の身体どうなってんだよ...え?という事は....まさか闘力が351になったって事か?」


「はい!」


「そんな中途半端な数値になる事あんのかよ?!」


こうして無事にラズルのランヴェのイメージが350(雑魚男)から351(雑魚い)へと変化したのであった。

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