訓練[8]
「......うん、もう説明する気も無いからこの話はもう終わったという事にしてくれ。龍夜の事は本当にもう解決したから気にすんな。ついでに虎日にもちゃんと説明しといたから」
「わ、分かりました」
今までどんな事があっても楽観的であったラズルの心底面倒そうな表情を見たランヴェは、これ以上踏み込んではいけないと思い川へと向かおうとしたが、他に気になっていた事を思い出すと足を止めた。
「あっ、でもあの仮面は何だったんですか?いつの間にか無くなっちゃったんですけど....」
「あー、それも気にすんな。俺自身もお前も効果は体験出来たし」
「効果って何ですか?!あれやっぱ何かヤバいやつだったんですか?!」
「いやいやそんな危ないもんじゃねぇよ。ただちょっとだけ気分が高まるだけだから」
「1番駄目なやつじゃないですか?!」
「ははっ、半分は冗談だよ。良いから早く顔洗って朝飯を食え。今日からが本番だからな」
「っ!そうですね....直ぐに戻って来ます!」
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「さて、飯も食い終わった事だしこれから1ヶ月間の予定を発表する」
「まずランヴェ、お前はこの1ヶ月ルーちゃんに鍛えて貰え。正直今のお前じゃまず勝てん」
「....え?ラズル先輩が教えてくれるんじゃないんですか?」
「いや、俺は龍夜と虎日を鍛える」
「ラ、ラズル先輩....?」
それを聞いたランヴェはラズルの目を見るが、その言葉が本気だと分かるともう無理だと自分が見捨てられた様な気がして落ち込んでいた。
「....何か勘違いしている様だから言っておくが、俺はふざけてる訳でも諦めた訳でもないぞ」
そう言うとラズルは真剣な表情でランヴェの頭に手を乗せた。
「お前は俺に教えを請わないと駄目なのか?!俺に教えて貰わないと自分の目標も達成出来ないのか?!」
「っ....!違います!!」
「なら今ここで自分の目標を言ってみろ!!」
「僕の目標は......模擬戦でレギナ様に勝つ事です!!」
「ふっ....」
ランヴェの目標を聞いたラズルは笑みを浮かべてポンポンと軽く頭を2回叩くと....
「違うだろぉぉぉぉぉ!!!」
3回目はシンプルに叩いた。
「ちょっと痛いですって?!先生に言いますよ?!」
「模擬戦で勝つだぁ?!誰がいつそんな事言った?!」
「えっ...!違うんですか?」
「いやいや、俺は勝てなんて一言も言ってねぇよ」
「でも僕がレギナ様に勝てないって言った時何とかするって....」
「そりゃあいつに勝てる様にはするさ。目標の為に必要だからな」
「....?」
「良いか?忘れてる様だからお前の目標をもう1度言うが、お前の目標はあの糞ガキをぶちのめす事だ」
「それって同じなんじゃ....」
「ははは!ぶちのめすって言ったって別に殴る訳じゃないぞ?お前女には手を出したくないって言ってたからな」
「ぶちのめすのは別に殴らなくても出来るからな。てかそっちの方法はどの道お前じゃ弱過ぎるから無理だ」
「そ、そこまで言わなくても良いじゃないですか!」
「ま、そういう訳でお前に教えるのは俺じゃなくてルーちゃんの方が適任なんだよ」
「良く分かりませんが....僕は剣さんに教えて貰った方が良いって事ですよね?」
「そういう事だ。じゃあルーちゃん後は頼んだぞ」
「畏まりました。では早速鍛えてやるから来い小僧」
「あっ、はい!宜しくお願いします!」
そうしてランヴェとルーちゃんは森の奥へと姿を消した。
「し、師匠、ランヴェ...君は大丈夫なんですか?」
「あいつなら大丈夫だ。ほらほら、お前らはこれから俺と訓練するぞ!」
こうして龍夜と虎日の1ヶ月間の訓練と....
ランヴェの1ヶ月間の地獄が始まった。




