訓練[5]
(ラ、ランヴェちゃん...!そんな俯いて仮面を被る程恥ずかしかったのか!)
「......せぇ」
「え?何々?!川の音で良く聞こえなかったよ!」
「さっきからごちゃごちゃうるせぇんだよタコ!!誰がおめぇみたいな軽い奴と付き合うかボケが!!まずこんな冷え込む夜にくっそ寒い川なんかに連れて来んなやハゲ!!風邪引いたらおめぇ責任取れんのか?!あ"ぁ?!」
「..........へ?」
期待でも何でもなく本心で9割5分イケると思っていた龍夜は、突然のランヴェの豹変と悪口のオンパレード、そして何よりフラれたという事実を前に呆然としていた。
「あー寒ぃ、てかもう用が終わったんなら俺帰るかんな。眠くてしょうがねぇ....」
「っ...!ちょ、ちょっと待ってよ!突然どうしたのさ?!」
「突然どうしただぁ?おめぇが俺が男だと気付かず告白なんざふざけた事するからだろうが!!」
「お、おっ...男?!?!」
「そ、そんな筈ない!!こんな可愛い子が男な訳....」
「んだとこの野郎?!じゃあ今から俺が男だって証拠見せてやろうか?!」
「しょ....証拠?」
「おう、起きちまったついでに今から小便行くから着いて来いや!」
「そ、そんな......ランヴェちゃんが連れション?う、嘘だ....嘘だぁぁぁぁぁ!!!」
とても信じられない....信じたくない事実を知ってしまった龍夜はそのまま何処かへ走り去ってしまった。
「けっ!この程度で心が折れるとはまだまだだな!」
そんな心が折られた龍夜が走り去るのと同時に、【気配遮断】で近くの茂みに隠れて今の一連の流れを笑い転げながら見ていたラズルが出て来た。
「おっおま...ふはは、やべぇ思い出しただけで面白ぇ」
「あっ先輩!そんな所で覗いてたんすか?」
「いやー満足満足、それにしても見事としか言い様が無いな」
「仮に俺が女だとしてもあんな下心丸出しの奴なんか絶対無理っすよ!」
「お前の人を見る目凄ぇな....まぁ良いや、これで確かめたかった事も確かめられたし」
そう言って満足そうにラズルがテントへ戻ろうとすると....
「あ!先輩待って下さい!」
「ん?あ、そうだ仮面取らねぇと....」
「折角だし連れション行きましょうよ!!」
「アホか」
ラズルは手刀でランヴェを気絶させて仮面を回収し、そのまま何事も無かったかの様にランヴェを片手で抱えるとテントへと帰った。
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次の日……
「う、うぅん...ラズル先輩おはようございます....」
「お、やっと起きたのか。これから朝飯食うから川で顔洗って来いよ!後はお前だけだからなるべく早くな!」
「川....川?そ、そうだ!昨日あの仮面を付けてそれから...!」
「その事ならもう丸く収まってるから安心しろ!」
「....え?あ、あの後何があったんですか?」
「それは....お、丁度戻って来たな」
「師匠!言われた通り100本薪を集めて来ました!」
「ご苦労!だがもう既にルーちゃんが集めて来たからその薪は要らん!元の場所に戻して来い!」
「分かりました!」
そう言って龍夜は100本の薪を抱えて再び何処かへと走って行った。
「........とまぁ、何やかんやあってああなった」
「本当にあの後何があったんですか?!」




