訓練[4]
(アニメや小説でいうと僕は異世界転移した主人公みたいなもの...!しかもランヴェちゃんも救った!そしてあんな綺麗な満月が出ている良い感じの雰囲気の夜...フラグは十分に立っているな....ははっ、いける気しかしない!!)
龍夜はこれからの事を思い多少の緊張は感じていたが、それを上回る程の期待によるニヤけが止まらなかった。
一方そんな龍夜の後ろを歩くランヴェは....
(ラズル先輩曰く僕はヒロインみたいなもの...?何言ってるのか良く分からなかったけど、取り敢えずリュウヤさんは僕を女の子だと思ってるし...でもこうなったらラズル先輩の言った通りにするしか....まずい、気まずくなる気しかしない)
ランヴェはこれからの事を思い多少の緊張は感じていたが、それを上回る程の失望による震えが止まらなかった。
そんな期待にニヤける青年と失望に震える少年という対照的な2人はテントからどんどん離れていき、やがて月光に照らされ青白く輝く川の前で龍夜は足を止めた。
「......ここで良いかな」
「それでえっと....こ、こんな所に呼び出して一体何でしょうか?」
「....ランヴェちゃん」
「は、はひっ!」
「改めて来てくれてありがとう。こんな夜遅くに突然ごめんね」
「いえいえ!気にしないで下さい!」
「ふふっ、ランヴェちゃんは優しいね。そういう所....好きだよ」
(おっと、流石にこの時間だと冷えるのかな。今もの凄い寒気が....)
「じゃあ...早速だけどこんな夜遅くに来て貰った訳を話すね」
(いやいや!良く考えてみればラズル先輩が勝手に言ってるだけであってリュウヤさんが僕なんかに告白なんて....)
「伝えたい事があるんだ」
(....い、いやまだだ!まだ雲行きが怪しくなっただけで月はまだ隠れていない!)
「つつつ伝えたい事ですか...?」
「ランヴェちゃん僕と....!」
「っ....」
「僕と....!!」
「っ....!」
「僕と付き合って下さい!!!」
「え?何ですって?!すみません川の音で何も聞こえませんでした!!」
(うおぉぉぉ!!絶対に月は隠させない!このまま行けばきっと雲も....)
「僕と付き合って下さい!!!」
その瞬間、辺りを照らしていた月の光が消えた。
(月が雲で完全に隠れたぁぁぁぁぁ!!!)
「ど、どうかな?」
「......こうなったらもう仕方がありません」
そう言うとランヴェはテントから出て来る際にこっそり持って来た....否、持たされた仮面を取り出した。
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ランヴェがテントを張る手伝いをする前……
「んじゃあ、枝拾いはルーちゃんとネラに任せるから、お前はテント張る手伝いをしてくれ」
「分かりました!」
「待て」
「え?何ですか?」
「その代わりにこれを持ってけ」
「これって...さっきラズル先輩が変な格好してた時に付けてた仮面ですか?」
「そうだ。あ、でもまだ付けるなよ?」
「あいつの事だから多分今夜辺りにでも告白して来るだろう、それは返事をする時に付けてくれ」
「そんな事ないですって....まぁ、持つだけなら良いですよ」
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「くっ...!これだけは使いたくなかった....」
(あの先輩の事だからきっとこの仮面には何かしらある....でも、こうなったらもうこれに頼るしかない!)
全ての希望を打ち砕かれたランヴェは、絶対に何かしらあるであろうラズルの仮面に最後の希望を託した。




