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合同演習[11]

「くそぅ...まだちょっと尻がヒリヒリする....」


「恐らく背後にいたホーンラビットが..ふふっ、角を飛ばして来たんだろう....これは甘く見ない方が良いな!」


「あんな可愛い見た目なのにこんな恐ろしい攻撃をして来るんですね....」


「冒険者は常に命の危険に(さら)されているからな。ランヴェも気を付けろよ!」


「モチロンキヲツケマスヨー」


未だに尻を押さえている龍夜を見てニヤけが隠せていないラズルの発言に説得力などある筈も無かったが、この短い付き合いの中でランヴェは気にしたら負けだという事を学んでいた。


そんなランヴェは心なしかレギナの苛めに遭っていた頃よりも(やつ)れている。


「ま、まぁ()()()これで()()()()()()()()()は2本集まったね......兎の角だけに!!」


「「............」」


「あはは、リュウヤさん面白いですねー」


咄嗟に思い付いたギャグを披露する龍夜へ虎日とラズルが軽蔑(けいべつ)するかの様な冷めた目を向ける中、ランヴェだけは優しく微笑み掛けていたが、目は一切笑っていない。


「ランヴェちゃん......」


流石の龍夜もランヴェの愛想笑いに気が付いたのか、俯いてショックを受けている。












「でしょ?!」


筈もなく、ただランヴェが笑ってくれたという喜びに打ち震えていた。


「お、お兄ちゃん!早く残りの3匹も見つけようよ!」


「そうだな!この僕に任せてくれ!」


そうして4人は道中のホーンラビットを探しながら森の更に奥深くへと進んで行った。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「あの....リュウヤさん、これ以上森の奥に行くのは危険じゃないですか?」


「大丈夫大丈夫!何が出て来ても僕が退治してあげるよ!何たって僕達は....おっと、まだ話す時じゃないかな」


「ラ、ラズルさん大丈夫ですかね?さっきから()()()()()()何か不安なんですけど...」


(ふむ、この先に強い気配を感じるな....もう止めとくか)


「確かにこれ以上行くのは危険だな。おーい!一旦引き返すぞ!」


「え?何言ってんですか、ここからが冒険でしょ!」


「基本的に森の奥は強い魔物が多い、それにさっきから何かおかしいだろ?」


「確かに....奥に進むにつれて魔物の数も少なくなってますね」


「お兄ちゃん、ここはラズルさんの言う通り1度戻ろうよ」


「......いや、もうちょっと先に進もう」


「あ?」


悩んだ末に出したその答えにラズルは思わず顔を歪める。


「確かにこの先に危険な魔物が居るかもしれないけど....皆で力を合わせて倒そうよ!」


「いや待て、何かはまだ分からないがこの先に居る奴はお前らじゃ勝てない」


「そんなのやってみなきゃ分からないだろう?それに僕達は強いから安心して!」


「だからお前らじゃ....」












「あーもう!さっきからうるさいな!!」


すると突然、龍夜が大声を上げながら剣を抜いてラズルの首元へと当てた。


「ラズル先輩!!」


「お兄ちゃん何やってるの?!?!」


「....おい、これはどういうつもりだ?」


「さっきから黙って聞いてたらさ....お前弱い癖に偉そうなんだよ!!」


「お前には分からないだろうけど僕と虎日は特別なんだよ!!」


「................」


「はぁ...分かったらお前だけで帰れよ」


「分かった」


龍夜は剣を収めると、ラズルは特に何も言わずに森を引き返して行った。


「っ!....え?ちょっ!ラズル先輩!!」


「お兄ちゃん最低!!私ラズルさん呼び戻して来る!」


「待て!あっちは危険な魔物が居ないがこの先は分からない。だから念の為僕が戦っている間ランヴェちゃんを守る人が居なくちゃいけない」


「っ....!」


「それにもう見えないから追うのは難しいだろ?」


「........今はランヴェちゃんを守る為に付いて行くけど、帰ったら絶対ラズルさんに謝って貰うからね」


「....分かったよ。じゃあ行こうかランヴェちゃん!」


「............」


「あの人なら後でギルドに戻ったら会えるよ!だから僕達は取り敢えず依頼の為に進もう!」


「....分かりました」


こうしてラズルの抜けた3人パーティーで森の更に更に奥深くへと足を踏み入れて行くのであった。

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