合同演習[10]
「ご、ごめんなさいラズルさん!私からキツく言っておきます!」
そんな兄の失礼な発言を聞き、即座に謝罪をしつつ龍夜の手を引いて再び距離を取る。
「ランヴェ....もしあいつに告白でもされたら、思い付く限りのありとあらゆる悪口で心をボロクソにしてから断れ」
「え?な、何で僕が告白されるんですか?」
「されたらの話だ。良いな?!その時は完璧に心を折れ!」
「流石にそれは可哀想では....」
「お前の目標は打倒レギナだろ?だったらあいつみたいに人を罵倒する気持ちも分かっていた方が良いぞ!」
「な、成る程!分かりました!もしそうなったらボロクソにしてやります!」
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(「ちょっとお兄ちゃん!!流石に失礼過ぎるよ!!」)
(「いやー、外国の人の名前みたいで覚えにくくてさ」)
(「3文字だよ?!たった3文字の名前も覚えられないの?!」)
(「お兄ちゃんを馬鹿にするな!流石にその程度覚えてるわ!」)
(「じゃあ何で間違えるの!」)
(「......だって最初に『鑑定』したけど、あいつ弱い癖にランヴェちゃんと仲良さそうなんだもん」)
(「うわぁ気持ち悪....」)
(「気持ち悪いとか言うな!俺はこの冒険で絶対にランヴェちゃんをものにしてみせるんだ...!」)
(「お兄ちゃんにそんな事出来る訳ないでしょ....」)
(「馬鹿野郎!俺達は異世界転移した言ったら主人公だぞ?良くあるアニメみたいに凄そうな力も貰ったし絶対モテるって!」)
(「うーん....」)
(「どうせお前もあの腹立つ位イケメンな奴狙ってんだろ?」)
(「っっ...!!///」)
(「な?じゃあお互いに邪魔しないようにしようぜ!」)
(「むうぅ....//」)
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お互いに話が終わった所で再び討伐依頼対象の居る森へと向かい始めた。
「え、ええっと....リュウヤさん?」
「ん?どうしたの?」
「ちょっと近くないですか?」
先程の話が終わってから龍夜はランヴェの隣を歩いており、虎日はラズルの隣を歩いていた。
「いつ危険な魔物が現れるか分からないからね!いつでも守れる様に僕から離れないでね!」
「は、はぁ...分かりました」
「ラ、ラズルさん!」
「ん?」
「手......繋いでも良いですか?」
「?良いぞ」
(「やった!」)
「そういえばまだ聞いてなかったんだが、依頼はどんなのを受けたんだ?」
「えーっと....確かホーンラビットの角を5本取って来るっていうやつです!」
「ホーンラビット....聞いた事ねぇな」
「何でも角が生えた兎らしいですよ!絶対可愛いですよね!」
「そうだな。まぁEランクの依頼だし大丈夫だろう」
「は、初めてなので緊張します....」
「ははっ、そんな緊張しなくても良いぞ。気楽に行こうぜ」
「は、はい!//」
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そうこうしている内にホーンラビットが生息する森へと到着した。
「うおぉぉぉ!凄ぇ!何か冒険って感じする!」
「ほらお兄ちゃん!早くしないと置いていくよ!」
「あっ、ちょっと待てって!」
ランヴェと虎日は辺りを警戒しながら森を歩いていたが、龍夜は異世界に来てから初めての森に興奮していた。
「お!アレか?!」
そう言って龍夜が小走りで森の奥へと進んで行く後を3人が付いて行くと、その先には額から鉄で出来ているかの様な角を生やした兎が1匹で草を食べていた。
「わぁ...!何あの兎凄く可愛い!」
「見ててねランヴェちゃん!直ぐに角を取って来るから!」
龍夜は腰に掛けた剣を抜いて一気にホーンラビットの元へと駆け出した。
(「ラズル先輩、これ一応僕の修行なんですよね?」)
(「心配するな。期限までには鍛え上げるから」)
(「....本当に大丈夫なんですか?」)
(「任せろ!俺は1度言った事は必ずやり遂げる男だ!」)
「良し!捕まえたぞ!」
するといつの間にか龍夜が片手でホーンラビットの角を掴んでいた。
「お兄ちゃんちょっと私にも触らせて!」
そんなホーンラビットの姿を見た虎日は目を輝かせながら嬉しそうにモフモフと触っている。
「...お!ちょっと俺も触って来る!」
ラズルもホーンラビットを見つけたのか、同じく目を輝かせながらどこかへと走って行った。
(へー、ラズル先輩も可愛いもの好きなんですね....ふふっ、あんな人でも意外と可愛い所あるんですね)
「おーいランヴェちゃんもこっち....」
龍夜はそこまで言い掛けると、突然顔を歪ませながら前へと倒れ込んだ。
「お、お兄ちゃん?!大丈夫?!」
「............」
「リュウヤさん大丈夫です......か」
ランヴェも突然倒れ込んだ龍夜が心配で駆け寄るが、その際に遠くで笑い転げているラズルの姿が見え、即座にラズルが何かしたのだと判断してもう1度龍夜に目を向けると....
見事龍夜の尻にホーンラビットの角が刺さっていた。
(うん、あの先輩に可愛げなんてある筈ないですよね)
その後魔法が得意だった虎日の回復魔法により、何とか龍夜の尻は痔にならずに済んだのであった。




