合同演習[6]
一旦落ち着いて話をしようという事で、3人はバリールと別れてカウンターへと向かった。
「....ごほん、それで本日はどの様なご用件でしょうか?」
「今日はこいつの冒険者登録をして貰いに来たんだ」
ラズルがランヴェを前へと押すと、リタは頭の先から足の先まで目を通した。
「......えっと、今回もクイナさんの様に成人には見えませんが、実は成人というパターンでしょうか?」
「その通り!だからちょちょいと頼む」
「え?!ちょっ....」
ランヴェは自分がまだ成人ではないのにも関わらず、勝手に冒険者登録をさせようとしているラズルに指摘しようとしたが、ラズルは即座に手でランヴェの口を塞いだ。
「ん?何々....「誰が成人未満だこのクソアマが。ぶち殺されてぇのか」だって?まぁまぁそんな怒るなって!リタも悪気があった訳じゃないんだしよ!」
「っ?!むぐぅぅぅ!!」
「わわっ!す、すみません!以前似た様な事があったもので、本当に悪気は無かったんです!」
「ほらリタもこう言ってるんだし落ち着こうぜ?な?」
「................」
ランヴェはこんな事になるのであればいっそのことレギナに苛められ続ける方が良いのではないか、寧ろこの先輩の方が余程たちの悪い苛めをしているのではないかという考えが頭をよぎり....
「コチラコソスミマセンデシタ」
その結果辿り着いた考えは全てを諦める事である。
「まぁ....本人も反省している様だし許してやって下さい」
「え?あ、はい!」
そんなこんなでランヴェは冒険者登録をする事となった。
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「........と、いう感じになっております。何かご質問などはございますか?」
以前ラズルとクイナが冒険者登録をした際の反省を生かし、まず始めに冒険者についての様々な説明をしていた。
「あ、はい....大丈夫です」
「それでは次にこの水晶に手をかざして頂いて、犯罪履歴を確認させて貰いますね」
「............」
「何緊張してんだ?...まさかお前....」
「や、やってないですよ?!こ、こういうのって大丈夫だと分かってても何か緊張するじゃないですか....」
「ははっ、俺も前にやった時直ぐに終わったし、そんな緊張すんなよ!」
「そ、そうですね....!」
ランヴェはまだ緊張しているのか、少し硬い動きで水晶へと手をかざすと、水晶は赤く光った。
「............」
「ラ、ラズル先輩....?」
「警備員さぁぁぁん!!こいつです!」
「ええぇぇぇぇぇ?!」
「あっいえ!これは以前の水晶とは違い犯罪を犯していなければ赤く光るやつなので大丈夫です!」
「俺はお前を信じていたぞ!」
(もうやだこの人....)
「てか何で白いとセーフのやつと赤いとセーフのやつがあんだよ。分かりにくいだろ」
「あ、それはギルドマスターが新人冒険者さんが焦る姿が見たいだけみたいです」
(ギルドマスター趣味悪っ!!)
「では次に闘力を調べさせて頂きます」
「おいおい、まさか闘力計る水晶も何か使様が変わったとか言わないよな?」
「はい、それは大丈夫です!」
そう言ってリタは自分の足元をゴソゴソと漁り....
「もう水晶じゃなくなったので」
見た事のない紙を取り出した。
(まさかの水晶リストラだった?!)
「あ、あんなに重宝してたのに水晶じゃなくなったのか?」
「最近何故か水晶が良く壊れてしまう事が多くてこの紙になったんです」
「成る程な、でも俺らの時からそんな経ってないのにそんな直ぐに壊れる物なのか?」
「......あれ落とすと割れますし、無駄に場所取るので躓いたりして邪魔なんですよね」
(おめぇのせいかよ?!)
そうしてランヴェはリタによってリストラされた水晶に代わり、新しく導入された紙で闘力を計る事となった。




