運命の人[12]
式場は数千人は入る程広く、何処を見ても豪華な飾り付けや料理が目に入って来る。
「いやぁ、とうとうローラン様も婚約するお歳になられた....時の流れは早いものよのぉ」
「全くですな!いやぁお目出度い!」
既に式場の至る所に貴族の姿が見えており、それぞれ挨拶などをしていた。
「皆様大変お待たせ致しました。只今より、〈シュラハト〉の第1王子であられるローラン様と、〈カピタール〉の大貴族であられるアリア様の結婚式を行わせて頂きます」
式場がざわつく中、頃合いを見ていた司会席に立った男が風の魔法を応用した拡声魔法で進行し始めた。
先程まではざわついていた者達も皆用意された席に座った。
「始めに、〈シュラハト〉の国王であられるゲイン様から皆様へご挨拶です」
すると、式場を上から見下ろしていたゲインが近くに控えていたフードを被った者の拡声魔法で挨拶を始めた。
「皆の者、今日は我が息子であるローランの結婚式に来てくれた事に感謝する!」
「今日は儂が皆に普通の結婚とは違うサプライズを用意しておいた!是非とも楽しんでいってくれ!」
ゲインは挨拶を終えると再び椅子に座り、笑いが堪えられない様子で式場を見下ろしていた。
「では続きまして、皆様お待ちかね....ローラン様の入場です!!」
司会が式場の入り口である扉に手を向けると、それと同時に様々な楽器を持った者達の演奏による豪快な音楽が流れ、大きな扉が開かれ....
「............」
「ほらアリア、行くよ」
「....はい」
ベールで頭を覆い隠し、純白のウェディングドレスに身を包んだアリアがスーツを着たレイスと腕を組んでバージンロードを歩いて来た。
辺りから拍手が鳴り響く中、1歩...また1歩と今までを振り返りながら歩いて行く....
(........やっぱ皆にお別れ位は言いたかったですね)
そんな心残りを悔やみながら主祭壇に立った神父の前に立ち、レイスは特別席へと座った。
「それでは続きまして!我らがローラン王子の入場です!」
先程のアリアの入場よりも大きな拍手の中、少し緊張した表情を浮かべたローランがアリアの隣へと立った。
「それではこれより誓いの儀を行う」
「まずは新婦アリア....あなたはこのローランを夫として、永遠の愛を誓いますか?」
「........私は」
神父に問われ、俯いて身体を震わせていると、上からその様子を見ていたゲインが司会者に合図を送った。
『今だ!殺れ!!!』
合図を見た司会者は1度ニヤりと笑うと、アリアの背後から心臓を目掛けて手をかざし、風の矢を飛ばした。
「【風の矢】!!」
「....っ?!」
アリアが気が付いた時にはもう既に遅く、躱す事が出来ずに心臓へと直撃した....
....かの様に思われたが、いつの間にかアリアを抱き寄せていたローランが風の矢を握り潰していた。
「えっ....//」
「アリアさん大丈夫ですか?」
「は、はい....ありがとうございます」
「ふふっ、ご無事な様で何よりです」
「....あなたを攫いに来ました」




