運命の人[4]
「うわぁ....成長した分臭いも酷くなってるな。何か気持ち悪さも増してるし」
「そうなんですか?私はもう何も分からないです」
「1度アリアを連れて外の空気を吸って来い。もしかしたら2度とその鼻戻らないかもしれないけどな」
「それは不味いです!では、私達はお先に失礼させて貰います!」
「おう、俺も臭いから直ぐ出る」
その場はラズルに任せ、あまりの臭いに気絶しているアリアを担ごうとしたその時、何か違和感の様なものを感じた。
「痛っ!!」
「どうした?」
「あっ、何かピリッとしただけなんで大丈夫です!」
「紛らわしい声上げんなよ....」
そのまま特に何か問題が起こるわけでもなく、2人は無事洞窟の外へ出る事が出来た。
「さぁ!強くなったお前と強くなった俺とでとことんやろうか!....と、言いたい所なんだが」
「【破壊】」
神力を解放したラズルによってあっけなく謎の生物は跡形もなく消し去られた。
「もう戦うのも面倒くせぇっての...早くこっから出てぇ....」
謎の生物の消滅を確認したラズルは気だるげそうに洞窟から出て行った。
3人も洞窟の外へ行き、元から居た謎の生物も消滅させられ何も残っていない筈の洞窟に怪しい男の声が響いた。
「..........やっと行ったかぁ」
「弱ってからじっくりといたぶろうと思ってた2匹にも逃げられちゃったしなぁ」
「かなり育った実験体もあの男にあっさり殺されちゃうしなぁ。でも、まさか成長させてくれるとは思わなかったけどなぁ」
「しかもあの男かなりヤバい感じがするよなぁ。気配を消してしかも洞窟に臭いも充満させたのに気付かれそうだったもんなぁ」
「これは魔王様に報告する事が多くて面倒だなぁ」
「....ま、別に良いかぁ」
「種は蒔けたしなぁ」
1人小さく不気味な声を響かせ、男も洞窟から姿を消し、今度こそ洞窟には何も残らなかった。
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「おぉ....!空気ってこんな美味いもんだったのか!」
「ん?そういや身体のダルさも取れてるな。あの臭いのせいだったのか?」
「ま、良いか!」
1度身体をほぐし、皆が待っているガウの元へと向かった。
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「あっ!ラズルも帰って来た....臭っ!」
「ラズル!無事でし....臭っ!」
「お前ら2人後で抱き付いてこの臭いで包み込んでやろうか?」
「えっ....//」
「いや、それだけは勘弁して下さい」
グラウィスは心底嫌そうに顔をしかめていたが、フランは心なしか嬉しそうな表情であった。
「【清掃】」
「ほら、これで文句ないだろ。それよりもあの2人はどうした?」
「クイナがアリアを背負って来たんだけど~、ここに着いた瞬間寝ちゃったから今は宿の部屋のベッドで寝かせてるよ~」
「まぁ無事なら何よりだ」
「くかぁぁぁ....こぉぉぉぉ....」
アリア達が居なくなってから2時間以上経っているというのに、ガウは未だに爆睡中であった。
「私達もずっと起こそうとしてるんだけど....先生全然起きないんだよね」
「生徒がこんな大変な目に会ってるってのに爆睡しやがって....」
「きっと先生も疲れてるんですよ」
「ふわぁ...俺も疲れたからちょっくら部屋で寝て来るか。ネラ、お前も色々とありがとな」
「キュウ!」
「先生が起きたら状況は僕達が説明しておくからラズルはゆっくり休んでて!」
「おう、そうさせて貰う」
そうして事は丸く収まり、ラズルは欠伸を漏らしながら宿屋へと入って行った。
「これ合宿どうなるんだろうね~」
「うーん、特に問題なければ明日も通常通り行われるんじゃないですかね」
「取り敢えず先生が起きてからこれからの事を聞こうよ」
「暇だから先生を誰が先に起こせるか勝負する~?」
「お、良いね!やろやろ!」
こうしてロロの提案によりガウを誰が起こせるか大会が始まり、生徒達が次々と攻撃を仕掛けていった。
尚、優勝したのは力が強いフランやグラウィスやドワーフ姉妹でもなく、馬鹿3人組の内の1人のガウの顔に座った上での放屁であった。




