運命の人[3]
「ん?そういや何かこの臭い何処かで....」
そこまで言うとラズルは2人の奥のギョロギョロと動いていた無数の瞳と目が合った。
「............失礼しました~」
「待って下さいよ?!....まぁ最悪穴開けてくれたんで待たなくても良いですけど待って下さいよ?!」
「いやもうそっとしておこうぜ?ほら、どうせそいつも前の奴と同じで、近付いたら攻撃して来るってだけでほっとけばそんな害無いんだろ?寧ろ俺達がご自宅に不法侵入しちゃったんだしさ」
「それはそうですけど、こんなの放っておけないですって!」
「え?じゃあ何?また俺にその得体の知れない奴を殺せと?」
「うっ...で、出来ればそうして欲しいなぁ....なんて」
「良いよ」
「そこを何とか!」
「良いよ」
「勿論ただでとは....え?良いんですか?!」
「おう、俺は優しいからな!今後あいつに襲われる人が居なくなる為に人肌脱ぐとしよう!」
「流石ラズルさ....!」
「あ、理由は言わないけど後でフランから話聞いといて」
「....ん?」
珍しくやる気のラズルを褒めようととするが、最後の一言により何かが引っ掛った。
「取り敢えず聞いといて。んじゃ行ってくる」
(ここで恩を売っとけば小遣いも2倍以上に....!)
そんな邪な考えと共に化物へと近付いていくラズル。
「よぉ...!3ヶ月...ん?あれ?3ヶ月?....あっ、4ヶ月か?まぁどっちでもいっか!」
「よぉ...!3ヶ月か4ヶ月振りだな....!」
「ラズルさん4ヶ月です」
「よぉ...!4ヶ月振りだな....!」
「あ、でも正確にはまだ4ヶ月経ってないです」
「よぉ...!3ヶ月振りだな....!」
「でも後1週間もしない内に4ヶ月....」
「うるせぇぇぇぇぇ!!!どっちでも良いわ!!」
「てかもうあれからそんな経ったのか...色々とあったなぁ....」
「ラズルさん早くしないとそいつ襲って来ますよ!」
「おいおいクイナ、こんなに隙を見せても待っててくれてるんだぞ?こいつは絶対良い奴だって!」
「前回同じ様な事言って痛い目を見ましたよね?!」
「あいつよりも身体がデカいんだから多分心もこいつの方がデカいって!」
「それどんな理屈ですか?!」
「確かに俺は前回同じ事をして痛い目を見た....だが!あいつとこいつは違うと俺は信じてる!」
そう言うとラズルは謎の生物に向かって走り出した。
「ラズルさん近付いたら危ないですって!」
「おーい!ちょっと俺と話を....っと危ねぇ!!」
案の定ある程度近付くと謎の生物は無数に生えた触手でラズルに襲い掛かった。
「本当に学習しない人ですね?!」
「野郎!良くも騙しやがったな!てめぇを真っ赤な血の色に染め上げてやるぜぇぇぇぇぇ!!!」
「....と、普段の俺なら言っていただろう」
「なっ...!ラズルさんが怒っていない....!」
「流石の俺もただ近付いただけじゃこうなるとは思っていた....だがしかーし!今回は秘密兵器を持って来た!」
そう言うとラズルは【収納箱】から何かを取り出した。
「えっ...?!そ、それは....!」
「そう!これは前回こいつの仲間っぽいのをぶっ殺した時に一応拾っといたあいつの破片だ!」
「......一応聞いておきます。それを一体どうするつもりですか?」
「野良猫とかも餌あげたら壊くだろ?だからこれあげたら壊くかなーって」
「仲間の身体の破片渡されて喜ぶ訳ないじゃないですか?!寧ろ怒り狂って襲い掛かって来ますよ?!」
「やってみなくちゃ分からない事もあるだろ?」
クイナにキラキラとした笑顔を向けると、手に持った今は亡き謎の生物の破片を今を生きる謎の生物に向かって投げた。
ベチャァ....
『................』
目の前に投げられた物を無数の目で良く観察している様だった。
「「............」」
そんな仲間の破片を警戒しているのか、触手でつつきながら観察している謎の生物を観察していると....
....グシャリ
そのまま触手で摘まみ上げて口へと運んだ。
「「美味しく頂かれたぁぁぁぁぁ?!?!」」
仲間の破片を食べた謎の生物はみるみる内に大きくなっていき、元の10m程の大きさから15m程まで大きくなった。
「「成長なされたぁぁぁぁぁ?!?!」」
洞窟に2人の叫び声が響いている頃、アリアは既に鼻をやられて気絶していた。




