合宿[12]
2人と別れた後、ラズルは1人で森の隠れられそうな場所を片っ端から見ていっていた。
「ここでもないか....こんだけ探しても見つからねぇって事はグラウィス達の方だったか?」
「んー、こっちに居る気がしたんだがなぁ」
「........【捜索】使おっかな」
「いや!それは負けを認めたのと同じだ!あいつらに負けるなんて絶対にあってはならない!」
「ここら辺は探し尽くしたし俺もあいつらの方に行ってみるか」
そう言ってグラウィス達に任せた方向へ向かおうとした時、フランが息を切らしながら走って来た。
「見つけたー!」
「ん?」
「はぁ..はぁ...ラズル!やっと見つけたよ!」
「よっ!本物の旗は見つかったのか?」
意地悪そうにニヤニヤしながらそうフランに問う。
「僕達も途中で気が付いたからもう偽物はもう放っておいてるよ!」
「えっマジ?!本物の場所分かったの?!」
本物の旗の場所が分かったという点に関しては本当に驚いた様子だった。
「分かったけどそんなのズルいよ!取れる訳ないじゃん!」
「いや、頑張れば取れるぞ?アリアのレイピア伸ばしたりさ」
「....レイピア?え、待って何処に隠したの?」
明らかにラズルが言っている場所と自分達が思っている場所と食い違っていたので、思わず隠し場所を聞いてしまう。
「え?逆に何処にあると思ってんだ?」
「ラズルの【収納箱】の中じゃないの?」
「あー、成る程な....確かにそう考えておかしくないか」
「え?!違うの?!」
「最初は俺もそれ考えたんだけどな、流石にズルいかと思って止めた」
「じゃ、じゃあ何処に....?」
「クイナの隠れた場所を教えてくれたら教えてやろっかなー」
「........ヒントなら」
「ま、良いか。俺達は教えてもそんな問題ないしな」
「んじゃ先にヒントで良いから教えてくれ」
「この森にある何処かの洞窟の中だよ」
「十分だ」
「早く場所教えて!気になって仕方がないんだ!」
フランは待ち切れないのか興奮気味にラズルへと詰め寄る。
「分かった分かった!....では上をご覧下さい」
そう言ってラズルは指を真上へと向ける。
「....上?」
フランは言われた通りに上を見てみるが、特に何も見えなかった。
「何も無いよ?」
「良ーく見てみろ」
「んんぅ....?」
目を凝らしてもう1度見てみると、今度は青空に1つ、黒い点の様なものが動いて見えた。
「もしかしてあの黒いの?」
「そうそれ。俺らの旗あいつが持ってるから」
「....ん?あいつ......?」
「あっ!ま、まさか....!」
「ネラに持たせたの?!」
「その通り!」
「やっぱりズルい!」
「ズルくねぇよ?!ネラは俺の使い魔なんだから旗持っても問題ない!」
「でもあんなの取れる訳ないじゃん!」
「だからアリアのレイピア伸ばしたり魔法で撃ち落とすとか色々あるだろうが!」
「それとも何か?!俺の【収納箱】に入れた方が良かったか?!」
「違うよ!ラズル本人が持ってれば良いじゃん!」
「それだとお前ら全員に一気に掛かられたら奪われるだろ!」
「かと言ってネラに持たせるのは....」
2人のそんな言い合いはしばらく続いた。
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「分かった!じゃあこうしようよ!」
「今から僕達はクイナを呼び戻して来るから、ラズルもネラに下に来て持って1対1で旗の奪い合いしようよ!」
「いやそれ俺らにメリット無いだろ....」
「えーっと、あ!じゃあもしラズルが勝ったらクイナにラズルの小遣いを少し上げて貰うよ!」
「ふっ...俺も甘く見られたもんだな。そんな小遣いが少し上がる程度でそんな危険な行為を....」
「今なら2倍にして貰えるよ」
「ネラァァァァァ!!!今すぐ降りて来ぉぉぉぉぉい!!!」
負ける可能性が生まれるという危険な行為とは分かっていたが、小遣いが2倍になるという餌を前に1秒の我慢も出来なかった男の姿である。
こうして闇取引?が行われ1対1のタイマンをするべく2人はクイナが隠れている洞窟へと向かった。
しかし、そこにクイナの姿は無かった。




