合宿[11]
カランコロン....
「............」
「............」
地面に落ちた旗を見て全員の動きが一瞬止まったが、フランがラズルの目を盗んで落ちた旗を拾い、来た道を引き返してガウの元へと向かった。
「あ、おい待て!」
「追わせませんよ!」
「皆!フランが先生の所に行くまで食い止めるよ!」
ラズルが引き留めようとしたが、アリアとララをはじめとした青チーム全員が3人を食い止めようと襲い掛かる。
「うおぉ!こんなの集団リンチじゃねぇか!」
「隊長!ここは1度撤退しましょう!」
「良し!お前ら下がるぞ!」
3人は何とか青チームの包囲網を抜けて森の奥深くへと姿を消した。
「これは....勝ったのでしょうか?」
「他の人達が気になるけど、赤チームが全員先生の前に居てたとしても抜けるだけならフランなら大丈夫でしょ!」
「そう...ですね。でも念のため私達も先生の所へ向かいましょうか」
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旗を持って森の中を走り抜けたフランは、誰にも邪魔される事なく昼寝をしているガウの元へと辿り着いていた。
「先生ー!旗持って来ましたー!」
「....ん?随分と早かったな。戦力はほぼ互角にしたつもりなんだがな」
「どうぞ!」
「ふむ、では少し早いがこれにて青チームの..........いや少し待て」
「はい?」
勝利宣言をしようとした時、ガウは何かに気が付いたのか眠たそうに目を擦りながら渡された旗をじっくりと見た。
「あー、成る程な」
「どうしたんですか?」
「悪い、まだ勝負ついてねぇや」
「....え?」
「いやいや!相手チームの旗を持って来たら勝ちなんですよね?!」
「ああその通りだ」
「じゃあ何で....」
「この旗は偽物だ」
「なっ....!」
「あいつらも中々性格悪い事するな。まぁこういうのが面白いからルール無しなんだが」
ガウは本物そっくりの旗を感心した様に眺めながらそう言った。
「こんなの考えるの絶対ラズルしかいない....!」
「くっそぅ!やられた!」
フランは旗が偽物だったと伝えるべく、直ぐ様アリア達と合流しようと再び森の中を駆け出した。
「ああぁ....暇だなぁ」
そんなフランの背中を見送った後、ガウは欠伸を漏らすと再び砂浜の上で寝始めた。
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一方その頃森の中へと姿を消したラズル達は....
「そろそろ旗が偽物だと分かって悔しがってる頃だな」
「いや~、見事に引っかかったね~」
「何でもありとはいえ旗が偽物だとは思わないでしょうね」
「あいつらも中々クオリティの高い偽物作ったもんだな」
「今も他の皆は森のあちこちに偽物の旗立ててるんでしょうね」
「本物を見つけられるかな~?」
「んじゃ、あいつらが旗を探している間に俺らはクイナを探すか」
「あそこに居なかったという事はクイナがリーダーだろうね~」
「この森で隠れられる所は予め把握しておいたので、後はそれらを全部見ていくだけですね」
「だな。問題はあいつらが俺らよりも早く本物の旗を見つける事だが....まぁ多分大丈夫だろ」
「いや多分じゃなくて絶対大丈夫ですよ。例え分かったとしてもあんなの取れませんし....」
「皆が森の偽物の旗を集めて先生の所に持って行くと思うと面白いね~」
「ロロ、お主も悪よのぉ!」
「いえいえ~、ラズル様程では~!」
「「「へっへっへっへっへ」」」
そんなやり取りを交わした後、3人はそれぞれラズル、グラウィスとロロの2手に分かれて森のどこかに隠れといるであろうクイナを探していった。
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無事アリア達と合流したフランは再びラズル達を探し始めたが、いつの間にか森の中の至るところに立っている旗を回収してはガウの元へと持って行った。
「もう!何なのこの数?!」
「この中から本物の旗を見つけるのは骨が折れそうですね....」
「ねぇねぇ皆、僕1つ思ったんだけどさ」
「どうしました?」
「これラズルの【収納箱】にしまわれたら無理じゃない?」
「「........あ」」




