合宿[3]
「............」
「いや..あの..その...こ、これは....//」
「いや大丈夫だ。それ以上何も言うな」
「お前もいくらクイナといえども年頃の女だもんな....そういうのも少し早いが全然良いと思うぞ」
「いやだから違っ...て、いくらクイナといえどもって何ですか?!しかも全然早くなんてないです!ベストタイミングです!」
「さーて、皆揃った事だしグラウィス拾ってから泳ぐとしよう」
「だからちょっと待って下さいって?!これには深い訳があるんですよぉぉぉ!!」
その後もわざと理由を聞こうとしないラズルに何度も説明すると、ようやく折れたのか真面目に理由を聞いた。
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「……と、言う訳なんですよ!」
「つまりお前が水着忘れたから、2着持ってたロロに水着を借りた所それだったって事か?」
「そうです!だからこれは私のせいじゃないんです!」
「いや10割お前が悪いだろ」
「うっ....」
「てか持って来た2着があのスク水とこれって....」
「それはあまり深く考えない方が良いよ」
「まぁ本人が良いなら良いか」
「取り敢えず事情は分かったがどうするんだ?泳がないのか?」
「もうここまで来たら泳ぎますよ!折角の海なんですから泳がないまま帰るなんて出来ません!」
「良く言った!じゃあ軽く身体動かしてから入るぞ!」
「「「はーい!」」」
「おっとそうだ、【召喚魔法】ネラ」
「キュウ!」
ラズルが呼び出すと、ネラは待ってましたと言わんばかりに勢い良く出て来て嬉しそうに辺りを飛び回った。
「あれ?ルーさんとヤーさんは呼ばないのですか?」
「アリア....お前この綺麗な青い海を赤く染めたいのか?」
「今回ばかりはお2人には我慢して貰いましょうか」
そんな無慈悲な発言を聞いて【収納箱】の中から「ルー様と2人っきりなんて嫌じゃぁぁぁぁぁ!!!妾も海で遊びたいのじゃぁぁぁぁぁ!!!」という悲痛な叫びが聞こえた様な気がしたラズルであったが、空耳だろうと特に気にする様子もなくただ黙々と準備体操を始めた。
「じゃあ各自海に入って良し!ついでにあの馬鹿姉妹と合流しといてくれ。あいつら2人だけだと危なっかしいからな」
「分かりました!」
「2人とも誰が先にララとロロを見つけられるか競争しようよ!」
「そんなに急いだら危ないですよー!」
クイナも内心では初めての海だとはしゃいでいたのか、ドワーフ姉妹同様に全速力で海の中へと入って行った。
「....あの尻尾泳ぐ時邪魔じゃねぇのかな」
「おっと、こうしている間にもグラウィスの拷問が始まってるんだった」
はしゃぎながら海の中へと入って行ったクイナを見てそんな純粋な疑問を抱いたラズルであったが、流石にそろそろ危ないからとグラウィスを埋めた場所へと戻った。
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「ラズル....今回は本格的に死ぬかと思いました」
「良く頑張った...これで海に入る儀式は終わった!」
「もう騙されませんよ?!」
「いやすまない...海に入る前には身体を清める為にああやって海水に浸かる必要があったんだ....」
「....でもそれだったら俺に言ってくれれば良かったじゃないですか」
「やったから分かるとは思うがこの儀式はかなりキツい。だから自分の意思だと途中で辞めてしまう事が多いんだ。だから少し身動きを取れなくさせて貰った」
「....!」
「伝えなくてすまなかった!恨むなら恨んでくれ!でも、お前凄い楽しみにしてたから是非とも入って欲しかっただけなんだ....」
「恨む訳ないじゃないですか!」
「許して....くれるのか?」
「当たり前ですよ!」
「そんなに俺の事考えてくれてたなんて....」
「ありがとうございます!ラズルのお陰で俺は念願の海に入る事が出来ます!」
「グラウィス....!」
「ラズル....!」
分かり合った2人は砂浜の上で固く抱き合った。
普段は大根役者のラズルも、こういう時だけは無駄な演技力を発揮していた。
(計画通り...!)
しかし、後に水着姿の男とふんどし姿の男が激しく抱き合っているという噂が流れるのは計画外であった。




