夏休み[20]
クイナ達がそれぞれ森に散ってから30分程が経過すると、4人が一斉に帰って来た。
「あっ!ラズルー!皆帰って来たぞー!」
「お、良かったこっちも丁度終わった所だ」
「いやー、ラズルも中々良い事思い付くんだね!我ながら良い出来だよ!」
「そうか!それは何よりだ!」
再びラズルは皆に見られぬ様に悪い笑みを浮かべる。
「ラズルさーん!良い食材沢山採って来ましたよ!」
「僕も食べられそうな物片っ端から採って来たから種類豊富だよ!」
「考え過ぎてあまり採れませんでした....」
「いくら食材が良くても腕が無いと勝てないよ~」
「それもそうですね。じゃあ早速作って白黒つけましょう!」
「良し、あそこに調理場を作っといたからあそこでそれぞれ何かを作ってくれ。制限時間は無い!」
「それともう1つ、お前らのやる気を更に上げる物を用意した!」
「えっ?!何かあるの?!」
「この勝負で優勝した者には何と!豪華商品をプレゼントだ!」
「お~!」
「豪華商品とは?」
「それは勝ってからのお楽しみだ」
「これは余計に負けられないね!」
「私も絶対負けませんよ!」
「んじゃ早速......始め!!」
ラズルの合図に4人は急いで採って来た食材を調理場へと運び、それぞれ料理へと取り掛かった。
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4人の中で最初に完成したのはアリアだった。
「で、出来ました....」
アリアが持って来たのは何かの肉と、いくつかの植物が入ったシンプルなシチューであった。
「おっ、じゃああいつらも呼んでやるか」
「【召喚魔法】ネラ」
ラズルは異空間と【収納箱】からネラとルーちゃんとヤーちゃんを呼び出した。
「キュウ!」
「ラズル様!おはよう御座います!」
「もう...駄目じゃ....」
沢山寝たのか元気いっぱいのネラ、何故かスッキリとした顔で清々しい挨拶をするルーちゃん、そしてこれまた何故か干からびて死にそうになっているヤーちゃんという、同じ様な場所から出て来たのにも関わらずそれぞれ違った状態で出て来た。
「おはようネラ。おはようルーちゃん。そしてお休みヤーちゃん」
「不吉な事を言うで無いわ!」
「はいはい、これから飯だから早く席に着いてね~」
「....妾の扱い他の2人と違わんか?」
ぶつぶつと不満を呟きながらも素直に用意された席へと座る。
そして合計7人の審査員が席に着いた所で冷めない内に早速シチューを頂く。
「....ふむふむ」
「ど、どうでしょうか?」
少し自信が無さそうに審査員へと感想を求める。
「美味いっ!こんなシンプルな見た目なのにしっかりと味が染み込んでるな!」
「そうですね。それに身体も温まります」
「あ、ありがとうございます...!」
余程緊張をしていたのか、アリアは審査員からの好評を貰って安心した様に顔を緩めた。
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次に料理を持って来たのはロロだった。
「出来たよ~」
「よっしゃ!ロロ姉の料理だ!」
ロロの料理は森の豊富な食材をふんだんに使ったピザであった。
「お前凄ぇな?!」
「森にあった木の実を潰してから伸ばして生地を作ったんだけど中々上手く出来たと思うよ~」
「お、おう。んじゃ早速....」
「「「「「何これうっま....」」」」」
「キュイィ....」
「ふむ...人間の料理も中々良....」
「はいルーちゃん食事は静かにしようね」
危うく周りが不思議に思う様な発言をしようとしたルーちゃんの口を即座に手で塞ぐ。
幸いにも他の審査員はあまりの美味しさにそんな危ない発言は聞こえていなかった様だ。
「やっぱロロ姉だな....」
「妹ながらあっぱれだよ....まぁ私には及ばないけどね!」
「ふっふっふ、優勝は貰ったぜ~」
そんなふざけた事を言ってはいたが、いつもはあまり表情が変化しないロロも、自分が作った料理を誰かが美味しそうに食べている光景を見る時は自然と笑顔になっていた。
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最後に残ったのはクイナとフランの2人、どちらが先に終わるかと見ていると、なんと2人同時に終わり同時に料理を持って来た。
「僕の方が少し早かった!」
「いや、私の方が早かったですよ!」
「いやいや、僕の方が少しだけ早かったね!」
「いやいやいや、私の方がほんの少しだけ早かったです!」
「いやいやいやいや僕の....」
「良いから早く置けや」
「「........はい」」
そんなララとロロの姉妹喧嘩以上に下らない争いは呆気なく終わり、結局2人同時に料理を出すのであった。




