夏休み[19]
ラズル達は村を出てから数十分程歩いた森の中で寝泊まりする為のテントの準備を終え、次に何をするかを話し合っていた。
「皆の衆集まれぇい!!」
「どうしたんですか?そんなにはしゃいじゃって」
「皆の衆に1つ!質問をしたい!」
「森に来たのは良い。キャンプをするのも良い....けどさ」
「キャンプって何すんの....?」
「さっきのテンションは何だったんですか?!」
「それはやっぱり自然を楽しんだり、皆でバーベキューなんかの料理をしたりと色々あるんじゃない?」
「なるほど...」
「ラズル、俺先に飯が良い!もう腹減っちまったよ!」
「おう、じゃあ先に飯食ってその後に何かするか」
「賛成ー!」
「じゃあ早速準備を....」
「待てぇい!!」
「はぁ...今度は何ですか?」
「ふっふっふ、良くぞ聞いてくれた!」
「丁度今!面白いことを思い付いた所だ!」
「面白い事?!何々?!」
「皆で料理対決とかどうだ....?」
「だからテンション?!どんどん下げるんじゃなくて上げて下さい!」
「面白そうだね~」
「良いね!やろやろ!」
「料理対決....良いですね!その方が食事も楽しそうですし」
「僕も学園祭の時から少しは練習したからね!絶対にロロに勝つよ!」
「私に勝てるかな~?」
「そうだラズルさん!以前学園祭の時に決着が付かなかったあの勝負、今日この場で決着付けましょうよ!」
「いや、今回俺は審査員だ」
「むぅー....折角決着付られると思ったんですが」
「また今度な?それじゃまずこの対決をやりたい奴手を挙げてくれ」
手を挙げたのはラズル、グラウィス、ルル以外の女性陣全員であった。
「なるほどなるほど、じゃあ料理対決する奴はクイナとフランとアリアとララとロロだな」
「....ラズルちょっと来て~」
「ん?どうした?」
(「ララは……………」)
ロロはラズルを近くに呼び、耳を借りると何かをゴニョゴニョと話す。
そしてその話を聞いたラズルは顔が一瞬固まったが、直ぐ様ほぐすと話を再開した。
「じゃあ審査は俺とグラウィスとララとルル、そんでネラとルーちゃんとヤーちゃんの7人だ」
「あれ?私もや....」
「ルールは簡単だ!この森には様々な動物や植物などの食材がある。そしてそれらを自分の手で採って来て、その採って来た食材だけで料理を作って貰う。以上!」
「分かりました!」
「良し!絶対に勝つ!!」
「まずはどの様な食材があるのかを見ないといけませんね....」
「やるぞ~」
そして4人はそれぞれ気合い十分な様子で四方へと分かれた。
「....ロロに何を言われたの?」
「いやな?何やらお前らが子供の時に親父さんに料理を作ったらしいんだが、その時ララの料理があまりの美味しさに親父さんが昇天し掛けたと聞いたからさ、流石にこんな所で死ぬ訳にもいかないから今回は審査員で我慢してくれ」
「...!何だそういう事か!もー!ロロも素直にそう言えば良いのに~」
「ははっ...ソウデスネ」
その事を聞いて気分を良くしたララ出発したばかりの4人をまだかまだかと待っていた。
(....親父さん良かったな、偶々その時居た客が回復魔法得意な奴で)
「ネラやルーさん達はまだ呼ばないんですか?」
「多分ネラはまだ寝てるし、ルーちゃんとヤーちゃんは今頃【収納箱】の中で仲良くしてるだろ」
「ラズルー、腹減ったー」
「まぁ待て待て、もう少し経ったらロロが美味しい物作ってくれるぞ?」
「っ..!そういや姉ちゃんの料理なんて久し振りぶりだ....」
「ロロの料理は本当に美味かったから俺も楽しみだ!」
「ルル、待ち切れ無かったら私が何か作って上げようか?」
「いやまだ全然我慢出来るから大丈夫」
「そう?いくら美味しいと言っても本当に死ぬ訳ないから遠慮せずにね!」
「うん...アリガトウ」
「ルル...お前まさか....」
「....思い出させないでくれ。あの地獄はもう2度と見たく無い」
「....大変だったんだな」
「うん...」
「....あっ、良い事思い付いた」
「え、何?!」
「それは後のお楽しみだ!」
「えー、教えてくれよ!」
「大丈夫大丈夫、絶対面白くなるから」
「ララー!ちょっとこっち来てくれー!」
「ん?分かったー!」
ラズルは3人に背を向ける。
しかしその顔は何か悪い事を思い付いた悪人の顔であった。




