ウェブ発じゃない受賞ラノベ書籍を読みました!つかみの弱さを思い知った男の話
1 最初に
まぁこれは特定の知人にあててるようなもんなので(アマゾンのレビューに書く気がしなかったので)
代わりにここに書こうかなぁと思います。
いくつかエッセイ、レビューで検索しましたが商業作品の実作品名を出してのレビューをしているものが見つけられませんでしたので僕もなろうはそうなのかな、と思ったので受賞作の名前は書かないので宣伝にならないかもしれない…気になった人はツイッターででも朱蓮@なろうチャレンジ(今使ってる名前)さんに聞いてください。
こういう文章書くと自らの賢さの足りなさをものすごく感じますね…読書をしよう!
2 本題
ということでここ最近某ラノベのたぶん位置的には大賞の次にすごい、立ち位置的にも1000を超える作品の中で二番目、という作品を読みました。
僕は自らの実力やらは棚に置いといて定まった評価のない人の作品っていうのは大体上から目線で読んでしまうので(その際の言い訳がお金を出してるからちょっと上から目線でレビューしてもいいよなぁという傲慢)今回もなんとしてでも重箱の隅っこをつついたるぞ!という意気込みで読みました。
正直、その時期はなろうの伸びないPVに理解されない芸術家気取りな感情がむくむく沸いていたのでそれががっつり殴られたような気分でしたね。
僕が個人的に尊敬しているP.P.ピンカートン先生の世界的ベストセラー「象を一撃で倒す文章の書き方」によれば「最高の書き出しというのはとどのつまりそれでぜんぶ終わっちゃうような一文のこと」とあるのですが実際そんな一文をかけてしまえばページ一枚ですべて終わってしまいますね…以上CM終わり
話がそれましたがエンタメ小説のハウツー本でよく言われるつかみの重要さのお手本というか体現したような始まりでした。
なるほど、こういう感じでいけばいいのか、と大昔の作品やウェブ小説の作品だったら参考にしてパクっていただろうなって感じの。
インパクトのある、それでいてその小説の設定の一番の特徴であるものを最初にドーン!って出すことですんなり世界観を示す、と同時に物語の軸になるキャラとの対立や協力関係もぶち込まれている。
なおかつ主人公とヒロインがイチャイチャせざるを得ない理由をお話に必要な設定として盛り込んでいる。
平々凡々気取りの主人公が実はそうじゃない何かすごさをもってる、と思わせる要素も盛り込んでる。
ラノベのスタートのお手本を見せられたような気がしてるし中学生の頃の俺ならテンションが上がっていただろうなぁということは想像に難くない内容。
まぁ勝手にライバル心を持っていたので素直に読書を楽しむよりもどこが評価されるポイントと勝手に分析をさせてもらっていたんですがやっぱり最初のつかみ、これがうまいなぁ…この辺で上から目線やめて素直に本編を楽しもうという気持ちに切り替えられました。
圧倒的実力差を見せつけられると人は素直に頭を下げることができるのだ。
本編は王道なんですが王道でセオリーをはずさないってことは強い。というのを思い知らされ、サブイベントで示された要素が本筋に回収されていきつつ、最終的に主人公の持っている特異性、が冒頭のシーン、そしてクライマックスにつながったところを見て、あ、これはウェブノベルのほとんどができないことだわ…やっぱり1冊というスパンで見て作品を作るラノベ作家とウェブノベルって別のベクトルがあるなって思い知りました。それを構成力というのかはわからないんですけど。
どちらが上とか下とかはないんですがウェブ小説の大半がお話が着地する前にどんどん投稿していったり、読者の反応でお話の方向決めたりというのがあると思うのでその差が出てるな、と感じます。
もちろんウェブ小説にこれは伏線にしようなどの構想が全くないとは思わないんですがやっぱり延々と新しい燃料を入れて走り続けている、結局考えた伏線を盛り込める状況に持っていけなくなるってよくあるとおもうんですよねぇ。というか大概のウェブ小説は主人公の能力を秘密にせずに初手で明かすことがほとんどなのでそういう、なるほど最初のシーンはこういうことだったのか、ってならないことがほとんどないのかなと。初手で能力(の秘密OR圧倒的具合)でインパクト見せないと多分PVがついてこないからだと思うんですが。
その点、プロット建てて一度完成させて頭からたぶん読み直して修正っていうのをラノベへの応募作はやると思うんですがだからこそクライマックスの盛り上がり、その解決策へ最初のシーンからのつながりがかっちりはまった時の気持ちよさってたまらないな、と思います。
僕はあまりたくさんのウェブ小説は読んでいるわけではないのですが一番の盛り上がりのシーンが圧倒的なパワーだったり培ったコネで解決する、っていうパターンの方が多くて、あの時のこれでこうなったのか!という場面にはあまり遭遇していないのでなおさらそう思うのかもしれません。
メインにかかわらないところだと個人的にはこんなに次から次に登場人物を出していいのか?というのが衝撃的。というのも今現在投稿してるのが実質4人ぐらいしかメインキャラがいないものを書いていたのでこんなにサブキャラ出して最後に収集つけられるのだろうかってことを勝手に思っていたわけです。でもその少ないワンシーンワンシーンでキャラ立てて背景を示すと同時にお話の別の横の広がりが出て、このキャラとだったらきっとこういうサブストーリーだったり展開があったりするのかも、という妄想の材料を残している。つまり風呂敷は広げきれてないって次への期待感につながってる。強いね。
僕が年若いころは当たり前に感じてたラノベの流れや要素というのをいざ書き始めるとそれを自然に盛り込んでいくことってすごい難しいな…って読んでる間に自らならどこまで行けるだろうかって考えてしまいました。
これが僕がまったく書く方向で関わろうと思わないSFとか本格ミステリのお話だったりしたら頭空っぽで読めたんですけど。僕も次は学園バトルラノベがやっぱりナンバーワンやな、とか考えていた時期だったのでなおさら。
あと一番おいしいところの設定をもう読者にはわかってるのに引っ張りに引っ張りまくって次のお楽しみ!と預けられたのでそれがずるい…というかずるいと思わせた時点で勝ちだよな。やはり歴史があると正ヒロインに見える。
もうちょっと筋道立てて一つの読み物として完成した感想を書きたかったんですがその辺は自らの学と文章能力のなさを改めて思い知らされました。
向上心を上げたい…
3 終わり
ちなみに審査員コメントは会話劇をすごくほめていたんですがその辺はもう感性が死んだおじさんなのでなるほど、今の若い子にはこんな感じのテンポとノリが受けるのかな?と朝のニュースで女子高生、女子大生の流行を紹介コーナーを見てるような気持になってしまった…もっと若々しい感性を持ちたい!
自分が10代の時40代のおっさんが書いたラノベを読んでくっさ、滑ってるわと思ったのと自らが今同じ道を歩んでいると思うと初期衝動を持ち続けることって才能だよね!
今回の読書は面白い以上になるほどと刺激を受けた部分の方が大きかったので久しぶりにラノベの受賞作を読んでみてよかったなぁってお話です!
気が向いたらもっとましな文章にします