心優しき風景 ～とんこつ毬藻 創作詩集～

きみのリアル

まっくらやみがこわいから

てもとのひかりにすがりつく

こっちのせかいはおいしいよ？

ぼくにきこえるあまいさそい

そっちはてんごく？　それともじごく？

いいえ　そこはむ(・)のくうかん

たのしさも　やすらぎも　なんにもない

おいしいものをたべたとき

ほらきみはわらってるよ？

つらいことがあったとき

てをさしのべる　あたたかいて

まっくらやみだと　みえないもんね

てのひらにひかる　ブルーライト

たしかにあかるくみえるけれども

きみのリアルはそこじゃない

きみのリアルはきんもくせいのかおり

きみのリアルはハンバーグのかおり

きみのリアルはたんじょうびを

いわってくれるかぞくのこえ

ブルーライトのむこうがわ

やさしいことばもたくさんある

そこにまぎれる　あまいさそい

あくまのさそいにまどわされないで

きみにながれるそのちしお

きみにあふれるそのいしが

いきるちからになるんだよ

あきらめないで

ひとりでくるしまないで

だれかがきっとみてるから

まっくらやみがこわいから

みえなくなってしまうけれども

めのまえにいるたいせつな

えがおにきづくことがリアル

いっぽふみだすそのゆうき

てのひらにかみしめて

もうすこしあがいてみよう

きみのリアルはむげんのかのうせい

ほら　きぼうはもうすぐそこに