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魔法騎士と召喚師の王女  作者: ジョナサン
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高校潜入編〈下〉 4

とある日、幸村とステアは三枝たち生徒会メンバーに加わることとなり、副会長に実践形式の試合を申し込み、これに勝利し幸村の魔法の力を見せつけた。

そんなある日、幸村は意外な人物から組織の名が明かされる。叩かれる前に潰すことが決まり、三枝に組織の名を明かした上で組織壊滅をしてほしいと任務が言い渡された。

そして、幸村は持っている魔法を駆使して敵組織の壊滅に挑む。

後暦(こうれき)380年4月27日 午前7時35分

本日の天気は快晴で雲ひとつもない良い天気になった。幸村とステアは二人揃って登校していると背後から三枝が手を振って駆け寄った。

「幸村くーん♪」

三枝は幸村の名前を呼んで笑顔で挨拶をした。

「会長、おはようございます」

幸村は三枝の元気な挨拶に戸惑い立ち止まって挨拶をした。

「おはようございます」

ステアは一礼をして挨拶を済ませると三枝はステアを見て話しかけた。

「ステアさん、今日のお昼は予定あります?」

「えっと・・・」

ステアと幸村はお互いに見つめると無言で頷き誘いに応じることにした。

「じゃあ、お二人には生徒会室に来てほしいの」

「分かりました・・・」

幸村は素直に返事を受け取りその場を立ち去った。


午前11時53分 教室

幸村たちは歴史の授業中で教壇に立っている先生は教科書に書かれていることを音読した。授業は第一次古代魔法戦争の経緯と第二次古代魔法戦争についてだった。

「まず、最初の第一次古代魔法戦争のことの発端は魔法が使えた人間と使えなかった人間との差で起こったものです」

最初の第一次古代魔法戦争は魔法騎士の圧勝で終わり、非魔法者は徹底的な差別を受けながら生きていたと説明された。

「そして、次に起きた第二次古代魔法戦争は中央大陸の離反によって開始されました。また、第二次古代魔法戦争を終結した英雄が居ます。その名は・・・」

「・・・・・・!」

幸村は自身の名前を口にされるのではないかと全身に震えが走り右手がガクガクしているのが分かり、左手で押さえつけて震えが止まれと祈り続けて先生は息を吸い口に出した。

「その名はグラオザーム・シュトゥールガングです 」

「ふぅ・・・」

幸村は自身の裏の名前を呼ばれ誰にも分からないほどに小さく溜め息をついて自然と震えが止まったのが分かると冷や汗を拭った。


午後12時33分 生徒会室

幸村とステアは生徒会室に着くと幸村はドアをノックした。中から三枝の声で『どうぞ~♪』と聞こえたのでドアを開けた。

「失礼します」

幸村は一礼してドアを静かに閉めた。ステアも後に続いて一礼した。

「いらっしゃい、幸村くん、ステアさん」

長机の先に座っていた三枝は笑みを浮かべて二人を歓迎した。

「入学式でも紹介したけど改めてするわね。私の隣に座っているのは生徒会会計の萩原千明(はぎわらちあき)。通称はちーちゃん」

「私をそう呼ぶのは会長だけです」

萩原千明という女生徒は水色のストレートヘアーに同じく水色の瞳をしていて、落ち着いた雰囲気を出している。

「それから昨日会ったと思うけど」

「風紀委員長の貴嶋亜莉沙だ」

「そして、その隣は生徒会書記の実里麗奈(みさとれな)よ」

「宜しくお願いします」

実里は立ち上がり一礼した後に着席した。

「後は副会長の新川劉一(しんかわりゅういち)を加えて生徒会役員です」

「あたしは違うがな」

亜莉沙は手を左右に振り否定した。

「それでどのようなご用件ですか?」

ステアはやや緊張しながら質問をした。

「先日の騒動は知ってるだろう?」

三枝の隣に座っていた三嶋亜莉沙は二人を見つめて本題に切り出した。

「ええ、もちろんです」

幸村は言い訳をすることなく真っ直ぐ亜莉沙を見つめた。

「あの後、三枝と話し合い君を風紀委員に加えたらどうかという結論になったんだ」

幸村も予想外なことに目を見開き反論した。

「ちょっと待って下さい。私は返事はしてませんよ?」

「返事は必要ないぞ。これは決定事項だ」

亜莉沙はやや強引に幸村の反論を跳ね除けて私の勝ちだという顔をした。

「なぜ私なのか理由が知りたいです」

幸村はなぜ自分が選ばれたのか不思議で理由を三枝に訊ねた。

「この学校にはね、最上生の生徒と最下生の生徒が対立しているの。そこで幸村くんには最下生にいる生徒の見本となってほしいの。最下生に魔法が強い生徒がいることを証明したいの」

三枝は最上生と最下生には障壁が存在しないことを証明したいために幸村が選ばれたことを話した。

そしてステアも同様に生徒会メンバーに迎えようと提案した。

「ステアさんは書記として在籍して麗奈ちゃんに仕事内容を学んでください」

「はい」

ステアが選ばれることは分かってはいたが、幸村は簡単に折れなかった。

「ちょっと待って下さい。私の意思はどうなるのですか?」

「そんなことは関係ないさ。全員一致で可決された」

幸村は納得出来ないことなので怒りをぶつけた。そして肝心なことを聞き出していないと口に出した。

「それに風紀委員が何をするのかも聞いてません」

幸村は亜莉沙を睨んで説明を要求する視線を送った。

「風紀委員の仕事は学園内で魔法を不正利用した生徒の摘発するのが仕事だ」

「私は魔法実技が悪くて最下生なのですよ!」

「そんなことは関係ないさ。力比べならあたしがいる」

またしても、押しきられて要求を飲むしかなかった。

「分かりました・・・」

幸村は諦めるしかなく風紀委員に入ることを受理した。

「それじゃあ、放課後にまた来てくれ」

そう言い終わると昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。


17時25分 廊下

幸村とステアは二人きりで生徒会室に繋がる廊下を歩いていると幸村は自分では風紀委員に役不足だと思い辞退を表明しようと生徒会室のドアを開けた。

「失礼します」

幸村はドアを閉めて前を向いた。

「失礼します」

ステアも一礼をして三枝に視線を向ける。

「いらっしゃい、幸村くん、ステアさん」

三枝は笑顔で二人を向かい入れると他の皆は事務作業していて、窓際にいる新川劉一は二人に近づくと幸村を無視してステアに話しかけた。

「ステアさん、こんばんは」

新川のした行動にステアは敵意を向けるが幸村本人は気にすることなく亜莉沙は話しを続けた。

「風紀委員の件だが・・・」

亜莉沙はそう言うと男子生徒が間に割って抗議した。

「風紀委員?この最下生のことですか!」

「そうだが、あたしを前に差別用語を口にするとは良い度胸だな」

「今さら取り繕っても無駄でしょう」

亜莉沙は新川に対してキツい視線を流した。

「言っておくが、彼はどの魔法が発動されるのか分かる眼を持っている。それだけでも抑制される」

「有り得ませんよ!魔法式なんて何千、何万、何億通りの種類があるのに一瞬で理解するなど」

新川は幸村に対して敵意を剥き出すと幸村本人は涼しい顔で表情一つ変えなかった。

「会長、私は副会長の立場からして任命を反対します」

新川は三枝に向き直り両手を後ろにして抗議した。

「えっと・・・」

三枝は気まずい雰囲気に狼狽えてしまいアタフタしてしまった。

「それなら模擬戦をしてみたら分かります」

ステアはそう言うと新川は溜め息をついた。

「ステアさん、魔法騎士たるもの冷静を欠いてはダメです。眼を曇らせてしまうのは危険です」

「冷静を欠いてはいません!幸村は誰よりも強いです!」

ステアは力強く言うと幸村に制止をかけられ余計なことを言ってしまったと視線を俯くと幸村はその提案に乗ることを決めた。

「新川先輩、確かに模擬戦なら実力を見るには相応しいと思いますが」

「最下生の分際で・・・」

新川は怒りの眼差しで睨むと幸村は僅かに微笑した。

「ふっ・・・」

「何がおかしい!」

「先輩は言いましたよね?魔法騎士たるもの冷静を欠いてはダメだと。姫様の眼が曇ってないことを証明してみせます」

幸村は先程言ったことを復唱して新川を挑発すると歯を噛み締めた。

「良いだろう、身のほど教えてやる!」

劉一は模擬戦の場所を指定して生徒会室のドアをキツく閉めた。

「なんだか厄介なことに付きあわせてしまったな」

亜莉沙はお手上げと言わんばかりの溜め息をついた。幸村は亜莉沙に同情するように溜め息をつくと準備に入った。

18時22分 第一演習場 廊下

幸村とステアは並行するように歩いてるとステアは自分のせいで幸村に迷惑をかけたことに眼を潤ませていた。

「幸村さま、私は・・・」

「君が気にすることはない。君は君らしくしてくれ」

優しく頭を撫でて涙を拭った後に互いの唇を優しく絡ませた。

「んっ・・・幸村さまは強引ですね」

「君は昔から泣き虫だからね。安心感を与えないと」

「ふふ・・・幸村さま、ご武運を」

「ああ・・・」

第一演習場に入ると新川劉一、三枝由姫、萩原千明、貴嶋亜莉沙、実里麗奈が既に到着していて幸村は持参していた白銀のトランクケースを開けると二丁の真紅の拳銃と魔力カートリッジが6本が納められていた。

そのうちの一丁の拳銃を手に取り魔力カートリッジを装填して戦闘準備を完了し、新川劉一の前に立った。

「それではルールを説明する」

貴嶋亜莉沙は立会人として戦況を見守ることにした。

「相手が降参するか試合続行が不能だと判断したら勝ち。武器の使用や体術は使用可能とする。ただし、相手を負傷させる魔法の発動があれば制裁を加える。以上だ。質問は?」

「それで構いません」

幸村は拳銃の銃口を下に向けたまま答えた。

(まず相手は発動タイミングの速い魔法を撃ってくる。それをすかさず反動魔法で相手を壁に激突させて試合終了だ)

新川は頭の中で相手の行動パターンや勝利の方程式を組んで自分が勝つと予想づけた。新川はリストバンド型のデバイスを幸村に向けるように手を添えて魔法発動の準備の体勢に入るが幸村は銃口を下に向けたまま棒立ちの状態で戦闘準備をしていた。

「それでは、始め!!」

亜莉沙の開始の合図と同時に新川はリストバンド型のデバイスにテンキー入力して魔法発動するだけだったが、幸村は最初から後ろに居たかのように一瞬で移動したと同時に新川はうつ伏せで倒れた。

「・・・・・・・」

周りの人たちは何が起きたのか分からず静寂が場を支配していた。ステアは絶対勝つと信じていたので満面の笑みを浮かべた。亜莉沙は少々動じながら幸村に軍配を挙げた。

「・・・しょ、勝者、神田幸村!」

幸村は新川に一礼をしてステアの元に歩み寄った。

「姫さま、勝ちました」

「幸村、ご苦労様」

ステアは幸村に労いの言葉をかけると幸村は拳銃をトランクケースに収納しようとしたが亜莉沙は呼び止めた。

「待て」

幸村は亜莉沙に向くと更に言葉を繋げた。

「今のは予め加速魔法を展開していたのか?」

亜莉沙は今の動きを魔法と捉えていて幸村に質問をぶつけると澄ました顔で答えた。

「いえ、今のは体術のうちの一つです」

そう言うとステアはつけ足して説明を加えた。

「幸村は八雲師匠の元で修行していた魔法騎士です」

「なっ!?あの八雲師匠の弟子だと!?」

亜莉沙と三枝は八雲師匠の名前を聞いて驚きを隠せなかった。八雲師匠は滅多に弟子を取らない上に気に入った人物がいない限り積極的に動こうとはしない人物であることを聞かされていたからである。

「しかし、それだけの戦闘能力があるなら実技の点数が悪いのは何故だ?」

一同は幸村に視線を向けると僅かに微笑して答えた。

「体術などは採点項目に記載されてませんから」

「それじゃあ、今の攻撃は魔法?何だか魔力とイデアが放出したように見えたけど」

三枝が幸村に質問すると正解したようで幸村は答えた。

「正解です。正確には基本的な固有振動を相手にぶつけただけです」

「ん?でも、振動をぶつけただけで新川君が倒れた理由が分からないわ」

振動だけでも相手の動きを封じることは可能だが相手が倒れるには不十分と言える。

「酔ったのですよ」

「酔った?」

三枝は酔ったという意味が分からなく聞き返した。

「魔法酔いと言う現象をご存じなら分かる話しですよ」

「確か魔法発動直後に出る症状ですね」

萩原千明はタブレットに目線を向けて口を開いた。

「ええ。魔法酔いは個人差ですが、なりやすい人となりにくい人がいます。なりにくい人は魔法を連続発動しても平気ですが、なりやすい人は発動した後に一息をおいて使わないといけません」

魔法酔いは訓練していれば多少なりとも楽になるになるようで、魔法騎士の人間には致命傷になりかねないものである。

「振動だけで相手を倒すとなると異なる波を複数作らないといけませんね。まさか・・・」

千明は目線を幸村に向けると驚きの表情を見せた。

「波は三つ。一つは大波で体全体を揺さぶり視界を不安定にする。もう一つは脳波を揺らして魔法集中を妨害して立てなくさせる。最後に魔法演算領域に負荷をかけさせて魔法を発動させないものです」

「・・・・・・」

一同は幸村の発動させた魔法に絶句していた。幸村の持つサード・トリビュートは三つの異なる波を同時発生させて相手に昏倒させる魔法である。

実里は幸村の所持している拳銃に眼を輝かせていた。

「あの、幸村くんの持っているデバイスはルビー・アイギスですよね♪」

「ルビー・アイギス?あのアイダス・ミラージュ社が10個の限定生産して突如として生産中止となった変形型武装デバイス?」

三枝はそう聞くと実里は眼を輝かせたまま三枝に力説した。

「そうです!アイダス・ミラージュ社の最高の出来だったと言えるデバイスです!」

「なるほど。何だか凄いものを持っているのだな」

亜莉沙は感心していると新川が意識を取り戻して足元が覚束ない状態で立ち上がった。

「魔法による評価は魔法の発動速度、正確さで決まるか。なるほど、実技でも計れない所があるのだな」

ふらふらと壁にぶつかると三枝は心配して新川に話しかけた。

「新川君、大丈夫?」

「だ、大丈夫です!」

意識がはっきりすると慌てた表情した後にステアの方に視線を向けると歩いて行った。

「ステアさん、先ほどの発言は申し訳ない。眼が曇っていたのは僕の方だ」

謝罪の言葉を口にして謝った。

「私も先ほど生意気なことを言ってしまいました。お許し下さい」

ステアも同様に謝罪の言葉を口にして謝った。謝罪が終わると新川は幸村を見ると踵を返して演習場を後にした。

「さて、予想外なことが起きたが幸村は一旦、風紀委員室に行こうか」

亜莉沙はそう言うと幸村を風紀委員室に案内した。

風紀委員室に着くと長机には大量の書類やデバイスが乱雑に置かれていて見苦しい光景が広がっていた。

「適当に座ってくれ」

「貴嶋先輩、ここを片付けても良いですか?」

「構わないが何故だ?」

亜莉沙はそう訊ねると幸村はデバイスを手に取り整頓して言った。

「この光景は私にとっても苦痛なんですよ。魔法技師志望にはね」

「魔法技師?軍に仕えたりしないのか?」

「私には遠すぎる夢ですから・・・」

あらかたの整頓が終わると男子生徒が二人入ってきた。

「本日の巡回完了しました。逮捕者は0人です」

男子生徒の一人が報告終えると亜莉沙は長机に座って聞いた。

「そうか。ご苦労だな」

「ん?委員長、そいつは新入りですか?」

もう一人の男子生徒が聞くと幸村のエンブレムを確認すると呟いた。

「根か・・・」

「木内、それは禁止用語だ。この場合は最下生だ」

もう一人の男子生徒が注意していると亜莉沙は二人に注意した。

「お前たち、こいつを一目見て油断すると足元すくわれるぞ?ここだけの話だが、先ほど新川と正式な模擬戦で勝ったところだ」

「本当ですかい?」

「これは逸材ですね」

男子生徒二人は幸村の実力を聞くと大喜びして手を差し伸べた。

「俺は二年の早河柳三(はやかわりゅうぞう)だ。宜しくな」

「同じく二年の木内速人(きうちはやと)だ」

二人は幸村の入部するのに歓迎していて笑みを浮かべていた。

「どうだい?ここは悪くはないと思うが?」

亜莉沙は幸村を見て言うと戸惑いはしたが早河の手を握り紹介した。

「一年の神田幸村です」

僅かに微笑して風紀委員の入部を決意した。


午後20時50分

幸村とステアは自宅にあるデバイスプログラム室にいてステアのデバイスの調整をしていた。

「幸村さま、やはり私には高速で相手を無力化できる術が欠けていると思うのです」

「うーん・・・君の場合は広範囲における闇魔法や炎魔法があるから必要ないと思うが・・・」

幸村はステアが魔法発動したときのシュミレーションを電子モニターに流して検証していた。

「ダメですか?」

ステアは眼を潤ませてどうにか出来ないかと頼み込んだ。

「分かった。何とか手持ちの魔法を削らずに追加できるようにしよう」

ステアは指輪型デバイスを幸村に渡すと電子プラグを指輪に繋げるとそこには使える魔法リストが表示されていて、空きは幾つか存在していて、ステアは着ていたメイド服を脱ぎ下着一枚の状態になった。

「・・・・・・」

ステアは体を縮こめ赤面の表情をした。その理由は幸村か見つめていたからで恥ずかしさも含められていたからである。ステアは体全てにスキャニングしてどの魔法が適性かを調べた。魔法騎士にとって適性でないものを使うと魔法発動しないことや魔法が暴発して相手を殺しかねないので絶対にしなければならない工程の一つである。

「お疲れさま、ステア。もう終わったぞ」

幸村はステアの魔法追加が終わると自らのデバイスのメンテナンスに取りかかった。ステアは再びメイド服に身を通すと幸村に寄りかかった。

「ステア?」

幸村は背中越しに柔らかい物が当たる感覚がして動揺した。

「幸村さま、私のことお好きですか?」

「急にどうした?」

幸村は突然聞かれて戸惑った。ステアは幸村の手を覆いかぶさるようにして手を置いた。

「やはり三枝先輩のような優しい方が好きですか?それとも貴嶋先輩のような凛々しい方が好きですか?」

「どうしてそんなことを聞くんだ?」

幸村はステアの方に向き直ると涙を拭った。

「私はまた一人になるのではないかと不安なんです・・・」

「君を一人にはさせるものか。ただ一人の最愛な妻だからな」

「約束ですよ・・・」

幸村はステアを優しく抱きしめお互いに唇を交わした。


後暦380年4月28日 午前7時10分

一人の人物が物陰から幸村を監視して気味の悪い笑みを浮かべていた。

「ふふふ、弟くんはっけ~ん♪」

自宅にいる幸村を発見したついでに挨拶代わりに遠距離魔法で襲撃すると幸村は魔法感知してステアの元に駆け寄った。

「! ステア、伏せろ!」

ステアを抱えるようにして攻撃を回避するとリビングの窓ガラスがバラバラに破壊された。

「幸村さま!」

突然の襲撃でステアは驚き幸村の身を案じた。幸村はケガ一つなく立ち上がりステアに手を差し伸べた。

「私は大丈夫だ。君は?」

「私も大丈夫です・・・」

ステアは差し伸ばされた手を受け取り立ち上がった。

「この魔法はもしかして・・・」

「ああ、あの人だ」

幸村は既に感づいていたので後は索敵魔法で居場所を突き止めるだけだった。

「・・・・・・・」

幸村は意識を集中させて相手が潜伏している場所を探った。千里眼---幸村は索敵魔法が達人の域を達しているので街全土あるいは障害物があっても敵を探せるほどになっている。 相手の居場所が分かると幸村は瞬間練成で弓と弓矢を発現させた。

「チェックメイトです」

弓矢を力いっぱいにして放つと相手の腹に弓矢が刺さり相手は空間移動の魔法で幸村に近づいた。

「ちょっと~・・・女の子のお腹に弓矢を当てないでよ」

「やはり貴方ですか、姉さん」

幸村の姉である真田麗花れいかは天使(エンジェリック)計画の第二成功症例で弓と剣術の達人であり、魔法演算領域は幸村とは比較できないほどの人物である。麗花は腹に受けた弓矢をそのままにして幸村と会話した。

「弟くんも相変わらずデタラメな魔法使うのね。私ではマネできないわ」

「それはそうと姉さん、弓矢を抜きましょう。そのまま会話しているのは気味が悪いです」

「それもそうね・・・」

幸村の指摘により弓矢を抜くと再生(リジェネレート)が発動して傷口が塞がれていき元の綺麗な状態になった。引き抜かれた弓矢はポリゴン状の粒子となり消失した。

「それから窓を直して下さい」

「はい・・・」

麗花は修復魔法で窓を一つ一つ綺麗な状態に戻すと本題に移った。

「実はね、ある組織が動き出したの」

「今さら取り繕っても無駄ですよ?」

「う~・・・あげ足取らないでよ!」

幸村にからかわれて可愛らしく怒るとそっぽ向いた。

「姉さん、からかいが過ぎました」

「ふ~んだ・・・弟くんなんか知らないんだから」

幸村は何としても組織の名を聞きたいので麗花の機嫌取りをした。

「どうすれば許してくれます?」

「耳元に『愛していますから教えて下さいお姉さま』と言ったら許してあげる」

麗花はそう言うと幸村は耳元に囁いた。

「愛していますから教えて下さいお姉さま。それと結婚して下さい」

「ふぇぇぇ~!?」

予想外な言葉が飛び出して麗花は狼狽え手元や目線が辺りを彷徨わせた。

「それで教えてくれるのですか?」

「え、ええ、教えるわ」

先ほど言われたことが嬉しくなり話しを再開させた。

「非魔法組織エインヘリヤル。それが組織の名よ」

「その話しは本当なんですか?」

ステアはまたもや危機に晒される幸村を案じて言った。

「残念ながら本当よ。どうするかは弟くんに任せるわ」

「反乱を起こす前に消去しますよ。姉さんにも手伝ってもらいます」

「ええ。それよりも学校は大丈夫なの?」

麗花は壁掛け時計に目線を向けると心配した。

「加速魔法を使えば一瞬ですから安心してください」

「じゃあ、続きはお昼休みでね」

よく見ればアルヴァンジュの制服を着ていたらしく本人曰く潜入捜査らしい。

「では、急ぎますよ」

「は~い♪」

午後12時28分 食堂

幸村とステアの二人はエインヘリヤルの情報を詳しく聞き出すため麗花と待ち合わせた。二人が席に座っていると麗花もやってきた。

「ごめんね~・・・遅くなっちゃた~。弟くんはお姉さまが遅くて心配した~?」

麗花は幸村に抱きついて体を擦りつけた。

「姉さん、公衆の面前では止めて下さい」

「あら、ごめんなさい」

麗花も席に座ると今朝の話しの続きをした。

「弟くんはエインヘリヤルの語源は知っているよね?」

「ええ。アクアスでの神話ですよね?」

海球(アクアス)---幸村のいる星とは別に存在する星で名前の通り水に覆われた星で神話系統など様々な伝説が無数に存在している星である。

「エインヘリヤルは神話で戦死した勇者の魂という意味。非魔法を掲げるのに相応しい名前ですね」

「感心している場合じゃないわよ。彼らは市民運動と自称して暴動起こしているんだから」

麗花は電子パネルを二人に向けるとステアは声を震わせた。

「どうしてこんな悲しいことを続けなければならないのですか?」

「ステアさん、それは人が差別するからよ」

麗花はステアが泣きそうになるのが分かり優しく宥めた。

「じゃあ、差別とはどういう意味かしら」

「えっと、本人の実力や才能が正当に評価されないから?」

ステアはそう答えると麗花は首を左右に振った。

「エインヘリャルの言う差別は仕事の格差や平均収入よ」

そう聞くとステアは席を立ちあがり大声で言った。

「そんな!それはあんまりです!」

「姫様。ここでの大声は・・・」

幸村はステアに注意を促して辺りを見渡すと視線が集中していて静かに席に着席した。

「ごめんなさい・・・」

「まあそう思うのも無理ないわね」

マグカップに入っていたコーヒーを一口つけて一息ついた。

「しかし、魔法なら訓練さえすれば使えるのではないですか?」

ステアは幸村に質問をぶつけると暗い表情で答えた。

「それを知っているのは一部の人たちだけです、姫様。もし知っていたとしても教えたりしません」

「何故です?」

「純粋な魔法者が非魔法者に指導したとして、非魔術者が優れた魔術師だったと判明したらどうなります?」

「そうなれば非魔法者が純粋な魔法者を下として見られる・・・」

ステアは視線を下に向けて拳を握りしめた。幸村はその拳を優しく包むように手を置いた。

「そういうことです。魔法者は自分こそが優れた魔術師であるという矜持を穢されたくないのです」

「そんな矜持は無意味です・・・」

「都合の悪い部分を隠ぺいするのも何時だって人間がすることよ。いつまでも暗い話しだとアレだから止めましょう。ステアさんはどの部活に入るか決まったの?」

両手を合わせて麗花は先ほどの真剣な表情を捨てて大らかな笑みを浮かべた。

「えっと・・・合唱部に入ろうかと思ってます」

「あら偶然ね。私も合唱部に入ろうかなと思ってたの」

「それは助かります。風紀委員の仕事も安心して行えます」

「弟くんが不在の時の警護は任せて。それじゃあステアさん、早速行きましょう」

「はい。お姉さま」

ステアと麗花は席を立ちあがるとその場を後にした。

幸村は暫しの沈黙すると短い溜息をついて口を開いた。

「物陰から見ているのがバレバレだぞ?」

「げっ・・・」

そう言われて表れたのは糺衣、零弥、フリートの三人だった。

「何だか邪魔するのが悪くて様子を見てたんだ」

フリートはやり過ごそうと言い訳を考えたが幸村の視線を見て諦めをつけた。

「所であの美しい女性は誰ですか?」

糺衣はそう聞くと幸村は小声で答えた。

「・・・私の姉さんだ」

「どうして姉がいるの隠してたのさー」

零弥は席に座ると幸村は両肘をついてどんよりした。

「あの人が姉だと言えば距離置かれるからだよ」

「あー・・・何となく分かる気がするよ」

零弥は苦笑いして幸村に同情した。

「それよりもどこまで立ち聞きした?」

「最初から全部だぜ?」

「そうか・・・」

「聞かれたら不味かったことですか?」

糺衣はおずおずとした声で幸村の表情を窺がった。

「いや、どうせ分かってしまうことだ。不味くはない」

「それでどうするよ?」

フリートは両腕を組んで訊ねた。

「このまま生徒会長にカマをかけるさ」

「そう上手く行くかな?」

零弥は机に突っ伏して視線を上に向けて呟いた。

「上手くやってみせるさ」

そう言うと幸村は席を立ちあがりその場を後にすると他の三人も後に続いて退室した。


午後17時30分

空模様は夕焼けとなり風紀委員としての見回りが終わり生徒会室をノックした。

「どうぞ」

ドアの向かい側から声がしたので開けて静かに閉めた。三枝と貴嶋が作業していたところだった。

「失礼します。本日の見回りの結果は逮捕者ゼロです」

両手を後ろにして簡潔に事の報告をした。

「そうですか。いつもありがとうございます」

三枝は逮捕者が居なかったことを聞くと安堵した笑みをした。

「報告は以上です。それと三枝先輩」

「ん?何かしら?」

書類作業していた手を止めると幸村は組織の名を口にした。

「先輩はエインヘリヤルという非魔法組織をご存じですか?」

「!」

予想外な人物から非魔法組織の名が挙がり眼を見開いた。

「なっ!?」

「どうして貴方が情報規制されている組織の名前を知っているの!?」

三枝は席を立ちあがり幸村に問いただした。

「情報の出所を完全に塞ぐのは不可能ですよ。むしろ明らかにしておくべきです」

「そうね・・・魔法を敵視して動き出している組織があるのも事実・・・」

「後は始末するだけですね」

幸村は部屋を出ようとしたが三嶋が呼び止めた。

「待て!これ以上は学生が首を突っ込んでもいい領域ではないぞ!」

「貴嶋先輩、勘違いしないで下さい。これは私と姫様の平穏を踏みにじった代償です」

幸村は拳を握り潰し怒りの炎を滾らせた。三枝は幸村に一つの頼みごとをした。

「幸村くん、絶対に生きて帰ってきて・・・」

「無論です・・・」

そう答えると幸村は退室した。貴嶋は納得いかない様子で抗議した。

「良いのか三枝」

「こうなってしまっては仕方ないわ。後は幸村くんに託すしかないわ」


ヴァンフォート 街外れ

空模様はまもなく夜に差し掛かろうとしている。糺衣は非戦闘員なので参加せず帰りを待ち、幸村たちは姉である麗花の情報を手掛かりとして廃工場がエインヘリヤルのアジトの前の森に身を潜めていた。

「ふふふ、何だかワクワクするわね」

麗花は今にも飛び出しそうになり幸村は言い聞かせた。

「姉さん、少し落ち着いて」

「それで弟くんが考えた作戦に私たちは従うわ」

「では僭越ながら、フリートは退路の確保。零弥はフリートの援護と逃げ出そうとする奴らの始末を頼む」

「捕まえなくていいわけ?」

零弥はニヤリ笑うと補足説明をつけた。

「リスクを負う必要はない。安全かつスピーディに始末だ。姉さんは裏から回って下さい。私と姫様は正面から行きます」

「分かったわ。弟くん、気を付けて」

「心得ています。それでは、作戦行動開始です」

幸村の作戦開始の号令と同時に仲間たちはそれぞれの持ち場についた。

幸村とステアは廃工場に突入して曲がり角を過ぎたところで幸村は千里眼を発動してその先の部屋にいる待ち伏せの人数を数えた。

「15人か。行くぞ」

「はい」

幸村はドアを開けると周りは暗く警戒を怠ることなく進むと突然と照明が照らし出された。

「ようこそ、神田幸村くん。お隣が君のお姫さまのステアくんか。僕は坂宮一(さかみやはじめ)。よろしくね」

ふふふ、と気味の悪い笑みを浮かべると幸村はルビー・アイギスを向けた。

「お前が非魔法者を扇動して市街地を襲撃するように仕向けていた張本人だな?」

「おやおや、怖いねぇ・・・幸村くんは僕たちの仲間にならないか?魔法こそが全てだという呪われた世界を壊そうじゃないか」

男は右手でサングラスを掴み宙に放り投げた。幸村はサングラスに目が行くと男は魔法を発動させた。

「はははは!」

男は勝利を確信したのか甲高く笑い声をあげると幸村は一瞬よろめくが直ぐに立ち直った。

「・・・なるほど、意識干渉魔法か。脳波に光信号を行き渡らせ波長を乱して洗脳するか」

「な、なぜ効かない!?」

予想外なことに洗脳されていない幸村を見て焦りを見せた。

「私に洗脳などという小細工は通用しない」

「くっ・・・やれ!やるんだ!」

男の背後にいた部下たちは対魔法高速ライフルを構えたが幸村は拳銃のトリガーを引いたと同時にライフルがバラバラに砕け散った。

「な、なんだ!?」

部下たちはバラバラになったライフルに驚いていた。幸村は物質分解(マテリアル・アナライジス)により物体や物質をヨクトレベルまで分解することが可能になっている。

幸村は男に近づくと恐怖のあまりに逃げ出した。

「幸村、追って下さい。ここは私にお任せ下さい」

「分かった」

幸村は男が去ったあと追うと部下たちは進路を塞いでいたが幸村が近づくと恐怖のあまりに後退りをしていた。部下の一人が幸村に斬りかかろうとしたとき、体の一部が暗黒の空間に吸収された。

「うわぁぁぁぁぁ!」

腕が切り取られると辺りには血が止めどなく溢れて苦しみに悶えている。

「ステア、ほどほどにな」

「はい・・・」

幸村はそう言い残すとドアを締めて後を追いかけた。ステアは怒りに満ち溢れると低く静かな恫喝な声を出してデバイスを敵に向けた。

「貴様ら、私の旦那さまに刃を向けた愚かさを知れ・・・」

そう言うとステアは足元に黒の魔方陣を発動させて詠唱に移った。

「祈れ、少しは楽になる」

幸村が新たに追加した広範囲視覚干渉魔法の一つ、『ヘルヘイム』と呼ばれる魔法の一種で、死の幻覚を見せていた。そうすると敵は何かを見たのか泡を吹いて横たわった。ステアは命を奪ってしまったのではと表情を暗くした。

幸村は扉の前に差し掛かると千里眼を発動させて人数を確認して後にトリガーを引き物質分解(マテリアル・アナライジス)を発動させた。ライフルがバラバラになり敵は何が起きたのか分からずパニック状態になると扉を開けた。

「そこまでだ」

幸村はルビー・アイギスを坂宮に向けた。坂宮は声を震わせて抗議した。

「何故だ!なぜ平等を求めてはいけないんだ!!」

「平等などという甘い理念しか持たない貴様には分かるハズないことだ。ましてや、そんなものは最初から存在するとは思えない」

「くっ・・・このっ!」

「来い・・・格の違いを見せてやる」

坂宮は金属剣を手に取って幸村に襲いかかった。

幸村はルビー・アイギスを金属剣に変形させた。その刀身は紅蓮の炎のように真っ赤に彩られたものであった。お互いに居合い斬りをすると、しばらくの沈黙が続いて坂宮は両膝を屈した。

「あああああああ!」

坂宮は左腕を切断され大量の血液が溢れ出した。一方の幸村は無傷でルビー・アイギスを元の拳銃の状態に変形した。後からして裏口が剣で切り刻まれ扉が崩れると麗花がやってきた。

「あら弟くん(グラム)が一番乗りか~・・・」

「姉さん(ヘカート)、後は十勇士である貴方の仕事です。主犯格を引き渡します」

「確かに受け取りました。グラム、感謝します」

麗花は拘束魔法を使い坂宮を連行した。後からしてステア、フリート、零弥の三人がやってきた。

「幸村、大丈夫!?」

ステアは幸村の身を案じた。幸村は何もないようにしてステアの頭を優しく撫でた。

「ええ、大丈夫です」

「とりあえず何とかなったな」

「ああ・・・」

フリートは肩を回して安堵した。

「もうクタクタよ。早く帰ろう~」

零弥は自分の両手を幸村の両肩に全体重を乗せた。

「そうだな。もう疲れたし帰ろう」

零弥は糺衣に全員無事だと連絡すると号泣してしまい慰めるのに時間がかかってしまい更に疲労が溜まってしまった。みんなはそれぞれ家路に着いた。


午後23時18分

幸村とステアは自宅に戻ってゆっくりする暇なくテレビに備え付けられている通信機で《ある二人》に事後報告をした。

「ふむ、そうか・・・ご苦労じゃな」

一人は九重涼葉に報告した。坂宮は魔法学会に連行された後、取り調べによると自分たちは根絶者(デリーター)という謎の組織にそそのかされたと叫びながら証言した。事の経緯を聞いたもう一人が口を開いた。

「流石は私の認めた元側近ですね・・・」

「恐れ入ります。沙夜」

夢咲沙夜(ゆめさきさや)。東方大陸の国の姫君である彼女は紫がかったロングヘアーに金色の瞳をしていて優しさに満ち溢れた女性で幸村に名前で呼ぶことを許した一人である。

「幸村、こちら側に戻る気はありませんか?」

「・・・いえ、私は恩義を返せていませんので遠慮します」

幸村は四年前、負傷した沙夜が追手から逃れる際に助けたことが最初の出会いであり、幸村の力に惚れ込んだ沙夜は側近として側に置いていた。当初は外側の者を側近に置くことを許さないとの声が内部に挙がっていたが、抑え込んで事なきことを得ていた。

幸村が中央に出向くことになったことを知って一番悲しんだのも沙夜で幸村の感謝している一人である。幸村も本当のところ戻りたいがそれを許さない勢力が出る恐れがあるので容易に戻ることはできない。

「では、貴方の席は空けておきます。気が変わったら言って下さいね?」

「はい・・・」

そう言い残すと沙夜は通信機を切り、涼葉だけが取り残された。

「本当に良かったのか?」

「ええ・・・」

涼葉は幸村の心配したが、幸村は迷いのない真っ直ぐな視線を送った。

「その眼を忘れるな。ではな・・・」

涼葉も通信機を切るとステアは後から入ってきた。

「幸村さま、本当にこれで終わりでしょうか・・・」

「いや、まだまだ終わらない気がする。背後に何者かが居る限りな・・・」

「そうなれば私は・・・」

「大丈夫だ。この平穏を壊させはしない」

幸村はそう言うとステアを抱き寄せ優しく握りしめた。

「もう、寝ようか」

「はい・・・」

束の間の平和を噛みしめる二人だった。


高校潜入編 Fin. 校内日常編に続く・・・

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