#2 少年、結局分からずじまい
「…えっと~、その後ろのは何ですか?」
「っえ!?」
彼女は僕と自身の後ろを交互に見ながら…
「見えるんですか…?」
「いや、ハッキリとは…でも、『ナニカ』ありますよ、ね…?」
彼女は吃驚しながら、でもどこか品定めをするように僕を暫くの間見ていた。
何なんだ一体?
「失礼かもしれないですけどお幾つですか?」
「15歳ですけど…」
「何だ、年下か。まぁそれは別に良いんだけど、高校生?」
いきなりタメ口になったけどどうやら年上らしいからしょうがないか…
「いえ、まだです。今年から高校生です。」
「ふ~ん、受験はもう終わったの?」
「まだこれからで、後一週間ぐらいですけど…」
「まぁやってようがやってなかろうが関係ないけど」
関係無いんだ…
「じゃあ名前は?何て言うの?」
「七草侑です。七草粥の七草って書いてさえくさって読みますけど…」
「七草侑君ね。…分かった、ありがとうじゃあね!」
「じゃあ……じゃあって、まだ僕の質問の答えを聞いてないんですけど!?って、もういないし!?」
な、何だったんだ今のは……
「とりあえず帰ろうかな…」
僕は赤い夕日が差し込む帰り道をまたゆっくりと歩き出した。
まぁ多分二度と会うことは無いだろうからずっと考えてても仕方ないかな?
僕はもう気にしない事にして、そのまま帰宅した。