暗い朝 part1
始めまして、すずぱじゃまというものです。
第一章はpart3でひとくくりにしようと思っています。
つまらない始まり方だと思いますが、拙い物書き能力を振り絞って書きましたので苦笑しながらでも読んでいただけると嬉しい限りです。
暗い部屋の中で俺は目を覚ました。今日何度目になるか分からない起床…。
外はまだわずかな光さえなく、街灯がわずかな光を放っていた。
「はぁ…」
部屋の中だというのに、息が白くなるほど寒い。
いそいそと布団にもぐりこむと頭まで布団をかぶる。
つめたいっ。足先に触れたひんやりとした何かを蹴飛ばすと足を抱え込むように体を丸める。
「うぅ…眠れない…」
冷たくなった足先を手でこする。
「はぁ…いつまでこんな生活送ってるんだろ…」
寒さをこらえて、『ぬ 』っと布団から顔を出すと、自分の部屋を眺める。
食い散らかしたインスタント食品の食べかす、壁に堂々と貼り付けられたアニメキャラクターのポスター、机の上を占拠しているデスクトップタイプのパソコン、ベットの枕元には小山のように積み重なるラノベとラブコメ小説…そう、ここは俺の楽園なのだ…、俺のための、俺だけの変わる事のないただ一つの天国なのだ!!
そう…それは変わらないで欲しい物でもあった…。
第一章 暗い朝
「ほらっ、冬月起きろっ」
乱暴にベットを蹴飛ばされながら、上から妙に甲高くてやかましい声が落ちてくる。
体がこんな嫌がるなんて、どこかで聞いたことのある憎らしい声の持ち主に違いない…。
「うっさい…出てけ…」
布団の中からわずかに抗議してみるが聞こえなかったようだ…。
「ほら起きろっ!!…たく、何で私が起こさないといけない訳」
季節外れにもほどがある蝉のようにうるさい姉が、ゲシゲシと俺のベットを蹴飛ばす。
俺の天国は…朝から猛攻撃を受け、壊滅状態だ…耐久なさすぎるだろ…はぁ。
目に手を当ててため息をつくと小さく息を吸い込む。
さすがに寝起きで騒ぎ続けられると温厚な俺だっていらっとくるのだ。
「うっさい、つってんだろ糞姉貴っ 、早く出てけってんだ」
よくよく考えると、親に無理やり起こしに越さされた姉貴にキレるのも少し理不尽であるがそんな事は気にしない。
ぶつぶつ文句を言う姉無視してイヤホンを耳に着ける。mj神曲…作者GJ…。
最大音量まで引き上げたウォークマンから神曲がリピートされる。
「今日もサブいな…はぁ」
冬は寒いし、クリスマスとか言うリア充死ねイベントなどが盛りだくさんで非常に鬱陶しい。
だが俺は冬が好きだ…もちろんそうゆうイベントもろもろがなければすごく好きだ。
もしかすると名前に『冬』という漢字が入っているからかもしれない。
あぁ、そうそう俺の名前の由来は実に簡単である…冬に生まれて親が月が好きだから『冬月』である、ちなみに姉は夏に生まれたので『夏月』である。
『なつつき』じゃないの?とみんなよく言うが…親曰く『なつきの方がしっくりくるから少しくらい略してもいいでしょ』だそうだ…漢字の読み方さえ無視する親ってどうなんだ…。
一応戸籍には「なつつき」で登録してるようなのであだ名といったところになるんだろうか…。
「はぁ…」
本日何回目になるか分からないため息をつくとまた布団にもぐる。
こんな寒い日は二度寝に限る。
外には俺と同学年の高校生でにぎわっているようだ。学校なんて 行くやつの気が知れん。
17歳の俺は学校に行こうとなんてしない。
だって俺はこの天国に閉じこもる不登校なんだから。
- ・ -
正午になって俺はゆっくりと階段を下りてリビングへと入る。
ヤカンに水を入れてお湯が沸くのを待っている間、机に座ってボーとする。
カップラーメン・キングを手元に持ってくきて、ジッと眺める…これにの入手にはほんと苦労したなぁ…というのもキングサイズというものを知らなかった俺は引きこもることを一時的に止めコンビニまでわざわざ出向いたのだが…最寄りのコンビニには一切置いていなかったのだ。
そこで友達に拝むように頼み、町中のコンビニを回ってもらったのだ。
今からよくよく考えるとネットで買った方が確実で手間もかからなかったに違いない。
「すまない事をしたかな…ごめんな、城崎」
独り言をつぶやきながらまたカップラーメンにいつの間にか沸騰していたお湯を注ぐ。
あぁ…早く食べたい。ふたの間から絶妙に漂ってくる匂いに胃がキュルキュルと鳴き始める。
例えニートが消費カロリーが少ないとはいえ腹は減るのだ…。
果たして食べ等切れるのだろうか…。
「うむ…」
いざ食べるとなると少し冷や汗をかくほどの量だ。
元々小食であり、その上ニート生活は最小限のカロリーで生きているので特別飢えているわけでもない。
俺が食べたら、普通に朝昼晩と兼用で済みそうな量だ…いや、それは言い過ぎだな。
「うぅー」
とりあえず腹が減ったから食べながら考えよう。
ズズズ、とすすって食べるのではなくもそもそと箸でパスタのようにある程度の束にしながら食べる。
「ふぁ…」
久しぶりの真面な食事に思わず歓喜の声が漏れる。
というのも、ここ一か月の食べた食事といえばウイダーゼリーや、ソイジョイ、カロリーメイトなどなど、暖かい物などしばらく食べてないのだ。
「ふ~ふ~ふ、ふふふ~ふ、ふふ~ふふ~♪」
つい鼻歌まで歌ってしまうほどご機嫌だ。
温かい食事のありがたみに浸っていると
「空は、青いな、おっきいな♪ってか?偉くご機嫌だな、水瀬」
自分の体が驚いて跳ねた拍子に、手元のコップが揺れて中のお茶が少しこぼれた。
「誰が入って良いといった…たく…週3ペースで勝手に上がり込みやがって」
振り返ると、案外傍に居る馬鹿に驚く。
俺の家の両親が共働きなのをいいことに無断で家に入ってくるやからなんて、馬鹿で十分だ。
「まぁまぁ、今日も風邪らしい水瀬を心配してやって着てやってるんだよ、大丈夫なのか?シンパイシタンダゾ?」
ニコニコと笑いながら平気でうそをついてくる。
「はぁ、まったく…」
腹いせにちょいちょいと手招きして近くまで来させると、ワックスでセットした髪をワシャワシャと撫でまわす。
「ちょっ、何してんのっ…あぁ~あ…はぁ…餓鬼かよまったく」
茶髪の髪を整えながら恨めしげな顔でこちらを見てくる。
「ふんっ、髪の毛なんざに1時間もかける馬鹿の気が知れんわ」
「水瀬が気を使わな過ぎなだけだって、まぁ今の髪形も似合ってるしいいんじゃない?」
遅くなったが紹介しておこう、此奴の名前は『城崎 孝太』、俺の幼馴染でそこそこイケメン、見た目はいわゆるヤンキーぽいのだが中身は案外いいやつ。
猫に傘なんてさしていたらモテそうな男である。
「な、何きもいことサラッと言ってんだ、俺は別に髪の毛いじるのめんどくさいだけだし」
「はいはい、めんどくさくても寝癖くらいはきちんと直せよな…」
寝癖たっぷりの頭を、トントンと指でたたく。
「うるさい、別にくくっておけば寝癖なんてそこまで目立たないだろ」
切るのが面倒くさいので、伸ばしっぱなしにしてあった髪は腰まで届いている。
キッチンの引き出しから輪ゴムを取り出して、ひとくくりにまとめる。
いわゆる『ポニーテイル』が出来てしまうわけだが…俺がしたところで良い所『武士』ってとこだろう。
「昔からお前は髪に気を使わなかったしな…」
今回は、ダラダラと過ごす主人公:水瀬の生活状況の確認と主な登場ヒロインの紹介回になってしまいました。
季節外れの冬からスタートです。
僕の今のところのお気に入りは城崎君です。
ちょっとやんちゃそうなのに、実は友達思いでいっつも笑っている男の子っていいですよね。
まだ、個性や性格をあまりかけていないと思うので二人の遊びに行く風景などなど書きたいところですが、もうすこしグダグダな展開になりそうです。
というか第一章は登場人物の紹介と、主人公周りの人間関係を細かに書くことが多そうです。
追:中途半端に終わってすいません。
追2:すいませんしばらく更新は出来なさげです