個性
「なぁ田中、俺って特徴ないよな」
「佐藤、何言ってんだ。お前は立派なメガネキャラだろ」
「いや、そうじゃなくてさ。メガネならいっぱいいるじゃん?」
「つまり、お前はキャラ付けをしたいんだな?」
「キャラ付けとまではいかないが…まぁ、すぐに俺だと判断出来る何かが欲しい」
「…喋らない、というのはどうだ?」
「どうやって会話すんだよ…」
「アニメや小説、マンガにもよくいるだろ?メモ帳に文字を書くとか、パソコンの音声ソフトに喋らせるとか」
「あぁー。なるほど」
「あ、あとテレパシーとか」
「無理だわ!!」
「よし佐藤、準備出来たな」
「…」
「頷くだけか、よし!早速なんか書いてみろ!」
「…」
「書いてる間暇だな……おぉ、出来たか、どれ…」
「…」
「おま、なんだこれ!!読めねぇよ!!字ィ汚ッ!!」
「へへ、まぁな」
「なんで照れてんだよ!!お前バカにされてんだぞ!!つーかホント字ィ汚ッ!!お前の特徴『字が汚い』でいいんじゃねぇの?」
「嫌だよ!そんな特徴!俺一応主人公なんだぞ!」
「つーかこれ何て書いたんだよ?」
「ボクの名前は佐藤竜吉郎です、って書いた」
「竜吉郎!?お前もう名前が特徴あるじゃねぇか!!欲張んなよ!!」
「名前負けしてるって言われんだよ!」
「お前の親どんな意味込めてこの名前にしたんだよ!!」
「フィーリングの一言だった」
「おま、可哀相だなおい!!いいから次試すぞ!!」
「よし佐藤、早速なんか喋らせてみろ」
『おう』
「おぉ!早速返事が音声ソフトだな」
『わ、た、し、の、な…』
「どうした?」
『な、ま、え、は、さ、と、う…』
「…」
『り、ゆ、う、い、ち、る、お』
「下手クソか!!一旦それやめろ!!」
『おう』
「そこだけ速いなおい!!ってドヤ顔すんな!!」
「OとUだけだからな」
「だからなんで得意げなんだよ!!」
「うるせぇな!パソコンなんて使ったことほとんどねぇんだよ!」
「お前見るからに一日の半分パソコンイジってそうな顔してるじゃねぇか!!」
「お前それ普通に侮辱だろ!」
「つーかお前!!最初詰まった時Mの位置わかんなかったのかよ!!それに自分の名前打ち間違ってんじゃねぇか!!『りよういちるお』ってなんだよ!!」
「多分漢字で書くと…」
「お前が書いても読めねぇよ!!」
「なんだお前!駄目出しばっかしやがって!そもそもなんでノートパソコンじゃねぇんだよ!デスクトップってお前!」
「仕方ねぇだろ!!持ってねぇんだから!!それでも使えるんだからいいだろ!!」
「よくねえよ!ここから動けないだろ!」
「頑張って持ち歩けばいいじゃねぇか!!」
「無茶だろ!!」
「うるせぇな!!別にいいだろ!!機能としては変わらねぇだろうが!!」
「俺は形から入るタイプなんだよ!」
「嘘だろ!!お前のバッティングなんだよあれ!!完全に我流のフォームじゃねぇか!!」
「あれはイチローを意識してんだよ!」
「イチローはジャンプしながら打たねえよ!!」
「つーかいいんだよそれは!俺の特徴!」
「よく考えたらお前運動得意じゃねぇか!!十分特徴だよ!!」




