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第四章 過去
何も楽しい事がない
人生だった・・・
おとなしい性格の僕は
友達がなく小学校の頃から
いじめられていた。
靴を隠されたり
ノートに落書きされたり
それは陰湿なものだった。
中でも、よく覚えているのが
「おにごっこ」という
名目でクラスの男子から
校舎中、追い掛け回される
遊びと言う名の「いじめ」
これは恐怖だった。
高校時代まで、いじめられたが
この「おにごっこ」が
一番強烈に記憶に残っている・・・
僕は、なぜ生まれて来たんだろう?
僕には生きている価値
があるんだろうか?
いつも思っていた。
自殺を考えたこともある
誰からも求められていないし
何も良い事がない
こんなに辛く苦しいなら
死んだ方が
楽になるんじゃないかって
だけど出来なかった・・・
死ぬ勇気がなかった
僕は何も出来ない
臆病な男だ・・・
こんな環境から
逃げ出したかった。
ただそれだけ
家では無視され
学校では、いじめられる
僕には居場所が無かった。
どこでも良かった
ここから逃げ出せれば・・・
東京へは「夢」とか
「希望」があるから
行くんじゃない
また僕は逃げたんだ・・・
窓の外の景色は
田舎の田園風景から
東京のビル群へと
変わっていた。