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バイク乗り2004 ~ある女性の全国放浪記~  作者: r_SS
第八章 健輔じいさん ~出発の歌~
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第八章 健輔じいさん ~出発の歌~ 14

 「うっ・・・・・ひっく・・・・・・ひっく・・・・・悔しい・・・・・どうして・・・・・どうして私が見ず知らずの他人からあそこまで酷いこと言われなきゃいけないワケ?」

 堅太郎の言葉に酷く傷ついて悔し涙を流す茜の気持ちを察した健輔は、何も言わずに茜の頭を撫で続けた。

 「うんうん、そうだね。お嬢さんは決して悪くないんだよ。堅太郎君だってあの通りちょっととっ突き難い所があるけど、本当はとても優しい子だって事はこの爺が知っているから大丈夫だよ。」

 健輔はそう言いながら茜を慰め続けていた。

 「う・・・・・うん・・・・・・ひっく・・・・・健輔じいさん優しいね・・・・・でも・・・・・でも・・・・・・うっ・・・・・ひっく・・・・・・・・わぁぁぁぁん!!!!私さ、旅に出てからもう随分経つけど・・・・・あそこまで酷い人に出会ったの初めてだった・・・・・どうして健輔じいさんは森沢さんみたいな人とあんなに仲良しなの?私あの人本当に大っ嫌い!!!ひっく・・・・・・ひっく・・・・・・・・・」


 茜は今まで道中で出会った人々の事を思い出した。

 初めての滞在先である仙台で出会った運命の人『憧れの君』こと入り江勝に軽井沢で7年ぶりに再会した野崎昌男、秋田にて永井純平の魔の手から茜を救出した通りすがりのトラック運転手、ペアレント夫人が少々個性的ではあったがとても面倒見が良かった軽井沢のグリーンケイブルズDGHのオーナー吉田夫妻など、本当に茜に対して親切で心優しい人達ばかりであった。

 中にはなかなかバイクのメンテナンスが上手くできない茜に対して叱咤した山口和義や岩手県の遠野ふるさとDGHにて同宿者の心無い言葉に傷ついて大暴れした少年、古村靖の様な人たちもいたが、前者は茜にライダーとして一人前になってほしいという気持ちから来る愛情の鞭である事は十分に理解していたし、後者は若さゆえから来る抑え切れない衝動と心の葛藤から来る精神的不安定、というきちんとした理由があったのだ。

 しかし今回の森沢堅太郎との一件に関しては、初対面早々よく分からないまま茜は邪険な態度を取られた挙句、意味も分からず暴言を吐かれたのである。


「だけど人間の感情ってのは実に難しいものでな、『十人十色』という言葉の通り人が多く集まればそれだけ異なった価値観や個性も集まってくるものなんだよ。本当に色々と難しいのう・・・・・」

 健輔は長年の人生経験で体得して来た事を振り返りながら呟き、茜はひたすら涙を流し続けていた。


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