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第一章 出発 2

 とりあえず北海道へ向かおう、そう思った茜は苫小牧行きのフェリーがある茨城県の大洗港に向かって常磐自動車道を直進した。そこは茜の様にバイクで北海道へ向かったり、他には交通費を節約しようと飛行機や電車を使わずに移動する旅人が大勢利用する場所であった。

(現地についたら何をしようか・・・ま、船の中で考えればいいや。)

 全く持って呑気な茜であった。しかし放浪の旅とはそんなモノである。期間もなければ目的地も行き当たりばったりで決めてしまうが実はそこに旅の醍醐味がある。茜自身も今まで経験した事のない旅に挑戦しようとしているのである。ところが旅の始まり早々にアクシデントに見舞われてしまう事となった。


「ええ?!もう満員なんですか?ウソでしょー!!!!!」

「済まないけど又空いている時に来てくれるかな?」

 大洗港に到着し、早速乗船券売り場に向かったのだが既に満員で買うことができなかったのである。

「空いている時って言われても・・・・明日なら大丈夫なんでしょうか?」

「明日ねぇ・・・ありゃりゃ満員だ。明日どころか向こう2週間はずっと満員だよ。」

「えーーーー、2週間も!?だって今休みのシーズンでもないのにどうして満員なのよ?」

「どうして、って言われてもねぇ・・・ま、アレでしょ。ホラ北海道って梅雨もないしシーズンとしては一番ベストでしょ?だから今の時期に早めの夏休みを取る会社員が多かったりするんだよ。

 後は無職であちこち旅に出ている奴とかさ、それにフェリーの便数自体が限られてるからね。だから殆ど前もって予約した客で埋まっちまうんだよ。そういうワケだからさ、今回は悪いけどどごめんよ。」

 乗船券売り場の係員である中年男性は茜にそう言ってその場を立ち去った。

 (どうしよ~、とても2週間なんて待てないよ・・・。仕方がないから今日はここら辺の宿に泊まってから又考えよう。)


 初日からのアクシデントで戸惑う茜であった。


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