第四章 イージーライダー 1
2004年6月末、岩手県遠野市を後にした茜は国道106号線から45号線を通り、途中 陸中海岸に立ち寄ってゆっくりと景色を眺め、青森県にある八戸港へ向かうべく再び45号線を直進した。そして夜には八戸港 へ到着し、吉田拓郎のヒットナンバー 『落陽』で 有名な北海道の 苫小牧港へと向かった。
翌日の明け方、遂に茜は本州を抜けて憧れの北海道へと辿り着いたのである。
(来た来た来たーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!私ってば本当に北海道へ来たんだ!)
埼玉県の自宅からバイクとフェリーで北海道へ足を踏み入れた事に心底感動を噛み締めながらそのまま道北方面へ愛車カワサキ250TRを走らせた。
まずは千歳にある支笏湖へ向かい、その次は札幌、滝川、深川へと道央方面へ突き進んだ。途中塩狩温泉に立ち寄り、更に名寄から音威子府へと国道40号線を北上した。幌延では観光地で有名はトナカイ牧場 にてトナカイステーキも食べたりなど自由気ままな旅をしながら約2~3日間ほど道内を北上し続けた。そして旅の途中利用した宿や定食屋等に置いてある来訪者ノートに、短大時代の同級生である野崎昌男の書き込みを幾度となく見かけ、学生時代のものもあればつい最近のものまで沢山書き込んであった。そして昌男の書き込みを見る度に今頃何をやっているんだろう?と少々気になる茜であった。その後稚内へ辿り着き、遂に日本最北端である 宗谷岬へと辿り着いた。
北海道は本州その他の地域と違って基本的に梅雨はなく、6月であっても爽やかな天候に恵まれている日が多いのである。そして今、日本最北端の塔に立っている茜の目の前にには異国サハリンの姿が映っていたのである。
(久しぶりに家族に手紙でも書こうかな?)
旅に出て以来、茜は初めて家族に宛てた手紙を書いた。




