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メッセージ

ホログラムの星空が消え、街全体が暗闇に包まれていた。

ルナの歌声だけが静かに響き渡り、混乱していた観客たちが次第にその声に引き込まれていく。


  「揺れる心が描く星座……。」


その声が夜空に消えた星々の代わりに光を灯すように感じられた。

スマホライトを掲げる観客たちの光が再び広場全体を包み、静かな一体感が生まれつつあった。


「システム再起動まであと少し……。」

制御ブースでカイが端末を操作しながら、小さく息を吐いた。


「この波形、完全にノイズに乗っ取られてる……外部干渉の可能性が高い。」


「もういいから、早く光を戻そう!」

アオイが焦りの声を上げ、制御ブースを駆け回る。


カイは冷静さを保ちながらも、画面に映る異常波形を見つめた。

「ノイズの発生源が異常に強い……。これは普通のエラーじゃない。」


「観察者……。」

ルナがステージからその言葉を呟いた。


突然、暗闇に覆われた巨大スクリーンにノイズの波形が映し出される。

その波形が徐々に形を成し、文字列となって浮かび上がる。


「タワーの最奥へ来い。」


そのメッセージが揺れる波形の中に現れ、会場全体が静寂に包まれる。

観客たちはその異様な光景を見上げ、息を呑んでいた。


「これは……観察者からの……?」

レイが戸惑いの表情を浮かべる。


カイがスクリーンを見つめながら呟く。

「間違いない。これは明確なメッセージだ……。」


観客の中から、ざわざわと声が上がる。


「タワーの最奥って……何?」

「誰がこんなことを……?」


その中には、興味深げにスクリーンを見つめる者もいれば、不安そうに顔を見合わせる者もいた。


「もうこれ以上は危険だ。」

カイが断言するように言った。


「システムが完全に乗っ取られる前に中断するしかない。」

レイがステージ上で観客に向かい、マイクを握りしめた。


「みんな、本当にごめんなさい。今日はここまでにします……。でも、必ず戻ってきます!」

ルナも悔しそうに拳を握りしめながら続けた。


「ごめんなさい……でも、私たちは諦めません。次は、もっと素晴らしいライブを届けます……!」

観客たちは驚きながらも、その言葉に小さく拍手を送り、徐々に広場を後にしていった。


ステージ袖に戻った4人は、スクリーンに映るノイズの波形をじっと見つめていた。


「タワーの最奥……。」

ルナが静かに呟いた。


「これは明らかに観察者からの誘導だ。」

カイが端末を閉じながら言った。

「行くしかない。」


「ちょっと怖いけど……でも、ここまで来たら進むしかないよね!」

アオイが拳を握りしめ、無邪気な笑顔を見せる。


「もし本当に観察者がいるなら……。」

レイが少し俯きながら言葉を紡いだ。


「私たちの行動の意味を、直接聞きたい。」

ルナは静かに深呼吸をしてから、仲間たちを見つめた。


「私も行きます。歌を届けたいと思うのが私の選択だから……。」

4人はスクリーンに浮かぶメッセージを最後に一瞥し、スタープロジェクタータワーの最奥へと向かうために歩き出した。

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