意味を超えた意志
ライブ後、スタープロジェクタータワーの制御室にルナ、カイ、アオイ、そしてレイが集まっていた。
無数のホログラムディスプレイが青白い光を放ち、ライブ中に記録されたデータが次々と映し出されている。
「ライブは大成功だったね!」
アオイが笑顔で手を叩いた。
「観客がみんなスマホライトで星空を作ってくれたの、本当に最高だった!」
「でも、あのノイズは……普通じゃなかった。」
カイがスクリーンに映る波形データを見つめながら静かに言った。
「外部からの強い干渉がライブ中に起きていたのは間違いない。」
「観察者ってやつの仕業ってこと?」
アオイが眉をひそめながら問う。
「その可能性が高い。」
カイは頷きながら解析結果を示した。
「これを見てくれ。ノイズの波形に規則性があり、意図的に発信された信号だと考えられる。」
ルナはスクリーンに映るノイズの波形をじっと見つめていた。
「観察者……彼らは私の行動を見て、何を求めているのでしょうか。」
「ルナ。」
レイが優しい声で語りかけた。
「観察者が何を求めているか分からなくても、君が選んだ歌は確かに観客の心を動かした。それが全てよ。」
「でも……もし私の感情や行動が、観察者によって制御されているとしたら……。」
ルナの声には迷いが混じっていた。
「そんなこと、気にする必要ないよ!」
アオイが軽く肩をすくめながら言った。
「だれに観察されてたって、ルナの歌が届いたのは事実なんだから!」
「アオイの言う通りだ。」
カイも冷静に言葉を続けた。
「観察者の意図が何であれ、君がどう選び、どう行動するかが重要だ。ライブ中、君はノイズを超えて歌い続けた。それが答えだと思う。」
その言葉に、ルナの胸の中で揺れていた不安が少しずつ和らいでいった。
「私が選んだ歌が……観察者にどう映っているのか。それを知りたい。」
「なら、次のライブでその答えを探ればいいんだよ!」
アオイがウインクしながら笑った。
「観察者だろうがなんだろうが、私たちがやることは変わらない!」
「そうね。」
レイも微笑みながら頷いた。
「次のステージでも、感情を届けることに集中しましょう。それが私たちの答えになる。」
ルナは二人の言葉に力をもらい、小さく頷いた。
「次のライブで……私はもっと多くの人に歌を届けます。そして、その中で観察者に私の選択を見せつけます。」
「そのためにも、ノイズの発信源を突き止める必要がある。」
カイが冷静な声で言った。
「この波形を解析すれば、観察者に繋がるヒントを掴めるかもしれない。」
「ノイズの発信源……。」
ルナはスクリーンを見つめながら呟いた。
「それが観察者の場所を示しているのなら、私はその意味を知りたい。」
「解析は僕に任せてくれ。」
カイが端末を閉じながら言った。
「次のステージまでに、できる限り手がかりを掴む。」
仲間たちとの会話を終えた後、ルナは制御室の窓から夜空のホログラムを見上げていた。
その瞳には、新たな決意の光が宿っている。
「観察者……。もしあなたたちが私を観察しているのなら、私はその意味を超えて、自分の意志を示します。」
その言葉は、彼女が次の挑戦に向けて胸に秘めた誓いだった。




