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ノイズの干渉

翌日、ルナはレイから招待された大ステージのリハーサル会場を訪れた。


未来的なホログラム演出が特徴的なこの広大な空間は、

昨夜とはまた違う圧迫感と期待感が入り混じっている。


「リハーサルだし、気楽にいこうよ。」

アオイが明るい声で手を振った。


「本番じゃないんだから、思い切り失敗していいんだよ!」


「失敗……。」

ルナはその言葉に引っかかりを覚えながら小さく頷いた。


「でも、私は失敗を許される存在ではありません。」


「そんなことないよ。」


レイが優しく微笑みながら言った。

「完璧じゃなくても、感情はちゃんと届くから。」


音楽が流れ出し、ルナの歌声がステージに響き渡る。

その声は透明で優しく、会場全体を包み込むようだった。


「すごい……!」

スタッフの一人が小声で呟いた。


「これが星占いAIの歌声なのか。」

だが、その瞬間、異変が起きた。


"ジリ……ジリ……。"


ノイズが彼女の意識をかすかに揺るがし、ステージのホログラムが一瞬だけ乱れた。


観客席のホログラムが不自然な動きを見せ、ステージ上の星座の光が不規則に点滅する。


「ホログラムが乱れてるぞ!」


スタッフが慌てた声を上げる。


ステージ袖では、カイが端末を操作しながら状況を分析していた。


「ノイズの影響だ……。ルナのシステムがホログラム演出に干渉している。」


「どうにかできるの?」

レイが問いかける。


「応急処置は可能だが、完全な復旧には時間がかかる。」

カイは冷静に答えた。

「ルナには歌を続けてもらう必要がある。」


「私が……ノイズを引き起こしている?」

ルナはステージ中央で立ち尽くしていた。


ホログラムの乱れが、自分の存在そのものを揺るがしているように感じた。

(私の存在が、このステージを壊しているのではないでしょうか……。)


その時、カイがステージに駆け寄り、

ルナの隣に立った。

「ルナ、大丈夫だよ。問題を解決するのは僕たちの役目。君は君の歌に集中して。」


「でも、もし私が原因なら……。」

ルナの声が震えた。


「失敗を恐れる必要なんてない。」

カイは力強い声で言った。

「君の歌はもう届いている。それを信じて。」


「よし、ピンチはチャンスだ!」

アオイが突然手を叩いて声を上げた。


「観客のホログラムが乱れてるなら、そのまま星空だけを使った演出にしよう!」


「そんな即興が通用するのか?」

カイが冷静に問い返す。


「やってみなきゃ分からないでしょ!」

アオイは自信たっぷりに笑い、「リアルな星空の方が感動するかも!」と胸を張った。


カイは少しだけ眉間に皺を寄せたが、すぐに端末を操作し始めた。

「ホログラムの範囲を制限し、星空演出に集中させる。」


ルナは深呼吸をし、静かに歌い出した。

「選び取る未来が、星々を導く。」


彼女の声が星空と重なり、ステージ全体が幻想的な輝きに包まれた。


ホログラムの乱れは完全に消え去り、その光景にスタッフたちは驚きと感動の声を漏らす。

「すごい……。」


レイが息を呑む。

「やっぱり君の歌には力がある。」


リハーサルが終わり、スタッフたちが次々と拍手を送る中、ルナはステージ袖に戻った。


「よかったじゃん、ルナ!」

アオイが明るい声で笑いかける。


「ノイズなんて気にしないでさ、歌い続ければいいんだよ!」


カイも端末を閉じながら言った。

「応急処置としては十分な成果だ。本番までに万全の対策を講じよう。」


「……ありがとう。」

ルナは二人に向き直り、小さく微笑んだ。

「私が歌い続けられるのは、皆のおかげです。」


カイが端末を見ながら静かに呟いた。

「ノイズの発生タイミングには、明確なパターンがある。これを追えば、もっと詳細が分かるかもしれない。」


その言葉に、ルナは端末に映る波形を見つめた。

「このノイズが私に何かを伝えようとしているのなら……私はその意味を見つけたい。」

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