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プロローグ

俺、門脇影昭(かどわきかげあき)は大のラブコメ好きだ。

三度の飯並みに好きかもしれない。

初めてラブコメを知ったのは小学校高学年の時だった。

クラスメイト中で漫画の貸し借りがあり、もちろん当時の俺も特撮ヒーローものや有名な少年漫画ものばっかり見ていた。

しかしなんの間違いか、ある日大量に借りた漫画の紙袋の中に少女漫画と有名ラブコメラノベのコミカライズが入っていた。


もちろん最初は読む気がなかった。

しかし、借りた本の少年物などは全部読んでしまい自宅に置いてあったゲームもクリア済の物が多くやる事がなく気晴らしに読むことにした。

そこからだろう俺がラブコメの沼にはまってしまい、抜け出せなくなったのは…。


最初は、主人公やヒロインがなぜラブコメを起こして楽しく過ごすのがか訳が分からなかった。

何回読み返しても理解できず、身近にいる両親に質問をした。

なぜ、この登場人物たちは楽しそうなのか?

恋ってなんなのか?


両親からは凄くぼかされた返答しか返ってこなかった。

当時を思い返すと秘密にされてるみたいな感じで凄く憤慨していたが、今になって思うとこっぱずかしいかったのだっただろう。

年を重ねるとそう思わずにはいられない。

そんな訳で両親からの返答に納得いかなかった俺は、後日クラスメイトの女子にラブコメとはなんぞや?と聞きまくっていた。


ある者は、生きがいと答えた。

ある者は、血液と答えた。

ある者は、精神そのものと答えた。


十人十色な答えをもらい俺はますます訳がわからなくなっていた。

今思うと、小学生の俺のクラスメイトの女子ってラブコメに命かけていたかもな。

しかしそんな考えを持っていた女子を俺は尊敬し師匠と心の中で呼んでいた。

(師匠と読んだら無言でバックドロップをかけられ、しっかり3カウントも取られた為。)

しばらくの間、ラブコメとはなんなのかという疑問を抱えたまま日常を過ごしていた。


だけどそんなある日、運命と出会った。

中学生になり入学して半年がたった頃、転校生イベントが発生した。

しかもベッタベタの離れ離れからの再開ラブコメだった。


クラス内の家田くん(そこそこイケメン)と転校生の布木さん(美少女)が小学生時代幼馴染の二人が親の仕事の都合により離れ離れになり中学生で再開となった展開だ。

その頃には、ラブコメのブの文字までは分かっているつもりの俺がこの二人を機にラブコメ大好き人間になったいい件だ。


最初は布木さんのことを男の子だと思っていた家田くんだったが、日々を過ごしていくうちに惚れてしまい中二の夏カレカノ関係になった。

もちろん簡単に結ばれた訳では無い。

家田君のことが好きな子とかもいたり、逆に布木さんの事が大好きな男の子たちが告白して振られた腹いせに襲われそうになった所を防いだりと波乱万丈な上に結ばれた。


その一部始終を見ていた、おれはついに理解した。

なるほどこれがラブコメか!!!!と。


それからは他人のラブコメ見るだけでは飽き足らず、大多数の男子女子関係なく相談に乗ったり時には強硬手段をとって自ら現地に赴き直接結ばせたりと恋のキューピットもどきをやったりしたりした。


おかげで俺はラブコメを供給でき、当事者たちは結ばれてハッピーという訳だ。

もちろん結ばれない子もいたり逆恨みされた事も、あった。

そんな時でも俺は真摯に対応し、「俺が幸せにしてやんよ!!(他の人を紹介とか)」で乗り切りフォローできていたと思う。

(勘違いもあり、何回か頬に紅葉マークができた)


さてそんな俺も中学三年になると受験シーズンが始まり、なかなかラブコメ活動ができなくなっていた。

もちろんできるだけのことはやってきたと思うが、たまに突飛的なラブコメ情報が入ってきて関与できなかったり直接見れなくてやきもきし河原を奇声をあげながら爆走したことも何回かあった。


でも逆に達観できるようにもなっていた。

別に無理にでも結ばせる必要もない。

失恋することもラブコメだって事。

この時点でようやく師匠たちに追いついた。


だから高校はラブコメ活動からラブコメ観察にいこうかなと思った矢先。





「お願い申し上げます。私にラブコメをさせて下さい!!!!!!」



土下座されてこう言われるとは思わなかった。

なぜこうなった?

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