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ニ話『制限と条件』

 勝っちゃんが転生させられた世界は剣や魔法が発達した世界だという。


 魔物とか魔獣とか言う動物とは違った生き物がいてそれなりに危険らしい。


 そんな世界に転生なんて危ないなと思いつつも、大型の恐竜みたいなモンスターを狩るゲームを熱心にやっていたのを思い出して案外転生しても楽しんでいるかもしれないと思い直す。


「優里亜さんを勝っちゃんさんと同じ世界に転生させることは可能です。 しかし優里亜さんの願いは勝っちゃんさんと記憶を持ったままの状態で再会することですよね?」


「はい、魂とかよくわかりませんけど、勝っちゃんじゃないなら会っても意味ないです」


 しっかりと頷く、勝っちゃんと会えないなら転生なんて意味はない。


 今度こそ好きだと、たとえ受け入れてもらえなかったとしてもこの気持ちを伝えたい。


 勝っちゃんなら転生してもかっこいいのかな、魂の素質を見込まれて異世界に転生したんだよね。


 ハッ! もしかして男とは限らないんじゃ!


 美女に生まれ変わってるかも知れないの!?


「あっ、あの、カミー君! 勝っちゃんは男の子!?」


「えっ、はい男性体に転生されていますね、どうかなさいましたか?」


 カミー君の言葉にほっと安堵の息をはいた。

 

「勝っちゃんが死んでから結構たつんだけど、今から転生したら年齢差がすごいことにならない?」


「それは大丈夫です、実は勝っちゃんさんとさほど歳が変わらない魂抜けを起こしてしまった少女の身体があるのでそちらに入っていただこうかと思っています」


 カミー君、それは転生と呼んで良いのだろうか。


「そして記憶を持ったまま、勝ちゃんさんの記憶も復旧するに辺り、かけさせていただく制約ですが……」


 もったいつけたように言うカミー君にごっくりと生唾を飲み込む。

 

「制約は……?」


「勝っちゃんさんが自分で気が付くまで自分が優里亜の生まれ変わりだと決して伝えてはならないこと、そしてチートと呼ばれる特別な力はつけてあげることは出来ません」


 自分が優里亜だと伝えることができないと言う制約は正直いって痛い。


 勝っちゃんの知っている優里亜の姿で会えるならわかってもらえるかもしれないけれど、大人の……すっかり地味に変わり果てた私の姿を見ても気が付いてもらえるかわからない。


 それが今の姿に似ても似つかない、姿すらわからない赤の他人に転生……憑依したところでわかってもらえるのだろうか……勝っちゃんのことを見つけることが出来るのかな……


 チートなんて貰っても不器用な私に使いこなせるとは思えない、広い世界のどこかにいる勝っちゃんを探しだすことすら本当にできるの?


 わからない、わからない、わからない。


 それでも全てを捨てて会いたいと思う自分は……馬鹿なんだろうな……


「必ず勝っちゃんに会えること、それが叶うなら他になにも望みません」


 まっすぐにカミー君……神様を見つめる。


「わかりました、貴女の願いは叶えられる。 フラフィール学園に行きなさい。貴女の歩む人生に幸あらんことを」






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