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4話 デートとは決して呼べないデート①


 朝、太陽の光に照らされて創也は目を覚ました。


 昨夜、カーテンを閉めるのを忘れていた。


 体を起こし辺りを見渡す。


 やはりいつも通りの部屋だった。部屋が繋がるのは夜だけなのか?創也はこの謎の法則性に気づき始めた。


 昨日、結局2人で壁というなのカーテンを買いに行くことになった。


 創也は気付いた。2人ってやばくね?


 気まずくなる以外想像できなかった。


 あーどうしよ。


 創也は朝ご飯をいつもより早く食べ、オレンジジュースを3杯も飲み干した。


 「千紗!そろそろ学校行くぞー」


 「兄さん?!まだ6時だよ?」


 「えっ」


 創也は動揺で時間感覚が狂っていた。そわそわしながらいつも家を出る時間まで待とうとしたがいてもたってもいられなくなり。


 「千紗ー、おれ今日早く出る」


 「どうしたの?」


 「早く行きたい気分でな」


 「変なの」


 千紗は少し怒っているようにも見えたが、気のせいだろうと創也は思い込んだ。


 朝、広人は大会が近いこともあって朝練でおれよりも早く学校に行っていた。1人で歩いていると、後ろから誰かを呼ぶ声がする。


 「創也くーん、創也くーん」


 桜だった。聞き取れるのがやっとの声量でおれの名前を呼んでいた。


 「おはよう、桜、なんか久しぶりだな、そして朝早いなー」


 創也は久しぶりに桜の顔を見た気がする。


 「久しぶりかなー?最近忙しそうだよね創也くん」


 「そ、そうか?映画に、ハマってな!最近。夜更かしが続いてるんだ」


 「小野咲さんと何かあった?」


 意表をつかれた。創也は驚きつつ動揺を隠せなかった。


 「い、いや?べつに?小野咲となんて何もないぞ?」


 「なにもないならいいんだけどさーー、なんか困ったことあったら言ってね?友達だからね私たち。最近の創也くんなんか変だよ」


 「心配してくれてありがとう。平常運転だけどな!」


 創也は心の中で桜に謝った。話したいのは山々だか桜に言ったところでこの状況を変えられるわけでもなく、ましてや信じてもらえるかもわからない。そしてこのことを他人に話したことが小野咲にバレたらもうおれはどうなってしまうのやら。


 桜は少し腑に落ちない顔をしていた。


 学校に着きまたいつも通りの授業が始まり、昨日の夜は寝付けないこともあってか眠気との戦いが始まった。


 隣を見ると広人も眠気との戦いが始まっていた。というかもう負けていた。


 

 学校が終わり放課後、校門で待っていると小野咲が来た。


 男子、女子たちもが二度見、三度見。


 今日の小野咲は一段とオーラがあった。


 校門の前に見るからに高級車らしき車がとまり小野咲がそれに乗ろうとしている。


 車で行くのかな。おれも乗っていいのか?などと思いつつ創也は車に乗ろうとする。


 「なに乗ろうとしてるのよあんた。国水くんは現地集合よ?」 


 琴音は鬼畜なことを言い始めた。まあ大体予想はついていた。


 「あぁ、ですよねぇ」


 「30分以内に来なさい」


 「はいはい」


 創也は呆れ、少しイラついてきた。


 小野咲の本当の内面知ったらみんなどう思うんだろうな、なにが学校1の美少女だ、言いふらしてやろうか。創也はそう思った。


 創也は栗木沢高校から1番近くの駅まで行き、電車に乗って街へ向かった。


 街へ着き、集合場所の店まで歩いて行くと見るからに不良の、そして図体がしっかりしている3人組がなにやら女の子をナンパしていた。


 治安が悪いな、この日本は。


 見過ごそうとしたその瞬間、不意にナンパされている女の顔が見えた。


 「げっ」


 小野咲だった。


 


 


 

 

 


 

 


 




 


 

 

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